映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を観て

映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』をみた。そこには欅坂46の生き様があった。それは映画を見る前に筆者が想像していたものとは全く異なる。今までにない新しいアイドルを模索し、圧倒的存在の平手友梨奈とその大きすぎる影響力に欅坂46は向き合っていた。
 筆者の想像と異なっていたのは、その必死さだ。アイドルとはもっと自己中心的で、過剰な自己主張をし、疑似恋愛をさせることで利益を得る集団だと思っていた。もちろん、そういう部分が全くないわけではないだろう。しかし、欅坂46は自分自身と戦い続け、葛藤し、そして成長するストーリーを届けるのだ。そこには、常に問題がある。グループの問題としては、欅坂46の方向性と平手友梨奈の不在・脱退、今後の欅坂46などが挙げられる。これに加えて個人の問題も多くある。大きな壁に対して常にギリギリで、危うく、脆い、必死な欅坂46であるから、多くの人を魅力するのだろう。
 筆者は、ステージ上の平手友梨奈のパフォーマンスに幾度となく感動し、生きる力をもらってきた。彼女のパフォーマンスには、狂気すら感じる。型にはまらない、言葉に表すことができないものを伝えてくれる。心が震えるものだ。しかし、彼女にとってステージ上に立つということは、心身ともに半端ではないエネルギーを使うことになるのだろう。それでもなお、ステージ上に立っていたのはなぜだろうか。自分のためだろうか。ファンのためだろうか。大人に言われたから仕方なくだろうか。欅坂46のためだろうか。良い作品を作りたかったためだろうか。
 小手先ではない、全身全霊で、高い壁にぶつかっていく様子はとても勇気をもらえる。従来のアイドルとは、異なっている部分が多いため、それにあまり興味がない人でも楽しめるだろう。欅坂46の今までのストーリーを是非見ていただきたい。

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