読まず嫌いでよかった

性格がひん曲がっているため、金字塔と言われるものを毛嫌いしてきた。
恥を忍んで言うが、映画好きを語っておきながらLEONを見たことがない。映画好きの人と話すと大体出てくるが、毎回苦笑いしてその場を凌いでいる。

　ウォッチリストで5年くらい眠ってる

STAND BY ME も フォレスト・ガンプも ブレードランナーも見てない。
君の名はも見てない。だけど新海誠の秒速5センチメートルは中学生の頃から数えるとざっと30回は見ている。
君の名はが公開された時、知らない誰かがTwitterで

君の名は面白かった〜😭同じ監督の秒速5センチメートルってやつも見たんだけどハッピーエンドじゃなくてモヤモヤした笑　微妙だったな〜笑

そのころのTwitter

ってツイートしてるのを見て、「お前に何がわかるんだ、ハッピーエンドが全てじゃないってことを教えてくれているんだろうタコ。一生アンパンマンでも見てろ。」と非常に腹が立ち、そこから見ていない。もうこうなったら意地。
年金もらえるくらいになったら見てやるわ。

趣味の欄にかかっている"映画"は良く見ると薄っぺらいのだ。
好きなものだけを見て、見たいと思わないと見ない。良くないね。

ここからが本題だが、これは自分の好きな漫画も同じだ。
俺は、SLAM DUNKを知らない。何も知らない。

ネットミームとしても良く使われる、「バスケがしたいです」「試合終了だよ」「まだ慌てる時間じゃない」くらいは知っているが、原作を読んだことがない。

それもそのはず、まずスポーツ漫画をあまり読まない。
今まで完結まで読んだ漫画は「Mr.FULLSWING」と「アイシールド21」「ミラクルボール」くらいだ。
しかしこの前友達に、"ミスフルはスポーツ漫画じゃない"と言われた。野球してたろ。一応。

これに関しては誰も覚えてない。コロコロ読んでないんか。

人に漫画だと何が好きか聞くと、
「SLUM DUNK」「キングダム」このパターンが多い。
キングダムも読んでないんですよ、そう言うと高頻度で、
「えーもったいない！！ 〇〇が死ぬ時まで読みなよ！！めっちゃ衝撃だよ！」
って言ってくる。
そのネタバレのせいで見たくなくなるんだろ、勧めるの下手かよ。

(愚痴になってきたからやめます)

なんか読まないことが一種のアイデンティティだという痛い感情だったかも、
だから今回のSLUM DUNKの映画の話題は気にも止めていなかった。
でもSNSでは嫌でも目に入る。
"純粋に映画が楽しみ"な声と、
"明かされない映画内容" "見慣れないCG" に対する不安な声と、
"声優変更"に対する怒りの声。
そんな状況も自分にとっては対岸の火事。まさか見に行った興奮あまりnote書くことになるなんて思いもしなかった。

なんでこうなったのか。
先週、元バスケ部の友達の床屋に行った際、SLUM DUNKの話をされた。
すずめの戸締りの話してたのになんでそうなったかは覚えてないけど、感動した、読んでなくてもきっと面白いと熱弁されて、そんなに言うならば見てもいいかなーと心は揺らいでいた。

Instagramを見ていても、毎日必ずあのコースター(?)をストーリーで見る。
「わかったよ、もう笑」と思うくらいには毎日出てきた。

これね。

そして今日（2022/12/13）
なんとなく映画が見たくなる夜ってあるじゃないですか？
本当は「ザ・メニュー」を見たかったんだけど、夜やってなくて
「ブラックアダム」と悩んだ挙句「SLUM DUNK」にした。
「ブラックアダム」が吹替しかなかったから。

いつものようにポップコーンMを持ってスクリーンに向かって、見飽きたコースターをもらって席についた。
すずめの戸締りの時も見た「アバター」やら「シン仮面ライダー」の予告を見つつ
次第に眠くなってきたけど、すぐに目が覚めた。

なんじゃこの音質は。硬いバスケコートで跳ねるバスケットボールの音のリアリティが凄まじかった。たったそれだけで「もしかして、これ面白い？」と思えてきてた。
若干不安だったCGも全く違和感がなかった。今後のCGアニメこれでいいよ。
Netflixの攻殻機動隊とかこの感じで作り直してよ、お願い。

原作を読んでいないからどこがネタバレになるかもわからないので明言は避けますが、試合も勝敗も展開も知らない、キャラの名前も桜木しか知らない
(ジャンプスーパースターズに出てたからね)

だからこそ、1秒1秒緊張して、白熱して、ハラハラしながら楽しめた。
もし原作を読んでいたら、楽しめていたとは思うが性格上、次のシーンを予測できるからここまで心に残る映画にはならなかっただろう。
特に10-FEETの曲が劇中で流れるシーンは鳥肌がすごかった。
わーおって言ってたよ。よかった周りに人いなくて。

ただもちろん、原作を読んでない故の理解できないシーンもあった。

「パスだと!?」「あいつがパスを…!」的なセリフも、

((こいつ普段はパスしないのかよ、なんでスタメンなんだよ。そんな自分勝手なやつベンチにしとけよ。))

とか思ってましたごめんなさい。
でもそうだよね、ワンピースの映画見に行ってさ、
「こいつも…!!! 覇王色の覇気だと…!?!?」みたいなシーンに対して、一緒に見てた友達が、
「覇気って笑 オーラかよ笑 そんなので気絶しないだろ笑」
とか言ってたら一緒に見たこと後悔しそうだもんな。
ダウ90000のコント「ワンピース」の蓮見さんみたいに。

あとシンプルにバスケのルールがわからない。え、なんで今ファール？
とかもありました。これに関しては漫画関係なく俺が無知。勉強します。
オフサイドも最近わかりました。

総称すると、
「SLUM DUNKを読んでなくてよかった」し、
「SLUM DUNKを観てよかった」です。
読まず嫌いは辞めて、原作を全巻読んだらまた劇場に足を運ぼうと思う。

だが、キングダムお前は読まない。

TSUTAYAで全巻借りてきたいが、俺みたいな奴との争奪戦になりそうなので
大人しく漫画喫茶でも行こうかな。