「右の大砲」内田靖人 飛躍の年へ
こんばんは、ごしまです。
練習試合の日程も全て消化し、開幕までいよいよあと2日となりました。
本当に本当にこの日を待ちわびました。
一時は今年は開幕できないのではないかという不安もよぎりましたが、無事に(?)開幕できることを嬉しく思います。
尽力いただいた関係者の皆様、厳しい環境の中で開幕に向けてトレーニングを続けてきた選手の皆様には頭が上がりません…本当にありがとうございます。
熱い戦いを期待しています!!!
さて本日はnote企画の「#すごい選手がいるんです」に乗っかり、今回はプロ7年目の楽天の右の大砲候補、内田靖人選手にフォーカスを当てたいと思います。
6月4日のDeNA戦では守護神山崎康晃選手から敵地でサヨナラヒットという練習試合の特別ルールならではの貴重な一打を放ち、最終日6/14のヤクルト戦ではホームランを放ち開幕1軍の座を手にしたプレシーズン絶好調男・内田が今年活躍できるのかデータと共に考えていきたいと思います。
楽天ファン以外の方にも楽しみにして頂けているとありがたいお言葉を頂いたので、簡単ではございますが内田選手の紹介やオフの動向についても書いています。
1. 内田靖人選手の紹介🦍
まずは内田選手を簡単に紹介していきたいと思います。
内田選手は福島県いわき市出身で、高校から茨城県の名門・常総学院で甲子園に3度出場しています。
3年時には4番も任され、甲子園通算29打数10安打、打率.345、2本塁打と素晴らしい活躍を見せ、強肩強打の捕手として注目されていました。
楽天の松井裕樹選手やソフトバンクの大竹選手、上林選手、西武の高橋光成選手らとも甲子園で対戦していますね。
その後2013年のドラフトで楽天に2位指名され捕手として入団しましたが、その後内野手に転向しサードやファーストがメインとなっています。2017年にはイースタンリーグで18本塁打をマークし、本塁打王と打点王に輝いており、2軍レベルではすでにトップレベルのパワーヒッターとなっております。
ファンからはゴリラ🦍、内ゴリ🦍などと呼ばれており、楽天のグッズチームにはついにゴリラグッズまで出されるなど、野性味溢れる男です🦍🦍🦍
球団公認となりました(?)ので、他球団ファンの方もゴリラのイメージで覚えてもらえればいいのかな〜と思います🦍🦍🦍
2. 内田選手の成績を振り返る
内田選手はパワーツールが魅力の🦍と紹介しましたが、すでに1軍でもその片鱗を見せています。
こちらは2017-2019の3シーズンで1シーズン100打席以上の選手を対象としたAB/HRランキングです。
AB / HR (打数 / 本塁打)で表されるこの指標は、1本のホームランを打つのに要した打数を表しており、3シーズンで16番目に高い数値を叩き出しています。
16番目というと凄いのか凄くないのかピンとこないかもしれませんが、内田選手より上にいるのは
L 山川、中村
E アマダー、ブラッシュ
H デスパイネ 、柳田
M マーティン、ペーニャ
B マレーロ
の9選手のみで各球団を代表するパワーヒッターばかりであることが分かります。
単年で見ると2018年はリーグ6位と1軍でも通用するパワーツールを秘めていることがお分かりかと思います。
また前述のようにイースタンリーグで2017年は本塁打王、昨年はチームトップの14本塁打を放っており、本塁打を打つ能力に関しては2軍レベルでは言うことないレベルに達しています。
しかし2018年に1軍でトップレベルと遜色ないパワーを見せた内田選手ですが、昨年の2019年シーズンは1軍出場2試合5打席ノーヒットに終わり悔しいシーズンとなってしまいました。
昨年はファームが主戦場となりましたが、活躍ぶり・成長具合を確認するためにここで2017-2019の直近3シーズンの1軍と2軍のシーズン成績を確認してみましょう、
2018年に1軍で12本塁打を放った内田選手ですが、打率は.198、K%は34.2%(リーグ平均20%前後)と本塁打を打つ能力は見せたものの、2割を下回る打率と30%と平均を大幅に上回る三振率で確実性に欠けるところを露呈しておりました。
ファーム中心となった昨年は長打を打つ能力こそ例年通り高い水準でしたが、
K%
2017:22.4%
→2018:24.9%
→2019:22.0%
とファームレベルでもコンタクト能力の改善が見られず、打率も改善の傾向が見られていませんでした。
オコエやフェルナンドは2軍レベルではトップレベルの成績を残しており、この右の中長距離打者候補2人と比較すると完全に遅れを取っており、物足りない、足りなさすぎる成績に終わりました。
これらを鑑みて今シーズンのオープン戦が始まるまでは、改善があまり見られないこの状況では今年も厳しいのではないかという見方をしていました。
3. プレシーズン成績を振り返る①
活躍は厳しいという私の予想に反し、オープン戦から打撃好調、休止を挟んでどうなるか気を揉みましたが6月の練習試合でも同様に好調をキープし、大きなアピールをできた内田選手。
改めて好調だった3月のオープン戦、6月の練習試合の結果を振り返ってみましょう。
オープン戦: 打率.333、OPS .975
練習試合 : 打率.450、OPS 1.400
--------------------------------------------
合計 : 打率.383、OPS 1.155
と休止前の3月、再開後の6月のどちらも高い成績を記録しました。
またK%も3月: 6.5%、6月:22.7%、合計13.2%と6月は少し三振が増えましたがリーグ平均が20%前後、2018年の内田選手が34.2%だったことを考えるとかなり改善の傾向が見てとれます。
この数値だけでも期待できそうな気配がしており、ついに楽天からも右の生え抜き大砲が誕生するか、と期待が高まってきます。
4. 内田を変えた浅村の存在
少し話は戻りますが2019シーズン後、内田選手はオコエ選手、フェルナンド選手、西武の愛斗選手らと共に昨季FAで楽天に加入した浅村選手に弟子入りしてました。
これまで手本となるような右の長距離ヒッターはあまりいませんでしたし、せっかくお手本が加入した昨季もほとんどファームにいたため接点は少なかったかと思いますが、オフに弟子入りし非常に有意義な時間を過ごせてたのではないかと思います。
実際内田選手も下半身や右手グリップの意識の変化が上手くいっていると発言しており、一流から技術を吸収し一回り成長してくれたのかなと思います。
愛斗選手もファームで本塁打を量産しておりますし、怪我のため離脱してしまいましたが私の大好きなオコエ選手にも期待をしたいところです。
オコエのnoteも絶対書くので早く復帰してほしい…
5. プレシーズン成績を振り返る②
また話は戻り、もう少し詳細に内田選手の打席内容を振り返ってみたいと思います。
◎球種別打撃成績
プレシーズンで53打席、208球と対峙した内田選手の詳細をまとめました。
※球種別の結果球で四球などを含めてOPSを出すのも変な話ですが細かいことは気にしないでください
ストレートが半分程度を占め、次に割合の高いスライダーと合わせて70%を占めています。
これは現在のNPBの平均的(やや高めくらい)な割合になっているので、極端な投球内容をされている訳ではなさそうですね。
まず注目はストレート。
投球の中心なる直球をしっかり打ち返すことができておりストレート:打率.440、OPS1.333、次に多いスライダーもスライダー:打率.429、OPS1.429とメインとなる2つの球種をしっかりと打てていたことが分かります。
また他の球種に関しては母数が少ないためこれだけでは判断しかねますが、チェンジアップを打ち2本のヒットを稼いでおり、緩急への対応もできつつあるとも言えるかもしれませんね。
次に球種ごとのSwing関連の指標を確認していきたいと思います。
◎球種別Plate Discipline
ここで注目したいのはSwStr%、スイングストライク率と呼ばれるもので、全投球に対し打者が空振りしストライクとなった割合(空振り / 全投球数)です。
各球種ごとの空振り率はおそらく公開されていないと思いますが、全体のSwStr%は例年10%前後となっています。
内田選手がまとまった打席を与えられた2018年はこのSwStr%が17.6%と非常に高く、空振りが多く三振も多いバッターだったことが分かります。
今季のプレシーズンを見てみると、SwStr%が12.5%と大きく改善されているのが分かります。
更に球種ごとに見てみてもそこまで大きなばらつきはなく、全体的に良好な傾向があるのかなと考えられます。
しかし母数は少ないながら、落ちる系の球種であるフォークやシンカーで空振り率が高い点は注視していく必要があるのかな、と考えています。
◎左右別打撃成績 / Plate Discipline
左右別に並べてみましたが、打撃成績もPlate Disciplineもそこまで大きな差は見られず、少なくともプレシーズンでは左右どちらかを苦手とする傾向は見られませんでした。
楽天のメインの野手層を考えた際に、島内茂木鈴木銀次辰己と左打者が多く、対左では下流水を押し除けての起用はもちろん、対右でも調子を見ながらスタメンとして使っていけるのではないでしょうか。
またポジションを流動的に守るケースが増えてくることが予想される中(内田は1B,3B,LF)で、バックアップ組の内野であれば小深田山﨑、外野であれば小郷も左打者のため競合相手的にもアドバンテージと働くかもしれません。
ただここでの争いよりも銀次らからレギュラーを奪い取るくらいの気持ちで頑張ってもらいたいですね。
まずは左投手相手に起用されることが考えられるのでそこで結果を出していくことですね。
最後に付け加えると、今回の練習試合は投手の調整遅れか気温やボールの影響か、かなりの打高環境だったため少し高めに出ている可能性はあることは考慮に入れる必要があるかもしれません。
それを差し引いても高い数値を残せているのかなと思います。
6. まとめ
内田選手の昨季までの成績とプレシーズンの成績を交えて今季の活躍を予想してみました。
・プレシーズンでは3月から一貫して好調をキープ
・空振りや三振を減らし、良いアプローチができてきている
・ストレート、スライダーのメインとなる球種をしっかり捉えられていた。
・球種ごとに見ても苦手は潰せているようだが、落ちる球への対応は注視したい
・左右の成績差が小さく、起用のネックとならない
・投手の調整遅れか気温やボールの影響か、打高環境だったため少し高めに出ている可能性
簡単にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
数値的なところで見ると非常に期待が持てる内容になってそうな気がしますし、打席での雰囲気も出てきているような気がします。なんとなく。
調子が良いとはいえ対抗馬である銀次選手も実績のある選手ですし、まずは左投手相手に結果を出していくことですかね…?
ファーストサードだけでなくレフトにも挑戦しているため、起用できるポイントも確実に増えていますし結果を出していけばレギュラー獲りの可能性も十分にあると思います。
楽天は歴史の浅い球団のため生え抜き20本塁打を達成した選手は未だに0ですが、今季は試合数は少ないとはいえ茂木島内内田と期待できる選手が揃ってきていますので、ぜひ内田選手にはその1人になってほしいですね。
すごい選手というより、今季すごい選手になってほしいという期待を込めて、という内容でしたね
長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
ご意見ご感想頂けると幸いです。
それでは開幕戦を楽しみに待ちましょう!!!