沖縄県座間味村を踏破 その3<日本全市町村踏破(制覇)>
2018年5月1日、ゴールデンウィーク沖縄未踏市町村集中踏破四日目、第四村、座間味村。
阿嘉島で原付を借りて巡る。まずは、阿嘉大橋を渡って、南隣の慶留間島へ。
慶留間島には、国指定重要文化財の高良家(たからけ)住宅がある。琉球王府時代末期に、公用船の船頭職を務めた仲村渠親雲上(なかんだかりぺーちん)が、19世紀後半に建てたもの。
親雲上(べーちん)とは、琉球王国中級士族の称号で、唐儲けと呼ばれる中国貿易によって得た利益で建てたものと言われる。「渡嘉敷村その2」に書いた根元家と同じ性質の、島の有力者の邸宅であるが、ここではしっかりと建物が残っている。
これまた根元家と同じで、立派な「ひんぷん」も見られる。琉球建築に付きものの、屋敷の入口から家が見えないようにする目隠しの壁だ。
サンゴ石を使った石垣やひんぷんに、精緻な石材加工、建造技術を見る事が出来る。
高良家は、内部を見学出来、沖縄の伝統家屋を肌で感じる事が出来る。沖縄の離島に残る民家としては、比較的古いものらしい。
沖縄の伝統的民家では、東から一番座、二番座と序列が決まった配置になっている。一番座は客間、二番座は仏間で、有力者の家では居間となる三番座もある。もちろん高良家にも三番座がある。
さらに、これらの上側に「裏座」があって、収納部屋や寝室として使い、地炉(ジール)と呼ばれる囲炉裏がある。一番座と二番座だけは畳敷きで、他は板敷き。
また、高良家では、「トゥングワ(台所)」が別棟ではなく、主屋内にあるところに特徴がある。沖縄の伝統的民家では、台所は基本的に別棟ということである。
家屋の裏には、別棟で「フール」と呼ばれるトイレがある。これは豚小屋兼用であり、人間の排便を豚の餌とする。沖縄では一般的なトイレだが、近代的な観点から見れば流石に不衛生である為、現在は使われていない。戦前から徐々に廃止に向かっていたようだが、戦後アメリカにより完全に禁止されたとのこと。
アメリカと言えば、高良家の柱には、米軍機による銃撃の跡も残されている。隣の渡嘉敷島と同じく、阿嘉島でも米軍上陸時には集団自決等行われ、凄惨な状況となった。そのような状況を経て、現在まで残っている高良家は、奇跡的存在と言わざるを得ない。
現在、高良家の屋根は赤瓦葺きだが、元々は茅葺だった。鰹漁の景気の良かった大正年間に、赤瓦になったという。
さて、この高良家を見学し終え、原付に乗る前に、携帯電話を見た。iPhoneとAndroid、二台のスマートフォンがあるが、「渡嘉敷村その3」で書いたように、iPhoneの方は1%以上充電出来なくなっていたので、もう一台のAndroidの方を見た。
すると、「異常高温の為、ネットワーク機能を停止した」旨のメッセージが出ていて、インターネットにアクセス出来なくなっていた。
いかに沖縄とは言え、まだ5月、スマートフォンが停止する程暑くはない。この時より気温の高い場所で、いくらでも使用した事があるが、こんな事は一度もなかった。
どうも昨日から、今まで経験した事のない、おかしなことばかり起こる。これが、慶良間諸島滞在時の、三番目の不可思議な出来事である。不可思議な出来事は、まだこの後も続く。
市町村踏破数は前回投稿から変わらず。
沖縄県全41市町村のうち、33市町村踏破、残り8市町村、達成率80.5%。
九州・沖縄全274市町村のうち、265市町村踏破、残り9市町村、達成率96.7%。
日本全国1741市町村のうち、1725市町村踏破、残り16市町村、達成率99.1%。
(2018年5月1日当時の状況)
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