実家の庭のメインテをした。(ネパールトレッキングの境域)
働くってことは、何もお金を取ることとは限らないと思う。
先月から、心が折れてしまい、完全防備をして、実家の庭仕事にでかける。ICカードに初めてお金をチャージ。チャージ方法もわからず、駅員さんに訊いて、親切に教えてもらった。改札口を通過するときも、ピッピッだけですむのには、びっくりしてしまった。
駅から、歩きで、40分。途中ワークマンがあり、軍手を買い、地下足袋を取り寄せ注文。
昨年購入した、ハンディノコを使いたくて仕方がないので、ばあばの許可を得て、まずは、指定されたナンテンの手入れ。棕櫚の小さなものも取り除いてほしいと、頼まれ、混み合った枝、枯れた枝を取り除く。
まず、第1回目は、日帰り。帰宅する時間も考えて、すぐに作業を始めた。休憩もせず、せっせと、行っていた。(本当は、礼儀として、仏壇に手を合わせてからやってもらいたかったと、叱られた)手土産は、切り出しバームクーヘン。冷凍するようにと、言っておいた。
電車での移動になれるため、2度目は、注文した地下足袋だけをとりにいくだけにした。
3度目、ばあばを説得して、泊まりで作業。その時は、仏壇に手を合わせる時間があったので、御線香をたて、心経を読んだ。感染予防のため、シーツ代わりのシュラフカバーを持参。
主な仕事は、庭木の剪定。アジサイ、4株ぐらい。水が入ってこない濁った池に用水路から、水をなんとかいれて、1晩おいたら、徐々に池の水が澄んできて、泥の底に小さな魚が3匹ぐらい、スイーと泳いでいた。
池は、生れたときからあったもので、オヤジが上の竹藪の中の湧水から、水引いたりしていたが、オヤジも亡くなり、すっかり、その水路も枯れてしまった。だけど、用水路に入って、何か手はないかと、様子をみると、石で、栓がしてあって、その小石をどかすと、池に水が入って、循環していく。
池が澄んでいく様子をみると、何か心のモヤモヤがとれていくようだった。
「魚がいるよ。」ばあば、「ボウフラがわかんでええ・・」
休憩は、あまりとらない。トイレぐらい。天気もよく、日光浴って、本当に大切だなあと、しみじみ感じた。
終わりのない庭仕事、まるで、ネパールの山の中を独りで歩いているような錯覚に陥った。目的地が目の前じゃなくて、まだもっと先にあるような・・。ウグイスの鳴き声が「ホーホケキョ・・」と。しばらく聞いてなかった。
ばあばは、耳が悪いから、ウグイスの声も聴こえない。
年寄りの一人暮らしだから、決して綺麗とは言えない家、目が悪いから、細かい埃とかカメムシの死がいとか転がっていても気づかない。そんなところが、ネパールのバッティ(小屋)だと、思えば何のことはない。
ばあばが、風呂に入るというので、「後で、帯状疱疹の患部の手当てを手伝ってほしい・・」と頼まれ、ゴム手袋をはめて、軟膏を塗り、ガーゼをあててあげた。
食事は、ばあばが、用意してくれた。ばあばの手作りは、唯一ばあばのお得意料理というか、好物という酢和え。大根、ニンジン、刻み昆布を甘酢で煮たもの。あとは、よくわからない。レンジでチンで、ヒレカツが出たり、鳥のささ身肉がゴロンゴロンとデカい塊で入ったカレー。次の日は、残りのカレーで、ジョイフルに通って、カレーグラタンを食べたかわかるような、類似品が出た。「どんだけ、ジョイフルに通ったか、わかるわ・・」と一言。唯一、近くの茶飲み友達と談話するのに、ジョイフルは憩いの場であったようだ。
味噌汁の食べ方は、昔と変わらない。茶碗に残ったご飯にお椀の味噌汁をぶっかけて、サラサラ食べる姿は、いかにもばあばの姿だった。それも、こっちは、黙食なのに、ペラペラとしゃべりながら・・。
完璧にネパールのエベレスト街道、クーンブン山群エリアの山小屋に化けてしまった。
最後帰宅する日は、草むしりにはげむ。実家といえども、もう甘えはなしだ。許可なく、部屋に入ったりもしなかった。思い出話とか、アルバム開くこともなく。黙々と庭仕事をした。
帰宅する時間も考えて、また、駅まで、40分歩く。
ばあばは、目も耳も悪いので、ゆっくり身振り手振りで話せば、会話が成り立つ。家には、テレビがあったが、私は、テレビが嫌いなので、片耳携帯ラジオをイヤホンをつけて、ちょうどよい。寝る時間も、夕飯食べたら、すぐ寝る、いつもの生活パターンを守った。
唯一、自分が作ったものは、朝食は、各自でとなり、ミズキトースト。ばあばに作ってあげたものは、休憩時間に、冷凍しておいた切り出しバームクーヘンを数個、オーブントースターで焼いたもの。これで、二人で、お茶を飲んだ。私はコーヒータイム。「カリカリとして、バームクーヘンじゃないみたいやなあ~」と。確かに、表面がカリカリと香ばしく、ホットビスケットの様に変身した。私も、初めてで、おいしく思った。
次の仕事依頼は、浴室の掃除、庭仕事、畑仕事の手伝いなどなど。
晒しがほしいと、言っていたので、晒しを持参。
たまたま、立ち寄った姉に、池を見せると、「魚が・・」と。
次は、来月、連休過ぎになると思う。