【小説】水上リフレクション10
第十章(危険と収穫)
「ここで降りればよかっちゃろ」
「そうだ。早く降りろバカ」
歳三と誠二は千晶の応援のため、JRで博多駅から折尾駅まで行き、筑豊線に乗り換えて奥洞海駅まで行った。そこから歩いて五分程の所に若松ボートレース場はある。
ここ若松は全国でも数少ない、ナイターレースのみを開催しているレース場だ。夜の水面は照明の光で煌びやかな絶景を作る。二人は奥洞海駅を降りレース場へ向かっていた。時間はまだ十三時。千晶が出場する第3レースは十六時五十二分なので、まだまだ時間はある