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朝の勉強を続ける理由
中学受験時の長男は寂しがり屋で、勉強はリビングでしか出来ないタイプだった。
当時の受験対策本で「子供は家族の気配を感じるリビングで勉強する方が集中できる。」と推奨されていたこともあって、我が家ではリビングルームが勉強部屋となり、食事中を除きテレビとゲームが全面禁止となった。
その受験本でもう一つ推奨していたのが、「子供が受験する際に、パパも新しい何かに取り組むのが良い。」ということ。このフレーズに刺激を受け、なるほどやってみるかと、私の朝の勉強が始まった。
取組んだのは英語。何冊かノウハウ本を読んだところ、英語の上達は発音練習がカギという結論に。そこからは眠そうに計算問題をこなす息子のテーブルの前に毎朝陣取り、英語の発音練習を繰り返した。
3年後の春に息子は無事に合格した。息子は受験を終え、ぶかぶかの制服を着て電車通学する新生活が始まった。
息子の受験は終わったけれど、私は朝の勉強を継続することにした。
翌年の春、長女の中学受験が始まった。眠気まなこで計算問題をこなす娘のテーブルの前に再び私は陣取り、執拗に発音練習を繰り返した。
3年後の春に娘は無事に合格した。私たち家族は再び歓喜に包まれた。娘は頼りなげな制服姿で満員電車に揉まれながら、新しい学校生活を始めた。
長かった我が家の受験は終わった。けれど私は朝の勉強を継続することにした。私の英語は満足に上達しなかったけれど、私にとってこの習慣は「心を整えるための時間」になっていた。
仕事や私生活を取り巻く悩みや不安は尽きず、時として恨みや嫉妬といった感情が心を乱すけれど、この時間だけは無心で素の自分に立ち返る時間となっていたのだ。
息子の受験勉強に付き合う形で始めた朝の勉強だけれど、いくつかの国家資格を取得することもでき、結果的に実益となっていることは事実だ。
出勤前の朝勉強を始めてから10年、これからも気負わずに続けて行こうと思う。
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