どうする?年金基金の解散分配金。
加入していた厚生年金基金が解散して、残余財産をあなたに分配するという通知が届いた。
受け取りの方法は、今すぐ受け取る「一時金」と65才以降から終身で支給される「年金」の2種から選ぶことになっている。
大学生の息子と高校生の娘がいて、人生の資金需要でピークを迎えている会社員としては、秒速で「一時金」を選択しようと思ったけれど、それぞれがどんな受取り金額になるか試算してみることにした。
一時金を50歳に受取ったとして、全額を複利2%もしくは3%で運用した場合に、年金受取り累計額との比率は各年齢で以下となった。
利回り : 2% 3%
70歳 : 390% 475%
75歳 : 216% 275%
80歳 : 159% 213%
85歳 : 131% 185%
90歳 : 116% 171%
95歳 : 107% 166%
100歳 : 101% 165%
一時金の全額運用を続けた場合、年金より累計の受り取額は多くなりそうだ。ただ高齢になるほど一時金と年金の差は縮小してくる。
将来の年金受取りを選択した際のリスクは、日本円の価値が目減りするインフレだ。
歴史上で財政破綻した国はいくつもあるが、それらの国々と同じで日本政府の財政問題もインフレによって徐々に解消されていく形になると思う。
むしろ各国政府の財政問題はインフレで解消されてきたのであって、デフレ経済が続く中での財政健全化など不可能なのだ。
日銀は2%のインフレ目標の達成に向け、金融緩和政策を続けざるを得ない。
インフレになれば、日本政府の日本円での借金が目減りして、財政の健全化が進む。一方で最大の犠牲者は、目減りした日本円を一定金額で受け取る年金の受給者だ。
今回の厚生年金基金の解散に伴う分配金だが、やはりこれまでの基本方針どおり、インフレ対応の資産ポートフォリオを固める方向が良いと思う。
ただこの一時金、息子の留学と娘の海外修学旅行で、瞬間蒸発する見込みですが。
悲しくなってきたので終わります。