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副業で稼ぐサラリーマンによる企業分析#03_ファーマフーズ[2929]

個別銘柄分析も第3回目となりました。今回はファーマフーズ[2929]です。今回の分析記事はファンダメンタル分析はほどほどに、初の試みとしてSWOT分析を中心にした記事にしてみます。もう数字のことは頭に入っているよ!という方は、目次から最終章のSWOT分析に飛んでください。

また、本記事において、株価やチャートについては一切触れませんのであしからず。

【注:この記事をお読みになる方へ】
私は現在この銘柄のホルダーであることを先に申し上げておきます。ですが、こうした分析記事では客観的な視点で、良い点も悪い点も触れることで価値が生まれると思いますので、その一環として今回、SWOT分析で「弱み」にも触れていきたいと思っています。


1. 事業概要

ある人は通販の会社、ある人は創薬ベンチャーと言ったりするようですが、大きく以下の3つの事業からなります。

①機能性素材事業(BtoB)
②通販事業(BtoC)
③バイオメディカル事業(創薬)

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人によって、何に期待しているかで見方が違うようですが、私は機能性素材事業で利益を出していて近年通販でも利益を出せるようになった成長企業、という見方をしています。

以下の図では、左側で売上の大半が通販(以下の図ではバイオダイレクトという表記)、利益を機能性食品事業(以下の図ではバイオ機能種子という表記)で叩き出しているのが確認できます。

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通販事業の参入が2012年らしく、その成功が契機となって、会社の売上高はここ5年ほどで大きな成長を見せています。

創業以来の売上高推移

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私が注目している機能性素材事業も少し紹介しますと、江崎グリコの『メンタルバランスチョコレートGABA』やハウスウェルネスフーズの睡眠の質向上飲料『ネルノダ』シリーズ、ロート製薬から販売されている成長期応援飲料「セノビック」などに、同社の素材が使われているそうです。


GABAに限って言うと、「高めの血圧を下げる」「精神的なストレスを緩和」「ストレスや疲労感を軽減」「睡眠の質を向上」「すっきりとした目覚めをサポート」「一時的な活気・活力感の低下を軽減する」――など、近年の研究の結果いろいろGABAによる健康機能訴求ができるようになり、さまざまな新商品を目にする機会が増えてきている、という状況です。


2. 業績ハイライト

通期決算の業績推移は以下の通り。20年9月期の決算は3月に上方修正しています。ちなみに直前の3Q決算は、四半期単独で売上高、営業利益が過去最高と好調な内容でした。

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と思ったら、この記事を執筆中に上方修正&増配が発表されました。あえて修正前の数字は残しておきます。以下が8/26時点で最新の数字です。

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EPSの伸びが順調です。そしてこれは会社によってコントロールされたEPSであるところがミソです。以下のように、余ったお金は来期の成長のための広告宣伝にあてるという姿勢を見せている会社です。

利益が上振れの場合は、広告宣伝に再投資
(ただし、CPO※基準クリアの場合に限定)
~2020年7月期(第23期)第3四半期 決算補足説明資料 P19から抜粋~


ちなみにその広告宣伝費というのが以下でして、投資家が心配になるくらいの費用を投下しています。上期で積極投資して、通期で回収ということを毎年やっています。このため、上期は例年赤字決算を出してくるので、びっくりしないようにする必要があります。

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3. 財務指標分析

①収益性

21.7期の予想数値で、ROE: 14.5%(by FISCO)と高い収益性を誇ります。ROEの数値が近年の一途をたどっていて、利益を生み出す体制が固まっていることを示しています。

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②安全性

主要指標は以下の通り。研究開発に積極投資している会社のため、有利子負債が多く、自己資本比率が低下してきましたが、ネットキャッシュを常に10億円以上維持して活動している感じですので問題ないと思います。

自己資本比率: 49.4%
有利子負債: 3,107(百万円)
ネットキャッシュ: 1,209(百万円)

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③成長性

売上、利益ともに成長しているのが一目瞭然ですが、EPS(一株当たり利益)の経年変化は、10.8円→17.2円(+59.4%)→23.8円(+38.2%)[今期予想]となっています。


4. 企業分析(SWOT分析)

ここまではIR資料を読めば誰でも振り返ることのできる数字でした。この章でようやく自己流の分析を残します。SWOT分析してみます。

SWOT分析は、「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」の頭文字から命名されたフレームワークです。マーケティングコンサルタントという職業柄、クライアントブランドの置かれた環境を分析するときによくやっているのですが、株式投資で企業を分析する際にも使えるなと思いました。

私の持っている情報を用いて客観的にファーマフーズを分析した結果が以下のとおりです。

強み(Strength)

・ファーマギャバの業界内のポジション(国内のGABA含有商品の8割で同社の素材が使われているらしい)、大手企業への素材提供やOEM実績 ←有象無象の会社と比べて信頼度が高い盤石のポジションぽい
・ニューモ、タマゴサミンなど通販事業における自社開発ヒット商品の存在
・創薬における独自の鳥類由来抗体取得技術


弱み(Weakness)

・通販事業/サイトのマスにおける知名度の低さ(認知者・使用者ともに、シニアなどの特定層に限られている様子)
・広告投資を抑えた下期に如実に定期顧客数が減るというのも、何もしなくてもリピートで買ってくれるロイヤル層が少ないためと思われる。その結果、顧客獲得のための広告費がかさむという投資先行リスクがある。
→もともとの発祥が研究開発なので、マーケティングが弱そう。


機会(Opportunity)

・機能性食品市場の伸び
・機能性素材事業の海外での成長(US,中国等) 現在海外比率は10%程度で伸びしろ大
・通販事業の主戦場である健康・美容市場は、高齢化社会の進展を背景に市場規模拡大中
・通販は業界全体的に追い風の傾向
・創薬という宝くじ


脅威(Threat)

・研究開発に強みを持つ競合他社(製薬企業など)の、機能性食品事業への参入
・多くの通販事業者。例えば育毛剤などは大手ECサイトを見ても有名どころの競合多数。
・創薬も大手、ベンチャーなど競合多数


ファーマフーズのSWOT分析(まとめ)

SWOT分析


以上、ファーマフーズの分析記事でした。個別銘柄の分析は、気が向いた時に記事にしていきますが、また読んでみたいと思った方は、是非💗ボタンのクリックをお願いいたします。スキの数が次の記事へのモチベーションになります。

また、こんな強み・弱みもあるのでは?というご意見もございましたら、是非コメント残してください。さまざまな意見交換があった方が企業理解が深まると思っています。


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本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。投資にかかる最終決定はご自身の判断にてお願いいたします。皆様自身の意思決定に基づいて行われた投資により生じた損失等について、当方は一切の責任を負いません。

画像出典元:「ファーマフーズIR資料」「株探」「FISCO」「バフェット・コード

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