2022年の株式投資の振り返り

1. 振り返りの目的

2022年は年初来パフォ+100.9% と2年ぶりに3桁%達成という非常に満足のいく結果でした。
私はグロースの中小型株を主戦場としてるわけですが、Topix -5.1%, マザーズ -26.1%という地合いのなかで勝てたことはかなり自信になりました。その背景には、昨年の反省が生きている部分もあると思っています。
少々長い記事ですが、私と同じように数字が好きな方にはこのような振り返りの方法にご興味を持っていただけると思います。

1-1 振り返りの目的

最もやりたいのは投資アイデアごとの取引の振り返りです。昨年初めてやってみたのですが、この振り返りの主な目的は、勝率や損益の悪い投資アイデアを見える化して、それをやらないようにすることでパフォーマンス改善を図ることです。
自分の負けパターンを認識し、悪手を減らすことで、数十万~数百万の損失の回避があるのならばやらないわけにはいきません。

以下は2021年の降り返り。これを1年間固定ツイートにして自分を戒め続けました。(やめることに書いたことをやっちゃっていますが、、、)


1-2 取引銘柄数

大きなところから振り返ると、2022年の取引銘柄数は141銘柄でした。2020年58銘柄、2021年113銘柄ときて、また増えました。2月~4月はメダパニでのガチャガチャ。年後半は決算を見て買って、思惑が外れたら1週間以内に撤退というような機会が増えていたので、そのあたりで増えたと思う。
一方で、2021年には取引していない銘柄が今の主力の大半になっているので、思考停止せずに旬を取り入れている形になって成績も上向いたと思う。2021年の失敗の要因は、楽をして放置投資したいが故の思考停止に尽きると分析していたので、反省を生かせた。

決算に目を通す時間は、ちゃんとやり出した2020年よりも、2021年よりも確実に増えた。本業が多忙を極める中、パフォがよいときほどやる気が起きて読む時間が増えているんだと思う。

ただ、全部は時間的にも目を通せないし、投資対象も狭いので、気になったところを深堀していくスタイルは継続する所存。
やれた時期とやれなかった時期があったなと振り返るのは、どの業界で何が起きているのか、そのトレンドの把握。これは投資アイデアの源泉の1つになるので、浅くてもいいから今後は継続していきたい。実際、同業の決算を読んで、リスクを検知して決算の跨ぎを回避することで得した銘柄などもある。

1-3 資金管理

2020年12月にハイレバで喰らってから、EXCELで毎日の資産、現物、キャッシュ、信用建て額、取引履歴などを記録して、大引け時点でレバいくつになっているかを記録し続けています。

資金管理面の指標を振り返ると、一目瞭然、2021年よりもいい感じです。
レバは年間平均では1.44 という数字でした(頭を冷やした3-12月は1.12)。
2021年はなんと2.62。ハイレバクソ野郎という言葉がピッタリあてはまる数字です。
また、信用の保証金率が30%を割った回数が激減しました。こうやって並べてみると、2021年はやはり資金管理面でもチンパンジーレベルだったことがわかります。
不足金は3月を最後に発生しませんでした。

資金管理面の振り返り(2021, 2022)


レバの計算は、口座資産に対し、どれだけロングに傾けているかというものですが、アプリで簡単に確認できる数字を使って以下の式で計算しています。
(現物評価額+現金+信用買建-信用売建)/口座資産評価額
※信用の含み損益を考慮していませんが、これは単純に面倒だからです。

以下の図がレバの年間の推移で、2022年は1月こそ地合い悪いのに頑固に握り続けたせいでおかしな数字になっています。2月はリバウンドを取り逃すまいというレバ2。
でもこれ、ロングを押さえた3月以降のほうが実はパフォーマンスがよく、かつ安定性が増していたので、実はハイレバなんてやめて肩の力を抜いたほうがいいんじゃないかということに9月ごろから気が付きました。2022年の新たな学びです。

年初来パフォとロングショート比(2022年)


2. 投資アイデア別の振り返り

いよいよ本題。投資アイデア別のほか、ロング・ショート別、銘柄のタイプ別で成績を振り返ります。

2-1 やり方

EXCELを使い以下の手順で計算しています。

  1. 証券口座から取引履歴をダウンロード

  2. 列を追加して、Record ごとにどういう狙い(投資アイデア)で購入したものなのかをつけていく。私の場合同じ銘柄でも、時期によって違う狙いで売買するときもあるので、細分化しています。

  3. Pivot table で分析観点に基づいて分析。

  4. 最終的なまとめとして勝率と損益合計を出すために、上記Pivot tableを対象に勝率をCOUNTIFS関数で、損益合計をSUMIF関数で集計

3 の Pivot tableはこんな感じ


2-2 投資アイデア別の成績

集計をする過程で、損益確定ごとに投資アイデアのフラグ付けをしていくので、何やってんだよこれとか、最終的な集計時に意外な結果になっているものについては要因(どの取引が悪さしたか)を紐解いてみたりして、自分なりにしっかり消化できた。

そのアウトプットがこちら↓ 説明は割愛します。

投資アイデア別の成績(損益降順)
投資アイデア別の成績(グラフ)

前回やっていて思ったのは、とかく成功して含み益になっているものをGARPに分類し、うまくいかなかったものを雰囲気投資に分類していないかという点。
何をもってGARPとするかは個人の定義によるものなので、当人が区別できていればいいと思いますが、失敗した投資をGARPに入れないということをやっていてはまともな振り返りにならないので、その辺はシビアに行きました。夢枠とか言って買ってるものもGARPに含めています。決算見てロングというのは長期目線ではなく、1-2週間でのインアウトを考えて決算翌日に買った投資としました。


2-3 ロング・ショート別の成績

ロングが爆益だった一方で、ショートの合計は -153万。業績先回りのショートも含めるとプラスですが、前回の振り返りの時もやめろとか言っていたヘッジという名目でのショート。2022年も結局はやっていて、結果はトントンでした。

ロングとのバランスとるためにやっていた側面もあるけれど、そういうヘッジ目的でのショートは結局2年連続でマイナスの成績なので、もう卒業してみましょうかね。
基本的に動きが遅いのでショート手仕舞いしてロング増やすというようなところで出遅れて損失を大きくしているんだと思う。それかイン(空売り)のタイミングが遅い。それならば現金で守備力を高めて、分の良い勝負に備えておくべきではないか。でもそうすると、ロングが多めになっている状況ならばそれを一時的に手放す必要がある。

精度高いショート銘柄が常時あれば問題解決だけど、このあたりはまだ答えが見つからない。精度の低いショートに手を出すくらいなら、何もしない、ということにしておきます。なお、指数売りは損益通算できないし、ETFは逆日歩つくし、今のところ検討外としています。

2-4 銘柄のタイプ別の成績

これはお世話になっているアプリ(myTrade)で機能が追加されたので、今回はアプリの集計に頼ることにします。

時価総額別、PER別、PBR別

時価総額別では、継続的な成長がある程度担保できている時価総額100-300億円くらいがやっぱり得意なようで、このあたりを主戦場とするのは継続。一方、100億円未満になるとマイナスでした。
PERは高すぎるとだめ、20倍くらいの割安グロースがいいようだ(ショートもの利益が半分以上だけど)。利益銘柄におけるPER50倍以上はEDP1銘柄のみでした。PER不明の損失も大きくて目立つけど、これはENECHANGE,マネーフォワード、ウェルスナビの3銘柄で、合計300万円を市場に溶かしました。

配当利回り別、売上高成長率別、営業利益成長率別

次に配当利回り別。グロースを主戦場としているので、利益の大半は無配当銘柄でした。0.01%~1%の大半はアクリートで、1~2%のところはトレンダーズのみ。
売上高成長率別では利益銘柄のうちのマイナスはアライドアーキテクツ。これは収益認識の基準変更による減収であって、利益のほとんどがやはり売上成長率が高い銘柄によるものでした。
営業利益成長率別では、成長率100%以上の銘柄がEDP、アクリート、INPEX,ソシオネクスト、といずれも人気の出た時期があった銘柄でした。成長率マイナスの銘柄でも利益が出ているようで、これはPR TIMESとサーバーワークスでした。

いずれも体感しているものではあったものの、これをアプリで瞬時に集計してくれるのは本当にありがたいです。グラフの該当銘柄が何なのかも、この画面からわかるような仕組みです。


3. 振り返りの総括と2023年のマイルール

数字は正直です。そこには感覚ではなく紛れもない事実が示されています。
今回の振り返りを総括し、2023年のマイルールを設定して終わりにします。

以下の考えでお金を使うことをやめるべく、今年一年固定ツイートに掲げるものとする。

  • 地合いでハイグロロング →なんですかそれ。センスないからETF買っとけ。分析もしてない銘柄の取引を今すぐヤメロ(特にマネフォ、ラクス、ウェルスナビ)

  • 決算ガチャロング →浅いんだよ。高成長銘柄そのまま跨ぐのと精度高い先読みができる案件にフォーカスすべし

  • バリュー枠 →なんだそれ。安定が欲しいのならキャッシュだこのヘタクソ!せめてみんな大好きな高配当ど真ん中にすべし

  • もうオプティムを売買しない。リストから外して見れないようにする。

  • 決算翌日ストップ高の高値掴みは2回とも大損。いずれも小型株で決算当日に知った銘柄。押し目を待ちながら情報集めればいいじゃない。


一方で、以下は良い点。よいことはどんどんやる。

  • 業績先回りという一芸を磨き続ける。これがない自分はただの雰囲気投資家。万能ではないからこそ今後も優位性にこだわる。

  • 夢枠を含むGARPの選定は長期的に成長が見込めるスケールが大きいのがいい。ただし10年先の未来は不確実であり待てないし、そこには張れない。近い未来に、他の投資家も気づいてくれて買ってくれる銘柄を先んじて買えるとよい。

  • 最後がこの作業をしての新たな気づきなのですが、該当4銘柄の年計で勝率100%を記録したGARPで選定した銘柄のスイング(雰囲気投資)。成長を信じて現物で保有している銘柄に押し目が来た時に、信用でスイング投資して短期で利益を取るものですが、保有中の銘柄なので値動きの理由も癖も把握できているのが要因だろうか。雰囲気で押し目を拾う活動を今年もやってみることにする。ただし、この手法は信用2階建てリスクに敏感になる必要がある。そのリスクとは該当銘柄が急落した時に信用保証金率の低下も速度UPとなること。具体的な対策としては信用スイング枠の損切を徹底する。市場環境の急変による下落時はいち早く整理し、落ち着いてから再度インする(2022年12月20日のクロちゃんショック時のときの立ち回りを思い出す)


以上。それなりの時間は書けましたがやりたかった整理はできた。
株式投資の熱意があるうちは、2023年も同じように振り返る予定です。


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