一級建築士製図試験対策#1-5(無料記事) 電卓の選び方
※この記事は令和6年度試験用の内容です※
こんにちは。今回は製図試験で使用する道具の一つ、「電卓」の選び方について、単独の記事で掘り下げることにしました。
試験元の「試験当日の携行品」についての記載内容を見ていたら、電卓のところに目が留まりました。
「あれ、関数電卓ってだめなんじゃなかったっけ・・・?」
リンク先のPDFを見てみると
関数計算機能キーはついててもいいという事を私は知りませんでした。はなから関数電卓はだめだと思い、日頃使用している実務電卓で受験しましたが、ちゃんと調べればもっと便利な電卓を使えたかもしれない、と、これを読んだ時に思ってしまったんですね。そこで、電卓について、私なりのまとめを行うことにしました。あくまで私一個人の使い心地や見解をまとめたものにはなりますが、参考になればと思います。(カシオ派なので、カシオの話の比率が多いかもです)
アスカ 計算式表示電卓 C1258
ネットの書き込みで多いお勧め電卓は、「アスカの計算式表示電卓」ですね。
この電卓は、関数電卓"ではない"電卓の中で、唯一と言っていいと思いますが、2行表示で計算式が表示出来、かっこ計算、部分訂正機能がある電卓です。もちろん私も飛びつきました(旧製品のC1242)。
ところが・・・何回か使ってみたのですが、どうにも自分には合わず、これまで使っていたカシオ製の電卓に戻すことにしました。カシオのキー配列、キータッチに慣れすぎていて、カシオ以外の電卓を受け付けない体になってしまっていたのですね・・・アスカの電卓に慣れようと努力してみたのですが、違和感のストレスの方が勝ってしまいました。
キー配列、キータッチにこだわりがそれほどない方ならば、製図試験の電卓はアスカ一択、以上終了!だと私も思います。良い商品だと思います。
※キー配列は、シャープの電卓に似ているので、日頃シャープの電卓を使っている方は乗り換えやすいと思います※
でも、アスカに慣れなかった私みたいな人は、実務電卓しか使えないのでしょうか・・・
今使っている電卓のキー配列が手になじんでいる人は、メーカーとキー配列を変えないほうがいい
日本の電卓メーカーは、カシオ、シャープ、キヤノンの3社でほぼ占めているそうです。
メーカーが異なると、キー配列も少し異なります。
カシオとキヤノンは割と似てますかね。
ただ、同じメーカーでも、機種や大きさによって配列が異なる場合もあります。
私がずっと使っているのはカシオJS-12ecoという電卓で、「0」キーが「1」の左斜め下の配置です。会社用、家用と2台持っていたので、通学用には同じキー配列のJS-20DCを購入しました。
もっと安いのでもよかったんですが、製図試験後も使用するので、
・早打ち対応、凹凸キー
・大きさは"ジャストサイズ"
・表示は12桁以上
・日数/時間計算(←製図とは関係なく、個人的にこれを時々使うので)
・2色成型樹脂キー(関数電卓は文字がこすれて消えちゃったので)
のこの商品を選びました。あ・・・このあたりは個人的すぎて、あまり参考にはならない話です・・・
話を元に戻します。同じカシオ製の電卓でも、DW-200TCという電卓は「1」の真下が「0」です。なので、買い増ししようと計画している方は、配列に気をつけて購入して下さい。
また、大きさも出来るだけ変えないほうがいいと思います。「履き慣れた靴」みたいに、慣れている電卓の操作感に近いもののほうがいいと思います。
気になる「検算」ボタン
アスカじゃなくても「検算」機能付きの電卓があるじゃない、そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カシオだと「検算」、シャープの「アンサーチェック」機能です(キヤノンは検算機能がなさそうでした)。
でも、これってどういう機能か知ってますか?
同じ計算を2回入力して、一致しているかどうか照合する機能のようでして。
求めているのはこれじゃない・・・のでした。まあ、そんなに複雑な式を計算するわけではないので、2回打ってもたいした時間のロスにはならないと思える方ならば、便利な機能なのかもしれません。
そもそも、どんな計算するんだっけ→メモリー計算、GT機能は便利だよ
主に電卓を使うのは、建築面積、床面積、延床面積の計算ですよね。
たとえばこんな式。
(48×18)+(16×12)-(8×6)=1008
アスカだと、みたまんまの通りに入力できます。
各社名称は異なりますが、式通り入力対応の2行表示ディスプレイの関数電卓であれば、アスカと同じようにみたまんまの通りに入力し、式を表示させたまま計算結果を出すことができます。(自分の持っている関数電卓を久しぶりにひっぱりだし、見たまんま入力してみたら・・・快適・・・でした。)
焦っていて間違う可能性もあったので、最終的に私はカッコの計算結果をメモしながら計算していましたが、でも試験でなければ!普段はメモリー計算を使います。
カシオだと上記の式は
「4」「8」「✕」「1」「8」「M+」「1」「6」「✕」「1」「2」「M+」「8」「✕」「6」「M-」「MR」
と打ちます。(次の計算の前に「MC」するのを忘れずに!)
メモリー計算、思ったより簡単なんですよね。
また、「GT」ボタンを使っても同様の計算ができます。カシオだと同じ式は
「4」「8」「✕」「1」「8」「=」(GT表示される)→「1」「6」「✕」「1」「2」「=」「8」「+/-」「6」「=」「GT」
こちらも、簡単なんですよね。
カッコ付の計算をしたいだけなら、普通の電卓でもメモリーかGT機能を使えば計算できるので、アスカのキータッチが合わない人は、これを機にマスターするのも一つの手です。
でも、メモリーやGTは計算過程のチェックが出来ないし、間違ったら再計算が必要
メモリーやGTが、みたまんまの入力にどうしても勝てないのはこの点です。
入力が間違っていないかどうかを見て確かめて、そこだけを直すことが出来ないのです。
生産完了品や海外の電卓でもいいから、関数電卓ではなくカッコ計算が出来る商品はないか・・・などと、電卓に詳しそうなサイトを巡っておりました所・・・このような電卓を見つけました。
左上の上下キー、これはなんだ・・・?
取り扱い説明書をダウンロードしてみると、「計算チェック&訂正」機能で使用するボタンらしいことがわかりました。
そして、カシオにも似たような機能「みながらチェック機能」もしくは「レビュー&オートレビュー機能」のある電卓があることが分かりました。(但し小さいほうは生産終了品らしいので、在庫限りみたいです)
これらの機能は、計算の途中経過をステップ単位で表示させ、ミスがあったら即座に修正が出来る機能のようです。
2行表示ではないので、計算結果との同時表示はできませんが、入力した内容を振り返って修正することが出来るみたいです。
使ったことはないのですが、とても興味があります。
もしかしたら、製図試験においてはメモリー計算より役に立つかもしれません。
↓
CASIO MJ-120Wを買ってみました。
NEW 比較動画
比較したのは
・CASIO JS-20CD
・アスカ C1242
・CASIO MJ-120W
です。
早打ち比較
(アスカはこれより新しい型のC1258はキーが少し打ちやすいというネットの口コミを見たので、動画のような反応ではないかもしれません)
式の入力
(48×18)+(16×12)-(8×6)=1008
を、CASIOではメモリ機能、GT機能で、アスカは文字通り入力で入力しています。
オートレビュー機能(MJ-120W)
オートレビューからの訂正
そもそも、関数電卓は持ち込み不可なの?
ここまで来て原点に立ち返るのですが、そもそも関数電卓は持ち込み不可なのでしょうか。
もう一回試験元の「携行できるもの」を確認してみましょう。
これって、プログラム機能や文字入力がない関数電卓なら、持込可能なのでは?と思いました。
ネットで「一級建築士 製図 関数電卓」と検索してみると、
関数電卓の持ち込みが大丈夫だったというサイト、関数電卓は持込不可というサイト、両方の書き込みがありました。むむむ・・・
私が持っている関数電卓は現行品ではありませんが、カシオfx-375ESです。
こうした電卓は、持込可能なのでしょうか、不可なのでしょうか。
電卓のキーと、試験元のルールをよーく見比べてみます。また、カタログのスペック表も読み込みます。すると、いくつか気になる点が浮かび上がりました。
・カタログ的にはプログラム機能を有していない関数電卓である。この点だけでいえば、使用が認められる電卓と判断できそうだが、その認識で合っているのだろうか。
・「複素数計算」「方程式計算」「行列」「テーブル計算」などの機能は、試験元のいう「プログラム機能」に該当するのかどうかわからない。
・変数の入力が出来るが、(例:Y=X+5)これが「アルファベット入力ができるもの」に該当するのかわからない。
・「ENTER」「EXE」などのキーはないが、モード切替に「COMP(関数計算を含む一般計算を行いますよ、の意味)」の操作がある。プログラム機能ではないのだが、これを見て「使用が認められない」と判断される可能性はあるのだろうか。
考えた所で分からないので、問い合わせをしてみました。
結論から先に言うと、「グレー」でした。使用できませんと断言されてはいないのですが、当日使用できない可能性があります、との事です。
当日の試験官の判断、試験官が判断できない場合は本部へ問い合わせをして仰ぐ判断の内容によるみたいです。
過去に使用できた人が実際いたのかもしれませんし、一方で安全を期して「関数電卓は使用できませんので」と書くサイトがあるのもまあ納得ではあります。試験元は関数電卓自体がだめとは言っていないものの、誰が見てもあの条件を全て満たすような関数電卓は今のところ存在していないということなんでしょうかね。
試験当日電卓使用不可にならないようにするには、関数電卓ではないものを使用したほうがよさそうです。
カシオさん、シャープさん、キヤノンさん。アスカさんみたいな電卓を作ってほしいなあ・・・
さいごに+まとめ
最後に、試験前にやって頂きたいこと。
最近の電卓は、ボタン電池とソーラーのハイブリッドになっているものが多いと思いますが、一応、電池は新しいものに交換して試験に臨んでください。これは、タイマー(時計、ストップウォッチ)も同様です。
今回、いろいろなメーカーの電卓を見てきたのですが、
・今のルールでは、関数電卓は使用しないほうが無難(グレーゾーン)。
・関数電卓ではない電卓で、カッコ、矢印訂正が出来るのはアスカのみ。
・1行表示だけどチェック機能のある電卓が、カシオ、シャープにあるにはある。
・慣れた操作性を重視するなら、今使っている一般電卓を使って、メモリーかGTを使うのがよいと思う
というのが、まとめになります。
御覧頂き、ありがとうございました。
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