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死ぬ気まんまん

目の前で人が死ぬと、死ぬってことは、
実に単純で当たり前になっていった。

あの頃、人の命は地球より重いなどと言う人はいなかった。

  佐野洋子著『死ぬ気まんまん』



夫が亡くなったと連絡を受けた。

とてつもない衝撃だった


それは
一瞬で髪の毛が全部白髪に変わってしまったのではないか、と思えるほどの衝撃で


今すぐそこから逃げ出したかったけど
どこにも逃げる場所はなかった

粘りと努力と創意工夫で
なんとか事実を変えたかったけど
無理だった

そこにあるのは『諦め』一択だった




あの瞬間
私の中にあった
ギラギラとした欲望、理想、
夢みたいなものが死んだ

ブルドーザーで平らにのされたように
ペシャンコになって消えた


そして
今までは遠く遠くに薄ぼんやりとあった
『死』というものが

本当はいつでも
目の前にあったことに気がついてしまった

それは
手を伸ばせばいつでもそこにあるもの。

『死』が日常に侵食してくると
ほとんど全てのことはどうでもよくなる。




今の私は死と共にある。
まるで余命宣告された老婆のよう。

心は静かで
淡々と身の回りを整えている。


遺品整理は本当に本当に大変だったから
子どもたちに同じ思いをさせたくなくて
もう今から身終いしている





読む本も、
老後の人生を身の丈で生きている
おばあさんの本が一番しっくりくる。



私も佐野洋子さんみたいに
(100万回死んだねこを描いた方です。)
延命なんてせずに潔くさっぱりと死にたいなぁ。

でも潔く死ぬためには
それなりの努力が必要だから。

潔くさっぱりと死ぬるために
毎日健康でいる努力をしよう。

最大限楽しく生きよう。

あの世に持っていける思い出をたくさん作ろう。


より良い死を迎えるために
今を懸命に生きたいと思う。

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