後頭骨
骨化
後頭骨は発生学的に①鱗部②顆部③基底部の3パートに分けて考える。(図1)
3-5歳→鱗部、顆部の骨化
7-8歳→基底部の骨化
18-25歳→蝶形後頭底の骨化
斜頭の治療は5歳までに
舌下神経管の治療は8歳までに
SBS剪断の治療は25歳まで
行うことが望ましい。
斜頭→後頭骨鱗部をチェック
自然分娩では母体の恥骨結合を軸に後頭-環椎の伸展と圧迫が起きるため、後頭骨鱗部上部と下部の間に圧縮障害が起きやすい。(図2)
圧縮による左右差は斜頭症になる可能性がある。
乳吸わない、発音苦手→鱗部と顆部をチェック
また鱗部と顆部での圧縮は舌下神経管の直径を狭くして、舌の運動機能低下の原因となる。
斜頚→顆部と基底部をチェック
顆部に左右差があると後頭-環椎関節の機能障害となる。斜頚が認められる時は顆部と基底部のチェックが必要である。
問診
出産時の年齢
前回出産からの経過
妊娠中の腰痛、股関節、骨盤痛など筋骨格系の痛み
妊娠中の肉体的、精神的ストレス
促進剤の有無
麻酔(無痛分娩)の有無
鉗子、吸引、帝王切開
出生時の赤ちゃんの状態(低体重、出血、奇形、股関節脱臼、麻痺)
出生後の赤ちゃんの状態(外傷、ミクルを吐き出す、寝ない、その他疾患)
小児の後頭骨テスト
リスニングテスト
両手でゆりかごを作り後頭骨を包む。一次呼吸メカニズム(MRP)の振幅を測定する。
モビリティテスト
MRP吸気で後頭骨基底部は前方へ、鱗部は後方へ最小限の力で動かす。MRP呼気で加えていた力を抜き、後頭骨の戻りの動きについていく。MRP吸気、呼気ともに動きの量と質を測定する。
基底部、顆部、鱗部それぞれに動きの制限がないか評価する。
隣接する骨
蝶形骨との結合(SBS)
前方では蝶形骨と結合している。この部位はSBSと呼ばれている。25~30歳までは軟骨によって結合されている。それ以降は骨組織での結合となり可動性は少なくなる。しかし可動性は維持される。
錐体-基底部縫合
後頭骨基底は側頭骨錐体部(岩様部)と結合する。
錐体-頚静脈縫合
後頭骨顆部は側頭骨錐体部(岩様部)と結合し、頚静脈孔をつくる。
後頭乳突縫合(OM)
側頭骨乳様突起と後頭骨顆部+鱗部の結合。水平部と垂直部に分かれる。
ラムダ縫合
頭頂骨と後頭骨鱗部の結合。後頭骨側で上部が外斜断面、下部が内斜断面となっている。
後頭環椎
左右2つの後頭顆に2つの環椎上関節面が滑膜性の関節を作っている。
隣接する硬膜
大脳鎌
内後頭隆起に付着する。
小脳テント
後頭骨鱗部の内面に付着。横静脈洞を形成。
小脳鎌
内後頭隆起からに内後頭稜に沿って大孔に至る。大孔では後頭骨に付着し脊髄硬膜へと連続する。
生理的運動
MRP吸気
後頭骨顆部が前方、後頭鱗上部が後下方。後頭鱗が外側方向へ伸び、フラットになる動き。
MPR呼気
後頭骨顆部が後方、後頭鱗上部が前上方。後頭鱗が凸になる動き。
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