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実際の生成AI活用に欠かせない検索拡張生成(RAG)を容易に理解出来ます✨️
1.はじめに
近年、人工知能(AI)の分野において、ChatGPTを始めとする大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる技術が大きな注目を集めています。LLMは、自然な文章を自動的に生成することができ、創造性と想像力を持つAIシステムを実現しつつあります。その中でも、特に注目を集めているのが「Retrieval-Augmented Generation」「検索拡張生成」(以下、RAG)と呼ばれる手法です。
RAGは、従来のLLMの課題を解決し、より高度な性能を実現する手法です。LLMの学習してない情報をRAGで補完しながら、オリジナルのコンテンツを生成することができます。本記事では、RAGがどのようにLLMを進化させてきたのか、その仕組みと特徴、そして今後の可能性について解説していきます。
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2.RAGの仕組み
RAGは、ChatGPTを始めとする大規模言語モデル(LLM)に情報検索の機能を統合することで、より高度な生成性能を実現しようとする手法です。RAGの仕組みを簡単に説明すると以下のようになります。
受けた質問をLLMが理解して整理する
これををもとに、情報検索モジュールが外部もしくは事前準備した情報源から関連情報を検索する(図1では、過去の売上損益実績抽出)
整理された質問と情報検索の出力を統合して、最終的な文章を生成(図1では、目標値の算出と表示内容・形態の検討)
この一連の流れによりLLMの事前学習知識に補完情報を組み合わせた適切かつ高度な文章生成が可能になります。
3.RAGの特徴と長所
RAGには、これまでの手法にない以下の特徴と長所が挙げられます。
1. 知識の幅が広がる
従来のLLMの回答は事前学習データの範囲に限定されていましたが、RAGで外部の情報源や社外秘文書なども活用できるため、より広範な知識に基づいた文章生成が可能になります。
2. 柔軟性が高い
RAGはLLMと情報検索の組み合わせなので、目的に応じて使い分けることができます。例えば、特定の分野に特化した情報源を使うことで、その分野に特化した高度な文章生成ができます。
3. 生成する文章の質が向上する
外部情報の活用によって、LLMの生成する文章の正確性や自然さが向上します。RAGでLLMの透明性がより高くなるため、生成された出力の可解性(interpretability)と信頼性が向上します。LLMだけでなく、検索モジュールの動作も確認できるため、生成された出力がどのように作られたのかを理解しやすくなります。また、検索結果を確認することで、出力の正確性や信頼性を評価することも可能になります
4.RAGの今後の可能性
RAGは、LLMの課題を解決し、その性能を大幅に向上させる新しい技術として注目されており、さらなる発展が期待されています。特に、以下のような可能性が考えられます。
汎用性の向上: RAGの技術は、さまざまな分野のアプリケーションに応用できる可能性があります。質問応答、対話システム、コンテンツ生成だけでなく、医療診断、法務支援、教育支援など、さまざまな領域での活用が期待されています。
人間との協調: RAGは、生成過程の透明性が高いため人間の創造性を支援するツールとして機能することができます。人間の知識や洞察と、RAGの検索・生成機能を組み合わせることで、より高度な創造性の発揮が期待できます。
倫理的な課題への対応: RAGを活用した生成システムでは、出力の信頼性や正確性が高まるため、虚偽情報やハルシネーションを防止する可能性をもつ技術といえます。今後の発展に大いに期待が寄せられています。
5.まとめ
本記事では、RAGがどのようにLLMを進化させてきたかについて解説しました。RAGは、従来のLLMが抱えていた課題を解決するための新しいアプローチです。