茶道と北欧ヴィンテージ食器
先日、初めてお茶のお稽古を体験しました。茶道におけるおもてなしが、最近はまっている北欧ヴィンテージ食器に通じるところもあり、面白い発見がありました。
茶道について
茶道は全くの初心者で知識も経験もありません。生花と着付けを習っていたので、お茶もいつか・・・と思っていたところ、オスロでお茶の先生に巡り合い、この度お稽古をして頂くこととなりました。
お稽古は、まず先生がご亭主役として茶会の準備から片づけまで一連の流れをデモンストレーションし、その後に私と友人がそれぞれご亭主役(お茶を準備して点てる方)とお客様役に分かれて練習する、というものでした。
茶会ではほぼ全ての所作は決められており、それに従って茶会は進行します。今回は先生の指導の元、所作をこなすだけで精一杯でしたが、何度もお稽古を重ねることで、自然と身体が所作を覚えるのだそうです。
所作を体得すると、「全く無駄な動きがない」と感じようになる、とのことでした。
茶道におけるおもてなし
お茶会では、所作の他に、ご亭主は以下のように道具や空間にこだわるそうです。
・季節によって、ふさわしいお道具を揃える
夏には涼しげなガラスの茶碗、冬には重厚感があって、お抹茶が冷めにくい茶碗など。
・お客様のことを考えた器選び
茶碗には、素材や形、焼き方や窯元、作家などたくさんの要素があり、その中からお客様に合わせた器を選ぶ。なんと北欧食器でも代用できるそう!
・お花や掛軸で室内の装飾をする
季節にふさわしいものを用意し、空間を造る。茶室の中で自然を感じることも、またご馳走。
茶碗や茶杓、茶筅などのお道具も、非常に奥が深いのだそうです。
お客様は、お茶を頂いた後、ご亭主が選んでくれた茶碗を、正面から、左右から、下から拝見します。裏に作家のサインがある茶碗もあり、ヴィンテージ食器の裏を確認する動作とつい被ってしまいます。
茶会の季節に合わせ空間をしつらえて、お菓子を用意し、お客様のことを考えてお道具を選ぶ。
ヴィンテージ食器を取り入れた北欧流のおもてなしも、季節を意識したお菓子選びや食器選び、居心地の良い空間をつくる、という点はまさに同じ。
まさか茶道と北欧食器が繋がるとは思っていませんでした。(勝手に繋げただけかもしれませんが?!)
どちらも、「季節を取り入れて、相手のことを考えた心遣い」が根幹なのだと思います。おもてなしの心って、万国共通なのでしょうか。
新しいことを学ぶってやっぱり面白い
新しいことを習うと、こういった意外な発見があるから面白い、と改めて感じたお稽古でした。
お稽古自体にメディテーションのような効能があるということも、なるほど面白いなと感じた点の1つです。茶会中は、原則ご亭主とお客様は無言で会話をします。ご亭主は「今日は来てくれてありがとう」という気持ちを、その所作の中に込めるのだとか。
普段ぺちゃくちゃ喋ってお茶をしている私からすると、計り知れないほど高度な会話ですが、精神を落ち着けると、言葉がなくともお互いの気持ちがわかり、会話ができるそうです。ほぅ・・・!新鮮な世界観です。
まさかオスロで茶道を習えるとは思っていませんでしたが、せっかく頂いた機会なので、楽しみながら続けていこうと思っています。