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不思議なご縁と巡り逢いの連続で人生は創られるのよ



先日、彼の大学時代からお世話になっている先輩と3人で呑みに行かせてもらった。


なんでも学生時代いちばん彼がお世話になって慕っている方で、社会人編でも同じ職種になることが決まり、縁あってまた後輩になれることを喜んでいた。


彼は昨年1年間一般的な民間企業で働いてきて、採用試験を見事突破し今年から夢だった仕事に就く。


一般的な企業と違って若干特殊な職業なため、2年越しのリユニオンがてら、先輩から体験談や話を聞くために呑みに行くとのこと。


私も彼がその職に就いてからの、結婚に関する不安を少しでも解消したかったのもあり、何より彼の慕う人がどんな人なのか知りたかったこともあり無理を言って同席させてもらうことになった。

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以下、その先輩をKさんと呼ばせてもらう。



Kさんの勤務終わりに鳥貴族で合致。はじめましてを交わした後まもなく席に着く。

内定者懇親会のような、三者面談のようなカオスな構図でサミットは開始された。

職業柄持たれる一般的なイメージとのギャップのせいか、緊張を隠しているゆえなのか、Kさんはめちゃくちゃにひょうきんな人だった。

それでいて、純粋な人となりだった。



学年は1つ上だけど、浪人して大学に入った彼とKさんは実際は同い歳。

それでも全く同期感を感じさせないほど、Kさんは絵に描いた『THE・先輩像』だった。

控えめな彼とキャラがかなり違うので、へえこんな人と仲良いんだ。と意外に思いつつも、Kさんはいわゆる「先輩肌」と「いじられキャラ」のハイブリッド型、といった人となりで、

ああこのどの方面にも寛容そうでくだけた感じは、下からは慕われて上からは可愛がられるオールラウンダーなんだろうな、と開始2分で察した。



私の彼の性格をよく理解し、目立つ方ではないけれど、真面目で誠実で努力家な面をよく見てくれていて、至極自然に評価してくれ、それを惜しみなく言葉にして伝えてきてくれた。


Kさんが威張らず飾らず、良い人なんだと知るのに時間は要さなかった。

また、Kさんはスポーツでかなりの成績を有する方で、実業団としてのオファーがあって現在に至るのだという。

この余裕は、”大物”特有のそれなのかもしれない。マウンドのゴミ拾いをする大谷選手のように、「スポーツの女神が微笑む人は、人間の部分もデキている」という方程式を持つ私はひとり納得する。


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私は、自分の恋人と自分の友人を会わせる、あるいは逆、をすることが大好きだ。

大人になっても好きで関係が続いている人は、大抵がその人の”類”だ。

ということは、A=B、B=C、A=Cが成立するため、その”類友”とも仲良くなれる可能性は高いし、その”類友”も良い人である可能性も少なからずある。ということは、Bを介さなくても、どこかの世界線でA、Cは親しくなれる"if"があり得たかもしれないという話にまで発展する。


だからこそ、大好きな彼の、”類友”が見られてうれしかった。

「彼」という共通の親しい人物を通して今日、それまで知らなかった人と縁が繋がった。

そんな事実があまりにも奇跡的すぎて、なんだか物凄く堪らないのだ。


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身内と恋人をミーティングさせたい理由はもうひとつある。

彼はシャイで、私が自分の友人と会って欲しい、会いたいと言ってくれているからとねだると「何話したら良いかわかんない。俺おもんないし」といつも渋ってくる。


でも違う。場の盛り上げなんかは”仲人”の私に任せていたら良い。

自分の身内やツレを紹介することは、こんな人と自分は仲良くて、貴方が知らない時代のわたしを知ってて、今も関係が続いてて。


そんな友人を会わせることで、『貴方が知らないときのわたし』と『今貴方が知ってるわたし』が繋がって、その延長線上に貴方が含まれていって、また線が未来に伸びていくのを感じられる。


お世話になった大切な友人たちには、今わたし、みんなと共通してないコミュニティや、みんなは知らないけど、こんな素敵な人と巡り逢えたんだよ。ということを、


逆に彼には、貴方がわたしを知らないときから自分はこんな素敵な人達に支えてもらったおかげで、今日まで生きてこられたんだよーということを、知ってほしい。



「過去」と「現在」が繋がり、同時に「未来」もまなざせる。何とも形容しがたい、不思議な感覚に包まれる。じわじわ幸せで満たされていった。

私はただ、こういう感覚を体験して欲しいだけ。



Kさんのおかげで漠然とした2人の未来についてもちょっと安心できたし、

なにより彼と同じように、偏見無く視野広く物事見てて尊重してくれる素敵な方で、ほんとにうれしかった。



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格好をつけたかったのか、久しぶりで嬉し恥ずかしだったのか、メガジョッキをハイペースで流し込んでいたKさんは、ほろ酔いになりながら全額奢ってくださり、「ほな俺は、夜の街に消えるワ!!」と言い残して去り、夜の灯りに溶けていった。




6月の夜は、すっかり夏だ。大阪城の麓、涼しい夜風切りながら「もう一杯やるか?」と意気投合して、コンビニでチューハイを二缶買って帰った。




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