US向けにEC運営する時に知っておきたい税金の話(初心者向け)
海外向けにECサイトで商品を販売するときに知っていたいのが税金について。
特にアメリカでは州ごとに州税が異なったり、商品によって異なったり、といろいろな要素が重なって税金が課せられるので複雑です。。
本日は、オンラインストアで商品を売る際に発生するアメリカの税金についての概要とShopify上でどのように対応ができるかを簡単にまとめてみました。
アメリカのSales tax(売上税)について
ご存知の方も多いかもしれませんが、日本の消費税ずばりそのものに該当する税はアメリカにはありません。
日本では消費者がお店で商品を購入するときはもちろん、メーカーから商品の仕入れをする場合も消費税はかかります。アメリカだとSales taxがかかるのは消費者がお店で商品を購入する場合のみとなっています。
Sales tax ( 売上税 ) : 消費者が小売店で商品を購入したときに発生する税金
日本で言うところの消費税:Excise Taxも存在していますが、アメリカで消費税というと、例えばタバコ、アルコール飲料、トレーラー、タイヤ、石油製品など、特定の商品にしか課せられないので日本とは少し概念が違います。こちらは嗜好品に基づく課税という概念に基づいています。
州や商品によって異なるアメリカのSales tax
アメリカのSales taxはその州、群、市によって税率が異なるのが特徴です。
代表的なところで行くと、一番高いのがカリフォルニア州の7.25%、ニューヨーク州、ハワイ州は4%、テキサス州は6.25%、ワシントン州は6.5%となっています。
Sales Taxは各州や地方自治体が自由に決定することができます。なので、商品によっても税率が異なります。
例えば、ニューヨーク州でアパレルショップに関して言うと洋服とアクセサリーでは税率が異なります。さらにニューヨークでは110ドル未満の洋服や靴など身に付けるものは非課税になるそうです。
詳しくはこちらをご覧ください。
各州および自治体の売上税率一覧:Federation of Tax Administrators
https://www.taxadmin.org/current-tax-rates
そうなると売上税の税率が低い州で商品を買う人が増えてしまうことが考えらますよね。それを防ぐためにアメリカには使用税 : Use Tax があります。
そのためたとえば私がカリフォルニアに住んでいて、テキサス州で商品を購入したとしても、自州で商品を使用するのであれば、商品を購入した州から、その商品を使用する州の税率を差し引いた使用税を納めることになります。原則自州のSales TaxとUse Taxは同率です。
や、ややこしい。
オンラインストアでの価格表示方法
それでは、Shopifyを使用してアメリカ向けにオンラインストアを運営するときに上記のややこしい税金問題をどのように解決するかをご紹介させていただきます。
1)越境の場合(国内からUSに向けて商品を発送する場合)
越境ECの場合、決済実施後に消費者が関税や現地国消費税を支払わなければならない場合がある点が国内向け販売との大きな違いです。
オンラインストアでの価格の表示方法は下記の2つあります。
DDU(Delivered Duty Unpaid )=表示価格に関税が含まれていない
DDP(Delivered Duty paid )=表示価格に関税が含まれている
いずれの価格表示の場合でも、お客様に不安を与えないために、オンラインストアのヘルプページ、商品ページに税金の条件を記載する必要があります。
Ship&coさんの記事にも下記のように書かれていました。そしてこちらの記事がすごく分かりやすかったのでぜひ読んでみてください。
購入者がある日突然税関から連絡を受け、税金の支払いを要求されて困惑したり、受け取り拒否などの事態になるのを未然に防ぐ為にも、自社サイトのポリシーページや各商品ページには、これら税金の条件を明確に記すことが大事です。そうすることで、お客様も安心して買い物ができ、購入決定率やリピート率も確実にアップするでしょう。
出典:越境ECにおける「税金の扱い」について
2)US法人がありShopifyでオンラインストアの運営をしている場合
Shopify上から税率の自動計算の設定をすることができます。また特別な税率が適用される商品に対して税の優先適用の設定が可能です。
設定方法を簡単にご紹介します!
1. 管理画面から 左下の[設定] → [税金] の順に移動します。
2. 税の地域セクションで、アメリカと入力し、[設定] をクリック。
3. 税を計算するセクションで、[税金を自動的に計算] をクリックします。
4. [州名] で州を選択します。
5.ネクサスを有するロケーションの郵便番号を州の横に入力し州を追加をクリック。
すると、入力した所在地に、該当する税金が表示されます。
ポストコードを入力する際、ネクサスを有する各地域ごとに物理的な所在地 (オフィス、倉庫、他の施設など) を入力してください。
※ネクサスに関してはShopify ヘルプセンターのアメリカの税のネクサスをご確認ください。
◆Shopify Plusを利用している場合
Shopify Plusを利用している場合、有料でAvalara AvaTax というサービスを使うこともできます。
AvaTaxは税金の計算や記入処理を自動で行う、物品税のソフトウェアです。Avalaraにより、12,000か所を超える課税管轄地域の税率がリアルタイムで提供されます。Shopifyの自動計算も定期的な税率の調整が行われていますが、より細やかな調整にリアルタイムで対応することができます。
おまけ〜USのおもしろ軽減税率〜
固い話が続きましたので、最後にアメリカの面白い売上税を3つご紹介して終わりにしたいと思います。
◆ベーグル税
ニューヨークではベーグルはそのまま買うと非課税。でも販売時に焼いたり、クリームチーズを塗ったり、具材を挟んだりすると課税されます。チップをお渡しするのではダメなのでしょうか。と思いました。
◆ソーダ税
カリフォルニアのバークレー、ペンシルベニア州フィラデルフィアなどでは炭酸飲料や砂糖入り飲料といった清涼飲料水に税金が課されています。ダイエットに一役買いそう。
◆光るおもちゃ税
ウエストバージニア州では、人を驚かす目的で作られたおもちゃ(花火やおもちゃの銃など)が課税の対象になります。銃犯罪や凶悪犯罪を抑止に役立っているそうです。
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