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【#ガーデン・ドール】あまいいたずら

とある願いを叶えた報酬で、大量の……それはもう、物理的に抱えきれないほどのいちごがたくさん出てきた。
LDKにみんなで運び込んで、マシュマロパーティーからいちごパーティーになってしまった4月29日の夜。

適度におなかがいっぱいになって、たくさんいたドールたちもちらほらと自室に戻っていき、パーティーもお開きになりかけていたころ。
カガリさんが起きてきて、大量に発生したいちごに困惑しながら他のドールたちに経緯を聞いている。
私はみんなの様子を眺めながら、コーヒーを作りつつ、いちごを摘まんでいた。
甘酸っぱい美味しさが口の中をじんわりと浸食していく。
それを楽しみながら、出来たコーヒーをカガリに傀儡魔術で運ぶと、初めて見たのかキャッキャとはしゃいでいた。

「あ、ヤクノジ君!ねぇみてみて!コーヒーが意志を持って近づいてきてる!」

「ん?ああ、魔術だね。こういうのもあるんだよ」

ふわふわと浮いているマグを見て、おもちゃをもらった子どものようにはしゃいでくれるのがうれしくて、右に左に動かして遊ばせてみる。
その様子を見てヤクノジさんもくすくすと笑って見守っている。

「まじちゅ?って、変身できたりするやつだったっけ!い~な~!こんなのもあるんだ!授業で習うの?ボクもいつか覚えたいなぁ~」

噛んだことには触れず、純粋に魔術の事を考えているその姿が新鮮に感じて、思わず微笑んでしまう。
コーヒーを淹れたドールを探していたのか、きょろきょろとした後、私と目が合ってにっこり笑いかけてくれる。
その笑顔を見て、私も笑顔が深まる。

思い立って手元にあるいちごをくるくるとしながら、カガリさんの口に放り込む。

「はも」

きゅぽんと口に収まったそれを見届けて、自分もひとつ頬張る。
やっぱり美味しい。
もぐもぐと甘さを堪能していると、とんとんと肩にちいさな感触を感じて

「……リラちゃん、僕にも」

とにこにこ笑顔でヤクノジさん。

「ん~?
んふふ、どうぞ?」

だいぶふわふわしている意識のまま、手元にあったいちごをヤクノジさんの口に運ぶ。所謂あーん。

「……ありがと。……うん、おいしい」

赤い実を大人しく食べてふにゃり、と笑うその笑顔がかわいくって、少し悪戯を仕掛けたくなってしまった。
私はもうひとつ、いちごを手に取ってヤクノジさんの唇にぴとり、とくっつける。
と、その上から自分の唇を重ねる。

ちゅっ、とちいさく音を立てて、そのままいちごを口に含んで噛むと甘さが広がる。

「ふふ、シャロンさんに感謝、ですね?」

「!?……びっくりしたあ……」

真っ赤になるヤクノジさんを見て、悪戯が成功したことに思わず笑いが漏れる。
満足してそのままキッチンに向かって片付けを始める。
上機嫌に鼻歌なんて歌いながら。

+++++

余談ではあるが、目撃してしまったなたりしあは大きな声とともに顔を真っ赤にしてぱくぱく。
そんな大声につられてびっくりしたカガリ、実は目撃していたリツのお話。

「え!?!?!?!?」

「ふぁ!?」
「りあちゃんどした!?ヘンなイキモノいた!?」

「いや今!!!え!?!?」

「んん?」
「あ~!あのふたりね!あれが通常運転だよ!」

「通常……運転……??」

「大胆だぁ…」

今日もヤクノジとリラはらぶらぶです♡



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トロメニカ・ブルブロさん

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