聞き慣れない言葉の音のかんじ
11月も終わりに近づいていたとある夜の日のこと。
今住んでいる街はとても寒いので、ぬくぬくと布団にくるまりながら夫と雑談を楽しんでいた。
穏やかな時間が流れていたのだが、突然夫が驚いた声をだした。
「えぐいて、とか言うん?!」
なんてしょうもない話は置いといて。
私は、「えぐい」を普段使うので、夫のその反応に驚いた。
一番言うのは、「やばい」
しかし、頻度は少ないがえぐいとも言うので何でそんなに驚いているのかが分からない。
夫が驚いた理由は、私が「えぐいてっ!」と吐き捨てるように言ったのと、夫が耳にする日々の私の言葉の音の感じが全然違うからだそうだ。
言葉の音の感じ。
とは、なんなんだろう?
私は比較的ゆっくり話す方だ。
しかし言葉遣いは良くも悪くもない。
普段職場など、敬語で話すときは大阪弁というものはなかなか出ないが、友人と話すときは大阪弁だ。
〜しとんけ?等は言わない地域ではあるけど、出身地の違う大学の友人からは、たまにやっぱり大阪人やな〜と話し方をいじられることもある。
夫が聞き慣れない私の言葉の音。
じっくり考えてみたら、夫の前での私と素の自分が違っていて、今回は素の自分が出たのかな?と思った。
夫の前では他の人より甘える感じの話し方になるし、あまり彼の前で雑な話し方をすることはない。
(夫に対して怒っているときは別)
一方気の知れた、例えば中学時代からの友人の前では、多少雑な話し方にはなる。
例えば、「めっちゃ」と「ばり」。
どちらも、英語でいうとveryの意味になる言葉だが、
もしえぐいと組み合わせて使うとすると、
夫の前:めっちゃえぐいや〜ん!
友人の前:ばりえぐいやん!!、ばりえぐっ!!
くらいの差がある、気がする。
今回の会話の流れでいうと、
夫が仕事で大変な思いをしたという話を聞いていたので、
ええ〜大変〜!だったり、
やばいなぁ〜くらいの反応を私がしていたら、いつもどおりに夫の耳の関所を通っていたかもしれない。
でも今回のは衝撃すぎて、思わず、言葉が飛脚に運ばれているようにポーン!と出て、
えぐいて!となってしまったのだ。
しかも私は普段聞き流していたけど、夫はよくえぐいてと言っているらしいので無意識にうつったのかもしれない。
それで夫は"えぐいて"に驚いたのかもしれないなと自分の中で結論づけることができた。
普段口下手な夫が、言葉の音の感じとかわいらしい言い方をして面白かったので、文章にしたためてみたのである。