誇りだけホコリダラケ

今日は、履歴書を買いに昼間から近所のスーパーに出かけた。
研修中の腕章をつけた女がレジ応対をした。
特に綺麗でもブスでもないが、未来のある若者というだけで羨ましい。

「ありがとうございました。またお越し下さいませ」

穏やかな微笑みは、皆から愛され大した苦労をせずに育ってきたように思う。
見ず知らずのおっさんに査定されているなど女は知る由もない。

高校を卒業してから入った一つ目の広告会社は、社員証がスキャン出来なくなったことを理由に辞めた。自分でも馬鹿げていると思う。
しかしながら3回修理に出して4回目にまた壊れた時、ここにいるべきではないと悟った。磁力に簡単に振り回される砂鉄同然の俺は、磁気テープと共に狂ってしまった。
先輩社員の斡旋で取引先の食品会社に勤めるも、毎日立ちっぱなしで寿司を握っていた為腰をいわせて辞めた。

誇りってなんだっけ。

30間近の俺は何の後ろ盾もなく、ただ毎日をふらふらして消化している。
そう、消化試合なんだ。
原口はすごいな。病気を克服して一軍に戻ってきてヒットを打った。
俺には眩しすぎる。
俺はきっとこの先も、誰の太陽になることもなく終わっていくんだろうな。
そんなのやだ、とかは思わない。
そんなもんだろうな、と。
取り敢えず、履歴書ビニール袋から出さにゃならん。

ハマショーの『MONEY』がすきです。