山口周『ハーバードの美意識を磨く授業』を読んで:美意識がかえる未来
はじめに
近年、仕事や人生における「美意識」の重要性が注目を集めています。山口周氏の著書『ハーバードの美意識を磨く授業』は、このテーマに深く切り込み、美意識が個人や組織の未来を変える可能性を説いています。この記事では、著書の要点を私自身の考えや経験、環境と照らし合わせながら、深掘りしていきます。
美意識とは何か——その定義と意義
美意識の核心
山口氏は、美意識を単なる芸術的センスではなく、「正しさ」や「効率性」だけでは説明できない深い価値観と定義しています。この考え方は、数値化できないものが軽視されがちな現代社会への警鐘でもあります。
私自身、前職でマネージャーとして働いていた際、業務の効率化やデータ分析、仕組み化が最優先されていました。しかし、その一方で、チームの雰囲気やエンゲージメントもっと身近なところでいえば職場環境や信頼関係も構築といった「目に見えない価値」の軽視が、結果として従業員のモチベーションや自分自身のモチベーションの低下につながっていたと感じています。この経験を通じて、美意識が組織運営やリーダーシップにおいて不可欠であると痛感しました。
「役に立つ」から「意味がある」へ
山口氏は、私たちが「役に立つ」ことに偏りすぎると、長期的な視点を失うと指摘しています。例えば、職場でのKPI達成が重要視される一方で、そのプロセスや目的に「意味」を感じられなければ、持続可能な成果には結びつきません。
これは私が独立後に抱いた課題でもあります。効率性を追求するだけでは、自分自身の仕事に満足感や意義を見出すのは難しい。だからこそ、「自分にとって意味のある仕事とは何か」を考える必要性を感じています。
美意識を磨く方法——日常から始める具体策
観察力を高める
山口氏は、美意識を磨くためにはまず「観察する力」を養うことが重要だと説きます。私自身も、普段何気なく見過ごしている街並みや自然の中に潜む美しさに気づくことで、感性が研ぎ澄まされる感覚を得ました。
例えば、旅先での経験がこれを支えています。どこか海外に旅をした際、美しい街並みや壮大な自然、その国特有のパーソナリティや文化に触れ、それらが人の生活や文化に与える影響を感じることができました。
これらの体験は、自分自身の価値観に新たな視点を加え、日常生活でも美意識を意識するきっかけとなっています。
アートや文化に触れる
著書の中で山口氏は、芸術や文化に触れることの重要性を強調しています。映画や美術館巡りを通じて、異なる価値観や時代背景を学ぶことが、自分自身の視野を広げると述べています。
私が印象に残っているのはニューヨークの5つ星ホテルでの経験、タイでの圧倒的な神聖さといったところです「美意識の結晶」とも言える存在であることを目の当たりにし、美の力が人間に与える影響を再認識しました。
美意識の実践——私たちの仕事と社会をどう変えるか
仕事における美意識の役割
美意識を仕事に活かす方法は多岐にわたります。例えば、サービス業では「顧客体験のデザイン」がその一例です。単に商品やサービスを提供するだけでなく、顧客がそれをどのように感じるかに焦点を当てることで、競争優位性が生まれます。
これは私生活においても大いに生かされます。どんな服を着るか、身なりや言葉遣い、佇まい等本当に身近な部分や些細なっことにもその人らしさという部分が垣間見えます。
社会全体への影響
山口氏は、美意識が社会全体を豊かにする可能性についても言及しています。例えば、都市計画や公共空間のデザインに美意識を取り入れることで、人々の暮らしがより快適で幸福度の高いものになると考えられます。
東京で車を運転していると、道路標識や街路樹の配置ひとつが運転体験を大きく変えることに気づきます。
逆にハワイでは大きな広々とした道路に心も開放的慣れたり、東南アジア特有のガヤガヤした街並みも冒険心をくすぐる一つになります。
美意識が未来をつくる
個人の可能性を広げる
山口氏の主張を受けて、美意識が私たち個人の可能性を広げると確信しています。それは、仕事だけでなく、人生そのものに深い意味を与えるものです。
自分なりの美意識を育てる
最終的には、「自分にとっての美とは何か」を問い続けることが、真の美意識を磨く鍵となります。それは、他人に評価されるためではなく、自分自身が心から納得できる人生を築くための基盤となるでしょう。
おわりに
山口周氏の『ハーバードの美意識を磨く授業』は、美意識が私たちの未来を変える力を持つことを教えてくれます。それは単なるスキルではなく、人生をより豊かにするための哲学です。本記事が、あなた自身の美意識を育てる一助となれば幸いです。