BBQ in the 《jungle》

著:鈴木鈴
お題:磐舟天鶏主催BBQ

「BBQ、やろうぜ!」
 磐舟のその一言から、すべては始まった。
「……いきなりなにを言い出すの? イワさん」
 お肌の手入れをしていた紫が、訝しげに問う。磐舟はビールを一口飲むと、口の端の泡を拭きながら言った。
「いやあ、もうそろそろそんな時期だろ? 川べりに出て、お日さまの下で肉を焼きながらビールをグイっと――ああ、考えただけでたまらねえ!」
「あのなあ……今、そんなことしてる場合かよ? これから大きく動こうってところだろ?」
 タンマツをいじりつつ、スクナが呆れたように言う。磐舟はそんなスクナを見返して、やれやれと首を振った。
「これから大きく動くからこそ、今のうちにやっとこうぜって言ってんだよ。青の連中にケンカを売ったら、俺たちは晴れてお尋ね者だ。そうなってからじゃ、しばらくBBQなんてできねえだろうが」
「そこまでしてBBQをする必要、あるか……?」
「ある!! なぜなら今は、夏だからだ!」
 拳をにぎって力説する磐舟を見て、スクナは「ダメだこりゃ」とばかりに比水のことを見た。

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