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代理店長十束多々良

著:宮沢龍生
リクエスト:十束が店を経営したら

 草薙出雲の骨折によって、バーHOMRAの入り口に臨時休業の張り紙が貼られて数日。十束多々良は一つの決心をした。
「いやあ、ここは俺がちょっと頑張らないといけないかな。草薙さんにはいつもお世話になっているし」
 彼はほぼ日課となっている草薙出雲のお見舞い(お土産・手作りカレー)に赴いた際、切り出した。
「草薙さん。いつまでも店を閉めているのは良くないと思うんだ。飲食業は少し休んだだけでもお客さんがどんどんと離れていく世界だからね。そこでどうだろう? 俺をしばらく代理店長にしてみない?」
 草薙は急にまた足が痛んだかのように顔をしかめた。
「せやけどなあ」
 草薙とてバーを休業しているのは忸怩たる思いがあった。
「大丈夫だって。俺だってあの店でしばらく働いたことあるんだから」
 確かに十束は草薙の叔父が存命の頃、週三から四、バーHOMRAを手伝っていた時期がある。
「うーん」
 草薙の頭の中で様々な可能性が演算された。確かに十束の言うとおり長期の閉店状態は出来たら避けたい。かといっていくら異能の力がある草薙でもあとしばらくは病院から出ることは出来ない。なにしろ右足のかかとを粉砕骨折しているのだ。
 すると誰かが店長として店を切り盛りしなければならないが――。

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1,704字

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K Fan ClanおよびK Fan Clan Nextの小説等コンテンツを再掲したものです。

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