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KFC/KFCNサルベージ

K Fan ClanおよびK Fan Clan Nextの小説等コンテンツを再掲したものです。
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2022年11月の記事一覧

K SIDE:PURPLE 10

著:鈴木鈴 「さあ、張った張った!」  相馬が部屋に入ると、そんな声が響いてきた。  広々…

K SIDE:PURPLE 09

著:鈴木鈴 「三輪一言さん、ですか?」  首筋の汗を拭きながら、紫は小首をかしげるように…

K SIDE:PURPLE 08

著:鈴木鈴  入ってきた客を見て、タカさんは目を丸くした。  長谷一心――半年ほど前に、…

K SIDE:PURPLE 07

著:鈴木鈴  秋が過ぎて、冬が来た。  その頃になると、紫の天分とは『目』の確かさだとい…

K SIDE:PURPLE 06

著:鈴木鈴  次の日。  紫は平然と空き地に現れ、長谷に稽古をつけてくれと頼んだ。 「………

K SIDE:PURPLE 05

著:鈴木鈴  天才とは、確かにいるものだ。  一通りの型を終えた紫を見て、長谷はあらため…

K SIDE:PURPLE 04

著:鈴木鈴 「痛いッ!? ちょっと、ミッちゃん、もっと優しくッ!」 「デカい図体して、情けないこと言わないの~。ほら、顎上げて~」 「アイタタタタ! もう、私、怪我人よ!? もっといたわってよね!」 『Closed』の札が掛けられた『花菫』の店内で、タカさんは甲高い悲鳴をあげていた。  店内にいるのは、タカさんにミッちゃん、セイヤさん、サユリ――そして、長谷一心と名乗る男だった。 タカさんの手当をするために『花菫』に戻ったのが、ほんの5分ほど前のこと。幸い客はいなかったから

K SIDE:PURPLE 03

著:鈴木鈴  月日は過ぎていく。  ヒグラシの声を聞く夏の夕べを、金色の落ち葉を掃き清め…

K SIDE:PURPLE 02

著:鈴木鈴  淀宮は、都内でも有数の歓楽街だ。 『若者の街』と称される鎮目町よりもディー…

K SIDE:PURPLE 01

著:鈴木鈴  鳥のさえずりで、御芍神紫は目を覚ました。  布団から起き上がり、伸びをひと…

K ビフォア・ゼロ 第5話「戦闘開始」

著:古橋秀之  《青の王》羽張迅に続き、湊速俊がその部屋に足を踏み入れた瞬間、炭化した血…

K ビフォア・ゼロ 第4話「《王》の眼、人の眼」

著:古橋秀之  善条、秋緒、吾妻、馬堂、千々岩、台場。  六名の達人の連携が、《煉獄舎》…

K ビフォア・ゼロ 第3話「煉獄の舎(やど)」

著:古橋秀之  葬儀屋は監獄にいる。  檻の中、社会と隔絶されている限りにおいては、その…

K ビフォア・ゼロ 第2話「誕生祝い」

著:古橋秀之  このところ姿を消していた猫が、仕留めた獲物をくわえた姿で、庭先に現われた――  遠方の短大に進学した秋緒が、半年ほどしてひとりの青年を伴って訪ねてきた時、塩津はつい、そのような光景を連想した。 「こいつと結婚する」  玄関先で言い放つ秋緒の、どこか得意げな表情とは裏腹に、  ――妙なのを、連れてきたな。  と、塩津は思った。  目の前の青年の背丈は、自分よりわずかに低い。年齢も二十歳の自分と同じか、ひとつふたつ下だが、十八にして中学生と間違えられる秋緒と並ぶ