K SIDE:PURPLE 04
著:鈴木鈴
「痛いッ!? ちょっと、ミッちゃん、もっと優しくッ!」
「デカい図体して、情けないこと言わないの~。ほら、顎上げて~」
「アイタタタタ! もう、私、怪我人よ!? もっといたわってよね!」
『Closed』の札が掛けられた『花菫』の店内で、タカさんは甲高い悲鳴をあげていた。
店内にいるのは、タカさんにミッちゃん、セイヤさん、サユリ――そして、長谷一心と名乗る男だった。
タカさんの手当をするために『花菫』に戻ったのが、ほんの5分ほど前のこと。幸い客はいなかったから