グラウンド・ゼロ fragments 05
こども電話相談室
著:古橋秀之
「『迦具都の奴がナニ考えてるのか』て?」
いつもならば、人になにを訊かれても、煙に巻くようなことしか言わない相馬が、一瞬、返答に間を置いた……が、直後、その顔には常のように、意図の読めない笑みが浮かぶ。
「そいつは『こども電話相談室』やね」
「真面目な質問をしたつもりですが」
択也は眉も動かさずに言った。元々表情に乏しいほうだが、この場合は不服の表れだ。
「いやいや、マジメに答えとるよ、俺は」
実際、普段より遊びの少ない態度で、相馬は