第1章【蘭野 豪はハードボイルドになりたい】 第1話 20XX年、世界はそこそこ平和だった 大地は割れてないし海も枯れてない あらゆる生命体はまぁまぁ普通に生きてた だが… 人類はトラブルだらけだったのでそこはまぁまぁ困っていた! ー都内・某所ー 「もう、かれこれ1週間…連絡がつかなくて…」 俯きながらソファーに座る男、 今回の依頼人である彼はポツリとそう口にした 私は窓の側に立ったまま、 上着のポケットからタバコを取り出し、火をつける 煙を吐いてから一言、
プッチンするプリンをプッチンしなくなってからどれだけの年月が経っただろうか 子供の頃はあんなにもワクワクしながらプッチンしていた私も、 気付けば容器そのままで食べるようになり、 何を思ったかストローで吸い尽くした若気の至りも経験しながら、 いつの間にか容器の裏に付いているあのプッチンするための突起物さえ記憶から失おうとしていた いつからだろうか いつからプッチンする時のあの純粋な気持ちを失ってしまったのだろうか 初めて学校の校舎裏であの子とキスをした時? それとも大
やぁ、私だ 年齢を尋ねた時に「いくつに見えます?」って返される事がこの世で23番目に嫌いな私だ ほとんどの人は初めまして そうじゃない人は初めまさない だが初めましての人が圧倒的多数という状況を私はちゃんと考えるタイプの人間だ だから初めましての人が多い時はちゃんと自己紹介をしなければいけない 私はそう教育されてきた ありがとう両親、そして恩師達よ 私はちゃんと初めましての人には自己紹介をしようと思える人間に育っているよ そう、人生という場において、 初めましてと