【資格取得】HCD-Net認定人間中心設計スペシャリストへの挑戦(応募〜認定編)
2019年度の人間中心設計(HCD)専門家認定試験の応募要領は11/20に公開されました。また、11/25に、応募予定者向けの2019年度「受験者説明会」が行なわれたので、そちらに参加しました。
内容は、ビデオがWeb上でも公開されているため、ご参考になさってください。
応募に必要なもの
■受験資格
以下の通りになります。後述しますが、プロジェクト記述書に経験を記載する箇所があるので、虚偽記載はできないものと考えてください。
人間中心設計専門家(認定HCD専門家)
・ユーザビリティ、人間中心設計(HCD)、UXデザイン、サービスデザインに関わる実務経験5年以上。
・HCDの視点でプロジェクトマネジメント経験あるいはHCDの組織導入経験があること。
・専門能力を実証するための実践事例が3つ以上あること。
人間中心設計スペシャリスト(認定HCDスペシャリスト)
・ユーザビリティ、人間中心設計(HCD)、UXデザイン、サービスデザインに関わる実務経験2年以上。
・専門能力を実証するための実践事例が3つ以上あること。
■受験申請
今年度は2019年12月20日 17:00までにフォームからの申請が必要でした。
■受験料納付
受験料納付期限 2020年12月25日 23:59までに受験料:12,000円を納入します。
審査に必要なもの
受験申請後、GoogleDocs上に応募者個人専用の「審査書類受験者専用フォルダ」が受験係から送られてきます。
そちらに
・プロジェクト整理シート
・プロジェクト記述書
・コンピタンス記述書
が格納されているので、記入していくこととなります。
■申請期限
2020年1月20日 17:00までに書類を送信する必要がありました。
審査書類の書き方について注意すること
■ボリュームの把握と執筆スケジュールの計画
まずは、ご承知のとおり記述するボリュームが大変多いです。11/25の説明会に出席して内容を聞き、そこから0スタートで内容を書き始め、1/20までに提出することは、ほぼできないと思ったほうがよいと思います。
期間中に業務をすべて止め、審査書類の執筆に全力をかけるのならば別ですが、業務しながら合間の時間で記述していくことになるので、計画性が求められます。
私は、前年度の審査書類を参考に、9月にプロジェクト記述書の記載を始めました。専門家応募でしたので5件の記述が必要ですが、念の為7件のプロジェクトを挙げておき、そのうちから選択できるようにしました。
そして10月からコンピタンス記述書の記述をはじめました。
プロジェクト内での記述の一貫性が必要なので、1プロジェクトにつき週1日程度を割いて、6週間程度でドラフトする計画としました。
予定では11月1週までには書き終え、11月20日に申し込み、11月25日の説明会に参加し、のこり2ヶ月をブラッシュアップに使えると見込んでいました。
■コンピタンス、記述形式の変更に留意する
なんと、2019年度はコンピタンスの順番やグルーピングが大幅に変更されていました。
変更点概要
①コンピタンスの順番の入れ替わりがある。
②コンピタンスの記入内容について、フォーマットが変更。より具体的な記述が求められる設問に変更されている。
2018年度をベースに記述していた私は、2019年度の形式にあらためて記述し直す工数が必要となりました。2ヶ月をブラッシュアップと想定していましたが、1ヶ月は移植作業に、のこり1ヶ月をブラッシュアップする計画に変更しました。
変更点の例
A4. 現状のモデル化能力(基本コンピタンス)
(1)モデル化する目的を明示してください。
(2)調査結果に基づいてユーザーの現状をモデル化するプロセスと得られた知見を明示してください。
(3)(2)の記述の中で申請者がおこなった役割・実施能力があることを明示してください(単なる指示でなく実施できる専門性があることを記載)
(4)モデル化の結果を得るうえでどのような工夫をしたか示してください。
A5. ユーザー体験の構想・提案能力(基本コンピタンス)
(1)構想、提案にあたって対象範囲の絞り込みをどのようにおこなったか。
(2)どのようなプロセスや体制で構想し、具体的な製品やサービスとして提案したかを記載ください。
(3)提案に至った理由と申請者が主体的に貢献したことを明示してください。その結果次にどのようにつながったかも記載ください。
設問に対応するよう、アレンジする必要がありました。
ただし、設問が該当コンピタンスについて深堀りするような内容となっているため、コンピタンスとの対応は、むしろ書きやすくなっている印象はあるので、筆が止まるような状態ではなかったと思います。
■説明会で挙げられた注意点には留意しておく
注意点を列記します。
定義されたコンピタンスに基づいて実務経験の能力発揮が読み取れるか
→コンピタンス理解が重要。コンピタンスの内容を誤解して作成した場合は評価はされない 。
コンピタンス発揮は複数含まれているように申請するPJを絞り込んでおくと、評価されない・コンピタンスの誤解などのリスクが減らせる。
プロジェクト記述書 → 申請者自身が主体的に担当した役割りを選ぶ部分が大事。コンピタンスとの連携が問われる。
コンピタンス記述書 → 各セルの内容全体を見て、該当コンピタンスが発揮されたかどうかの判断をする。
一番高い得点のついたものがそのコンピタンスの得点となる。
1つしか書いていなく9点だと偶然の産物と受け取られる。毎回能力を発揮して成長していると判断され、有利
記述上の注意 以下のような記述では読み取られない
・コンピタンスの理解が違っている
・やったことしか書いていない
・申請者だからできた具体的な工夫の記述がない
・申請者自身が主体的に実施したことがわからない
コピペをしないでほしい。対象の名前が変わっているだけなのはまずい
最後のところですが、私はキャリアを通じてフレームワーク化した開発手法で進めていたので、業種は違えどプロセスで記述することが似通ってきていました。ところどころコピペに近い内容となっていました。
HCDとしては標準化されたプロセスですすめることが大事なので「再現性」は重要な観点ではありますが、全く同じわけはないので、コピペでなくそれぞれふさわしい記述をするように。ということです。
認定資格者にレビューしてもらうことは禁止されているので、レビューでフィードバックをうけることできず、最後まで「これでいいのかな?」と不安はつきまといました。
審査提出
途中トラブルはありつつも、計画通りに執筆を進め、予定より早く1月10日に審査書類を提出しました。(GoogleDocs上で提出処理を行なう。)
認定発表まで
合格発表は 2020年3月下旬(予定)とされており、HCD-netのWebサイトにて行われます。
発表まであと1週間となった頃、HCD-Netからメールがあり
残念ながら「認定専門家」の水準には達しておりませんでした。但し「認定スペシャリスト」の水準は満たしておりましたので、ここに「認定スペシャリスト」へ推薦できることを通知します。
と、専門家でなくスペシャリストへのスライド合格が通知されました。
もちろん、初めての応募でしたので、スペシャリスト認定を謹んでお受けすることとしました。
3/27に合格者発表
同時に応募した同僚2名もスペシャリスト認定されており、今年は当社から3名の認定となりました🎉 パチパチパチ〜
個人的感想
専門家はコンピタンス「C」が関門だと思いました。ただ方法論をフォローするだけでなく、新たな方法を開発した実績を書かねばならない。さらに個別のプロジェクトへの導入については対象外(組織全体への適用力がみられる)というところで、ハードルが高かったように思います😲
ここの書き方を含め、今後HCDのイベントに出るなど、継続して次年度以降で専門家を目指してみようと思っております。