DXでセレンディピティを殺すな
みなさんDXしてますか?
アパレル業界でよく言われるDXのソリューションで、「店舗で試着してECで買えます」や「どんな体型でもフィットする服をD2Cでお届けします」みたいな話があります。
服を買う側として思うのですが、客の気持ちとして、それ大事ですか?
アパレルでは特によくあることかなと思うのですが、「ビビっときた」とか「出会ってしまった」、私だけが見つけたという一期一会のほうが強烈に印象に残りませんか?
まぁ、毎日着るようなある意味標準的なものでしたら、定期購買などもあるかもしれません。
ただ、ちょっと意味のあるプリントされてるパーカーとか、かわいいコートとかを、「はい、全種類、全サイズここから選べます。」みたいな売り方であるとしたら、私は逆に欲しくなくなってしまうかもしれません。
妻なんか、セールで片隅に売れ残ってた、素材のいい、カワイイブーツを買えたときに、「救出してあげられた」ぐらいの勢いで喜んでいます。
さらに、その商品にバックグラウンドストーリーがあったら、そのブランドのファン度が上がっていくようです。
私だけじゃないと信じたいのですが、かわいい服などは、そもそも、身体に合ってなくても、気分が上がるから買うんだし、買わなかったら後悔すると思うから強烈に欲しくなるんだと思うんです。
あとで買えるとおもったら多分僕は買わない。
古着やCtoCが人気なのは
むしろアウトレットや古着やCtoCに人気が移っているのはなぜか?
この一期一会的な商品との出会いが、感じられるからかもしれません。
(その出会いが、演出されたものであったとしても。)
そう考えると、アパレルのDXを「商流のデジタル化」「接客のデジタル化・リモート化」「Amazonみたいになること」と定義していると、とても危ういと感じます。
ショールーミング等は誰でも思いつくし機能としてはありえると思います。ただしショールーミングで一期一会の出会いをどう演出できるでしょうか?それを私は考えたい。
また、そうなったときに、ショールーム販売員の報酬体系はどうなるのか?
ショールーム経由でECで買ってもらえた売上をKPIにするなら、客と商品の一期一会の出会いは度外視して、売りやすい物を薦めるでしょう。逆に売上をKPIにしないなら、コストセンターになり人減らし圧力がかかる。何れも顧客にメリットないでしょう。どんなモデルにしたらよいのでしょうか?
それを私は考えたい。
DXで考えると見失うもの
DXで考えると見失うものがあって、実はそれが大事かもしれないです。
出会い
ストーリー
あなただけ
アガる
そんな要素。
たとえば、チップ制はありかも。
いい提案とか役に立ったとかセレンディピティを感じたときにリアルで投げ銭ができたりすると客も店も幸せになれるかもしれませんね。
そんなことを一緒に考えていただける方、ぜひTwitterで繋がりましょう。
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