ビートルズが好きなら必聴アーティスト名鑑Vol.2『ビリー・J・クレイマー Withザ・ダコタス』
前回、”ビートルズが好きなら必聴アーティスト名鑑Vol.1”で紹介した『ピーター&ゴードン』がポールの曲を歌ってデビューしたアーティストなら、ジョンの曲を歌ってデビューしたアーティストも紹介しなくてはジョンファンに申し訳ない(笑)
いかがお過ごしでしょうか。ぐっでぃテレビのモーリーです。
今回もやってまいりました『ビートルズ大好き映像クリエイター』を自負するわたくし、モーリーがビートルズが好きな方ならぜひ聴いてほしいと思うアーティストを紹介するnoteのVol.2。今回は『ビリー・J・クレイマー Withザ・ダコタス』を紹介します。
デビュー曲は『Do You Want To Know A Secret?』
ビリー・J・クレイマーというボーカリストにザ・ダコタスというバックバンドが付くスタイルをとるこのグループは、マネージャーがビートルズと同じ、ブライアン・エプスタインであることが縁で、ビートルズナンバーである『Do You Want To Know A Secret?』でデビューを果たします。
ちなみにボーカリスト+バックバンドといった形態のグループは60年代初頭に割とあったスタイルです。多くの場合、ボーカリストを売り出すときに専属のバンドをマネージャーなどが選んできて、くっつけるパターンでこのスタイルになることが多かったようです。
このシングルはイギリスでは大ヒット。その後もラッキーなことにレノン&マッカートニーの曲を提供してもらい人気グループの仲間入りをします。
メンバー紹介
ビリー・J・クレイマー
左に大写しで写っているのがビリー・J・クレイマー。ちなみにビリー・J・クレイマーという名前はジョン・レノンが命名したらしいです。
ザ・ダコタスのメンバー
バックバンドであるザ・ダコタスはリードギター担当のマイク・マックスフィールド、リズムギター担当のロビン・マクドナルド、ベース担当のレイ・ジョーンズ、ドラム担当のトニー・マンスフィールドの4人で構成されています。
またザ・ダコタスはビリー・J・クレイマー抜きのインストゥルメンタルバンドとしてもヒットを放っています。ベンチャーズの演奏でも有名な『The Cruel Sea(クルエル・シー)』はザ・ダコタスのリードギターリスト、マイク・マックスフィールドが作曲したオリジナル曲。
『The Cruel Sea(クルエル・シー)』を発表した1963年当時、ディック・デイルなどアメリカ西海岸発祥のサーフィンインストが人気を博しており、そのムーブメントがイギリスにも飛び火してザ・ダコタスがサーフィンミュージック風のインストナンバーを作ったのかもしれませんね。
ベンチャーズの演奏でも有名な『The Cruel Sea(クルエル・シー)』のオリジナルヒットはなんとザ・ダコタス。サーフミュージックっぽい曲なのにイギリスのバンドが作った曲というのは意外と知らない人も多いはず。
ベンチャーズ版の『The Cruel Sea(クルエル・シー)』はこちら。日本ではこちらの方が有名かも。
余談ですがわたくし、モーリーは高校入学のお祝いとして買ってもらったマルチトラックMTRを使い、この曲のギター・ベース・ドラム(キーボードの打楽器機能を使って)を多重録音してベンチャーズごっこを楽しんでました。なおその話は60年代ではなく90年代の話です(笑)
サウンド
ビリー・J・クレイマーWithザ・ダコタスのヒット曲を飛ばした時期が1963年から1965年あたりまでということもあり、サウンド的にはビートルズ初期のイメージに近いと思います。ビートルズのカバー曲にとどまらず、レノン&マッカートニーのオリジナル書き下ろし曲も多く歌っているので、初期のビートルズの曲を網羅したけど、もっとこの時期のレノン&マッカートニーの曲を聴きたいという方には満足いただけける曲が多いと思います。
オススメ曲
『Bad To Me』
2枚目のシングル曲であるこの曲は、デビュー曲の『Do You Want To Know A Secret?』とは異なり、なんとレノン&マッカートニーによるオリジナル書き下ろし曲。(『Do You Want To Know A Secret?』はビートルズの曲のカバー曲)
レノン&マッカートニー名義となっていますが、ジョン・レノンが中心となって書かれた曲といわれています。ジョンが作ったデモテープを聴いてから歌ったのか、心なしかビリー・J・クレイマーがジョンの歌い方を真似しながら歌っているようにも聴こえなくもないですね(笑)
『I'll Keep You Satisfied』
この曲もレノン&マッカートニーの曲で、3枚目のシングル曲として発表されました。ここまでデビュー曲からすべてレノン&マッカートニーの曲とは超贅沢なラインナップ。ちなみにこの曲はポール・マッカートニーが中心となって書かれた曲といわれています。歌いだしの
You don't need anybody to hold you
Here I stand with my arms open wide
あたり、よく聴くとポール特有の節回しと言いますか、歌っている姿が想像できますね。
『From A Window』
4枚目のシングル曲『Little Children』をはさみ、5枚目のシングル曲であるこの曲もレノン&マッカートニーによるものです。(4枚目のシングル曲『Little Children』はレノン&マッカートニーの曲ではありませんが、アメリカで最もヒットした曲が『Little Children』。)
この曲もポール・マッカートニーが中心となって書かれた曲で、もともとは『ピーター&ゴードン』が歌うことを想定し書かれた曲との話も聞いたことがあります。
あとがき
他にもバート・バカラック作曲による『Trains And Boats And Plains』など名曲もありますが、今回はレノン&マッカートニーによる曲を中心に紹介いたしました。
それにしてもデビューから5枚目までのシングルのうち4枚までレノン&マッカートニーの曲だなんて超豪華過ぎですね。(しかもそのうち3枚はカバーではなく書き下ろし)
ちなみにデビューシングル『Do You Want To Know A Secret?』のB面『I'll Be On My Way』もレノン&マッカートニーだし、2枚目の『 Bad To Me』のB面『I'll Call Your Name』もレノン&マッカートニーの曲(この曲はビートルズのカバー)。つまり5枚目までのシングル内で6曲もレノン&マッカートニーの曲を発表していることになります。
もうこれはビートルズファンなら『ビリー・J・クレイマー Withザ・ダコタス』をチェックせずにはいられませんね(笑)
1965年頃からレノン&マッカートニーによる他のミュージシャンへの曲提供が減りはじめ、それと同時にビリー・J・クレイマー Withザ・ダコタスもヒット曲に恵まれなくなります。
しかし、64年65年と立て続けのヒット曲を飛ばした、あの時のきらめきはいつまでも音楽ファンの中で輝き続けています。
いかがだったでしょうか。ビリー・J・クレイマー Withザ・ダコタスを聴いていると、「このクオリティーの曲を簡単に他のグループにあげちゃうのか。」ってレノン&マッカートニーのソングライティング力に圧倒されます。レノン&マッカートニー名義の曲は実は他のグループやシンガーにもたくさん提供しているのでまた機会があればそのあたりの曲も紹介してみたいと思います。
↑ビートルズが好きなら必聴アーティスト名鑑Vol.1『ピーター&ゴードン』もよかったらどうぞ