引きこもりの末路
「このまま引きこもりを続けていったら……」
わたしは引きこもり時代、これを考えるのが怖くて、現実逃避をし続けていました。
援助してくれる人がいたり、一人で生きていけるだけの財産を親が残してくれるなどしない限りは、孤立、貧困、孤独死、ホームレスなど、その末路は悲惨です。
そんなことは、頭の片隅で分かっていました。でも引きこもりを止められませんでした。
なぜ引きこもったのか
わたしが引きこもったことにきっかけはありませんでした。
ただもう子供の頃から幼稚園や学校に通うのが辛かった。
辛い人生が当たり前の状態で、どうにか学校には通っていましたが、そこを出るともう外へ出て自分から人と関わるなど面倒くさいだけでした。
初めての就職先では、自分に自信がなかったので、自信を持って教えられたことが出来ない。覚えられない、何度も同じことを確認する、周りの目がきになる、職場の人とどう接していいのかわからない……など、わからないことだらけ。更に自分に自信がなくなっていきました。
またわたしの場合仕事をすることに対して、「働かなくちゃいけないようだから働く」とか「どうやら世間では働くのが当たり前」という認識しかなく、生まれてから一度も積極的に仕事をしたいと思ったことがありませんでしたし、子供の頃から「本当に自分は将来仕事をすることになるんだろうか」と思っていました。
だから周りから求められる夢を聞かれても、別になにもありませんでした。
働くことが嫌いというよりも、自分が働けるという自信とか、希望などが、まったくありませんでした。
生活するために必要だから、働かなくちゃいけないから、心は置いてけぼりだけど、体は動かしていたような感じです。
その調子ではどうやっても続きませんでした。そして疲れて、引きこもる事の方が、わたしにとって自然なことでした。わたしにとってはこれが当たり前でした。
引きこもりを脱した切っ掛け
わたしの場合、約二年前「このままでは野垂れ死にする」という恐怖が家族によって与えられました。
そうすると諦めていた「生きること」が、「やばい、近い将来本当に野垂れ死にする」という恐怖によって、それまで死んでいたような生存本能が慌てて復活してきました。そこで自分が死にたくないんだと気がつきました。
今引きこもっている方々も、何度か同じような恐怖を味わったことがあると思いますが、実際に引きこもりから脱することが出来ないのは、今はまだその危機感が薄いからではないでしょうか。
ご両親がまだ若く健康だったり、当面働かなくても生活できる状況ではありませんか?
具体的にしたこと
わたしがまずやったことは、自分のありのままを受け入れることでした。
それまでずっと排除しようとしてきた自分の過去の情けないところ、恥ずかしいところ、ズルいところなど、他人に知られたくないようなことなど全部、自分の一部だと認めました。
もういいや、やるだけやって来たじゃないか、自分なりに一生懸命やってきたじゃないかと。
諦めの境地でした。
すると心が落ち着いてきたのです。それまでに感じたことがないくらいに。
そしてそれを感じながら、数日が過ぎたころに、わたしの心が回復してきました。それまでの落ち着きのなさが消えていました。
同時に居心地の悪さがなくなったというか、「自分はこれでいいんだ」という肯定感が出てきました。
そして、少しずつ現実的に行動に移せるようになり、市の生活福祉課に助けを求め、今社会復帰をしています。
今も引きこもっている方へ
まずはこれまでの自分を否定せず、丸ごと受け入れてあげてください。
これはお金もかからず家の中でできるから。誰の目も気にせず自分一人で出来るから、安心してやってみてください。
こんなことで人生が変われるなら、少しの時間を使ってみてもいいんじゃないでしょうか。
このまま引きこもりを続けてたどり着く末路に怯えて過ごすより、ずっといいはずです。
というか、四の五の言わずにやれ。