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#3『半壊』制作

グッドウォッチメンズのみんなは、私が加入する前から自主映画めいたものを撮っていました。主にやまにーが監督していて、脚本は書かずに即興で撮影されていき、ひとつの作品に完成するものもあれば、しないものもあるといった感じでした。

いくつかのお蔵入りにちょっとばかりのモヤモヤを感じていなかったと言えば嘘になります。
ご多分に漏れず、メンバーに影響されて「何か作りたい!」となった私は、初めて脚本を書いてみた作品が、「半壊」という短編です。(Youtubeにもアップされています...。)

当然悩んだりすることもありましたが、「思ったより書ける、俺天才かも」と書きあがったときには天にも昇る思いです。

しかし、実際に撮影をしてみると、なんと私が明確に凡才であることが明らかになってしまいました。
撮影時期は、お盆休み真っ最中で暑くて集中力が続かない、カット割りが全くと言っていいほど思いつかない、カメラの水平は全く取れていない。
職場の同僚に作品を観てもらったこともありましたが、総じて微妙な反応に...。

恥ずかしさと同時に、生きていて久しぶりに悔しいという感情が芽生えたことを今でも覚えています。
話は多少前後しますが、撮影が終わった翌日に「はちどり」という韓国映画を観に行きました。もともと期待していた作品でしたが、それはもう多大なる衝撃を受けました。

ショットが洗練されているのに、作り手の作為を超えた人間が画面に映っている。
今まで、自分が映画を観ているときに全く画面を観れていなかったことに気付かされたのも、この作品です。
ちなみに、「はちどり」のキム・ボラ監督の影響元である、エドワード・ヤン監督の存在を知ったのもこの頃でした。

初めての作品制作は、苦い思い出でもありますが、かけがえのない夏の思い出でもあります。
苦い思いと衝撃的な出会いを経た私は、すぐに新しい脚本を書き始めたのでした。

#グッドウォッチメンズ
#嫌いながら愛する
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#自主映画上映会

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