ただひとつ

ただひとつ 確かなものがあれば
ただひとつ 確かな愛があれば
ただひとつ 確かな言葉があれば
ただひとつ 確かな心があったなら

波が押し寄せては引き、揺れ動く
どの景色を切り取っても
記憶の残像はフィルムのように浮かび上がり
また上書きされてゆく
そして 日々を繰り返す
繰り返して 繰り返すほど
なにもかも 消えてゆく
忘れたくないものまで
波は全てを攫っていった
最期に残るものは 何なのだろう
この胸にある心だけが
真実を教えてくれるのだろうか

p.s. 海と花束

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