2025 Western States Lottery
こんにちは,いときちです.今年もこの季節がやってきましたね.
トレラン界の年末ジャンボ宝くじことWestern StatesのLottery.
300人弱の超狭き門に全世界のランナーが挑む年に1度の運試し.
私はもう6回目のチャレンジとなります.
Western Statesってなに?
毎年6月に開催されている,アメリカで一番古く (多分),一番有名なトレイルランニングの100mileのレースです.日本ではヨーロッパのUTMBの方が有名かもしれませんが,レジェンド石川弘樹さんや鏑木毅さんが2000年代に走って入賞したレースでもあります.
なぜ抽選?
毎年このレースを走れるのはたったの400人足らずで,そのうち100人は去年の入賞者や他の大会の優勝者などのエリート枠,ボラを担当する地元のランニングクラブからの出場枠などにアサインされるため,オープン参加できるのはたったの300名弱しかいません.UTMB同様,需要と供給が全く追いついていないため年々倍率が上昇しています.
参加者の上限がタイトなのはアメリカのトレランレースあるあるで,自然環境へのインパクトを抑えるという観点からそのエリアの使用人数が制限されている,などが理由となっています.
チケット争奪戦を少しでも緩和するために,Qualifying (予選) とLottery (抽選) という二つの独自システムが導入されています.
Qualifyシステム
Qualifyは,抽選に申し込むために「直近1年間 (11月~10月) で決められたレースを時間内に完走する」というルールです.完走したら出走できる,ではなくて抽選に申し込めるだけ.大体100kmか100mileで,世界中のレースから250本くらい (2025は239本) が選ばれています.当然ですがアメリカのレース (特にカリフォルニア) が多め.日本からは2025年のQualifyとして以下のレースが選ばれています.
Mt. Fuji100 (100mile)
おんたけ (100km/100mile)
FTR秩父&奥武蔵 (100km/100mile *2023年)
信越五岳 (110km/100mile)
奥信濃100 (100km)
阿蘇ボルケーノトレイル (115km)
https://www.wser.org/qualifying-races/
Lotteryシステム
予選レースを走って申し込むとようやく抽選...となるのですがこの抽選システム,年々倍率が上がっていく中で「昔から何回も落ちている人と今年ポッと応募した人が同条件なのってフェアじゃないよね?」と言い出した人がその昔にいたらしく,ちょっとトリッキーな仕組みになっています.
長々と書いてありますが,要するに
初めて応募する人は1枚
2回目に応募する人は2枚 (x2)
3回目に応募する人は4枚 (x2x2)
…
と2の乗(n-1)乗で応募チケットの枚数が増えます (1度当選するとリセットされる).私は6回目なので32枚.
そんなインフレルールのため,今年のエントリーは11/16現在で既にとんでもないことになっていました.
総エントリー者:9725名
総チケット数:67304枚 (!!)
https://www.wser.org/lottery2025.html
1年目の方が当選するのは…ざっと0.4%くらいになりますね.32枚でも12%.
#ちなみにチケット枚数512枚 (=9回目) の方が1名いらっしゃいました.この人は当ててあげて欲しい...
この抽選,毎年ゴール地点のPlacer高校の講堂でリアル開催されていてYouTubeで中継もされます.トップ写真は2018年に現地で撮ったものです.
申し込みは11/21まで
この記事を読んでWestern Statesに興味を持って,かつ予選レースを完走している人は (もしいたら) 運試しにこちらのサイトからエントリーしてみてはいかがでしょうか?
https://portal.wser.org/
エントリーするだけなら無料です.どうするかは0.4%に当たってから考えても遅くはないかと.