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オーディオのお話(9)SACDにハマってしまいました
不肖すえきち、今更ながら、SACD(スーパー・オーディオCD)に心奪われております。
以前の記事で、新たなCDプレーヤーDCD-2500NEを購入したことは書きました。これにより、私の音楽ライフは、素晴らしいものになりました。
私が所有する一千枚のCDコレクションのうち、何枚かハイブリッド盤(盤面に一般的なCD層とSACD層の両方が記録されているもの)が含まれていましたが、これまで聴いていたのはCD層の音だけ。
50代後半にして、初めてSACD層の音を聴いてみました。そこで感じたことは...
「おおお、SACDとは、こんなに良い音だったのか!」
出てきた音のリアルさに、たまげました。
SACDが世に出てから20年以上が経ちますが、以前からSACDを導入しようと願いながら、慌ただしい日々を送る中で先送り。この歳になって初めて体感しました。この間、デジタル音源のフォーマットの販売、サブスクリプションなど、多様化し、最近ではDSDという録音方式そのものがメインストリームから外れているのかもしれません。
フィジカルなメディアに固執している古いタイプの私にとって、もともとは、一般的なCD盤を、より良い音で聴きたい欲求から、DCD-2500NEを購入し、そのハイグレードな音に十分満足していました。
しかし!さらに高音質なSACDの良さも知ってしまいました。そう、「禁断の果実」の味を知ってしまったのです(ヘビにそそのかされてはいませんが)。
今回は、以前から所有している、この音源をレビューします(ちょっと評論家気取りで)。
・マーラー:交響曲第7番
デイビッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
2008年9月録音(セッション) SACDハイブリッド盤
高校生の頃は、マーラーをよく聴いたものですが、最近はめっきり聴かなくなりました。最近では、「交響曲は第9番だけ聴ければいいかな」と思うくらい。むしろ、「さすらう若人の歌」や「子供の不思議な角笛」のような歌曲の方に惹かれます。
そんな私にとって、交響曲7番は最も疎遠な曲です。2番や5番のようなわかりやすさはなくて、つかみどころが無く感じます。また、最終楽章は乱痴気騒ぎに思えて、作曲家が何を訴えたいのかわかりません。
この曲の理解につながればいいと思って買ったのがこのハイブリッドCD盤です。私は、デイヴィッド・ジンマンという指揮者が好きです。彼がチューリヒ・トーンハレ管弦楽団を指揮したシューマンやリヒャルト・シュトラウスの演奏に、とても感銘を受けていたので、「この曲の難解さを、きちんと整理して聴かせてくれるのはジンマンさんしかいない」という期待感から買ってはみたものの、ほとんど聴かず放置していました。
<SACDはCDとどこが違うのか>
テクニカルな説明は、専門家にお任せするとして、私が感じた感想をまとめると、このようになります。
1.空間表現力
まるでコンサートホールで聴いているように、各楽器から放たれた音にホールの残響がブレンドされて聴こえます。第2楽章や第3楽章の冒頭を聴くと一番わかります。
2.解像度
ホールトーンが豊かでありながら、各楽器の出す音が混濁しません。どの楽器も、出てくる音の角が取れて、ふわっと浮かび上がるように立ち上がります。細やかなニュアンスが伝わります。マンドリン、カウベル、コントラ・ファゴット、テナー・ホルンなど、マーラーこだわりの楽器たちの個性が引き立っています。
3.音色
各楽器の音色が滑らかで、リアルです。どの楽器もその違いがわかりますが、一番違いがわかるのはヴァイオリン。CDだと、ヴァイオリンの音がキツく、やせて聴こえがちですが、SACDでは柔らかく、滑らかです。これは、ピッコロ、トランペットなどの高音を担当する管楽器も同様です。
私の拙い文章表現では伝えきれないのですが、結果として、こんな効果がありました。
・マーラーが、交響曲第7番で表現したかったサウンドを体感した(気がする)。
・良い音は、聞き疲れしないことがわかった。
今後自分が、SACDに夢中になりそうで怖いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。