#83_「事務」をカリキュラムに組み込む?
事務室にいるみなさんは、すごい。
何がすごいかって、仕事が速く、ミスがなく、思いやりがある。
事務室にいるみなさんは、仕事が速い。お願いしたことが、すぐカタチになる。「あれ、さっき頼んだばっかりだったけど……」と驚くことがよくある。
事務室にいるみなさんは、ミスがない。「ミスがない」というか、ミスしているところを見たことがない。丁寧なお仕事をされている。
事務室にいるみなさんは、思いやりがある。こちら側にミスがあっても(ミスばっかりするのだが……)やさしく教えてくださる。そして、さりげなく「再発防止策」まで打つ。ほんとに、さりげなく。
ふと、思いついた。
「事務」を学校のカリキュラムに組み込むことはできないだろうか?
そう思って、ちょっとインタビューに行ってみた。
「事務とは何ぞや……」
「秘書検定の本」を薦めていただいた。
なんか、見えた気がした。
浮かんだフレーズはこれ。
「自分の秘書になろう!」
自分のもとにやってくる情報を整理整頓する。
自分が動きやすい、効率的かつ効果的なスケジュールをつくる。
自分が提出すべきものを期限までにそろえる。
自分と付き合う人たちにやさしく丁寧に接する。
事務室のみなさんのような人材を育てることができたら、そして、事務室のみなさんがもっているスキルを、子どもたちが自分の手に持つことができるようになったら……。
これまでも学校では「提出物は期限内に出しましょう」とか「計画を立てて生活を送りましょう」とか、いろいろと言ってきた。でも、なかなかうまくいかなかった。なぜか。バラバラだったからだ。学級担任が朝の会や帰りの会でやる「生活指導」の範疇を超え出ることができなかったからだ。そんなふうに仮説を立ててみたい。
「自分の秘書になろう!」
このテーマのもと、子どもたちに必要となるスキルを洗い出す。それらのスキルを身につけるための秘訣を、事務室のみなさんに(まずは教師が)習う。「自分の秘書になれてる?」と問いかけ続ける。
こんなことができたら、これまでバラバラに行われてきた「生き方のスキル」が集約され、整理され、身に付きやすくなるのではないか。
そう思ったら、ちょっと、楽しくなってきた、というお話。