平日
今日、何も予定がないのに有給を取った。
誰が認めるでもなく、おそらく少し疲れている。
JRの新快速は早いし速い。
明石駅に行きたかったのだが、神戸駅から乗ると次の駅は明石駅だったので感動した。めちゃくちゃ頼もしい。
いつも行く二郎系の店が明石にある。
国道沿いの小さな店で、オフィスとか仕事とか、ビジネスとかロジカルシンキングとか、売り上げ見込みとかアポイントメントとか、そんなものは一切ない。なにより美味い。豚が美味い。
明石に行く途中、JRの車窓から海が一望できる。
海が見えてくるタイミングで好きな音楽が流れればそれだけで良い日になる。オフィスとか仕事とかからどんどん離れていく。明石海峡大橋はいつも堂々としている。奥には淡路島があるが、意外と近い。
世の中は再びてんやわんやになっている。
しかし人々はどこか落ち着き払っている。
落ち着いているのは自分も同じ。
だから不完全な不安だけが心の中にある。
疲れるのも当然である。
ライブをやりたい、が口癖になっている。
自分には幸せなくらい仲間がいる。
ただ仲がいいだけじゃない、それぞれに語り尽くせない魅力がある人ばかりだ。なんでこんなやつと仲良くしてくれるのか、考え込む日も少なくない。
そして今まさに明石の二郎系の店に並んでいる。
平日の昼間だというのに信じられない人の数だ。
目が血走っている。上の空でスマホを見ている。
道ゆくおばあちゃんが不思議な目で行列を見ている。
近づくと食べられちゃいますよ。
そして食べ終わったらお気に入りの風呂に行く。
瀬戸内海が見えて、遠くから貨物船の汽笛が聞こえる。
水風呂も冷たい。そしてバーコードがついたリストバンドがあればなんでも買える。
そう思うと、なぜ自分だけが不幸の中にいるような気持ちになるのか、全く理解ができない。幸せは溢れている。多くの人が望んでも、おそらく自分のような幸せな人生は歩めないだろう。
おそらく、少し疲れているからだろう。
すこし先の将来で、自分が幸せな気持ちでいる確証がないからだろう。そして幸せを掴みとる努力も、面倒でしたくないからだろう。
オトナになるのは悪くなかったし、現にそこまで悪くない。しかしなぜかどこか躓くのは、世の中のせいか、自分のせいか、それとも、という感じだ。
書いてるうちに食べ終わった客が出てき始めた。
そろそろスマホをしまって集中しないといけない。
今日も豚マシをします。
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