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新NISAと従来NISAの狭間の年 気になるロールオーバー

ニーサ、ニーサとよく言われますが、
NISAはもともと、イギリスの
Individual Savings Accountという制度がモデルになっています。
日本版ISAということで、
頭にNをつけてNISAとなりました。
NISAは現在、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の
3種類があります。
今回は、「一般NISA」の話で度々出てくる割には
認知度の低い「ロールオーバー」について説明します。

「一般NISA」の概要ですが、
一般NISAには毎年120万円の非課税投資枠が設けられています。
非課税枠内で投資できる期間は、投資をした年から5年間です。
例えば、2018年に一般NISAで始めた株式等の投資は
2022年12月末に非課税期間が終了します。
非課税期間が終了すると、
投資していた株式等の金融商品は
一般NISA口座で保有することが出来ません。

では、どうするのか。

一般NISAには毎年、120万円の非課税投資枠が設けられますので
この「毎年設けられる非課税枠」を活用します。
2022年12月末に非課税期間が終了する株式等の金融商品を
2023年の一般NISA非課税枠へ全て移します。
これが「ロールオーバー」です。

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(出典 一般NISAの概要 金融庁
 矢印は、2014年に一般NISAを始めた場合の例)

尚、2022年12月末の時点で、株式や投資信託などの額が
120万円超だった場合にロールオーバーすると、
2023年の非課税投資枠120万円を使い切ったとみなされます。
つまり、2023年は一般NISAにて
新たな金融商品を購入することができなくなります。

5年の非課税期間終了後はロールオーバー以外にも
・ロールオーバーせずに金融商品を課税口座に移す
・金融商品を売却する
といった選択肢があります。
株価は常に、上がったり下がったりしますので
ロールオーバーして非課税期間を延長すれば
いつもお得になるというものでもありません。

非課税期間終了が近い金融商品を持っている場合は
市場と比較したうえで
どの手段をとるか考える必要があります。

それから、2024年からNISA制度が変わります。
新NISAは従来のNISAと違い、2階建て構造になります。

新NISAの1階部分は積立投資信託専用の「積立枠」で
投資金額の上限は、1年間20万円までです。
基本的に1階部分で積立投資をしないと
2階部分での投資は認められません。

2階部分はこれまでの一般NISA枠ですが
投資金額の上限が102万円になります。
新NISA制度で1年間に投資できる金額の上限は
1階の20万円と2階の102万円の合計122万円ということです。

で、ロールオーバーの話に戻りますが、
例えば、2022年に従来の一般NISAで投資をした場合、
非課税期間は2026年までです。
2026年12月末に非課税期間が終了する株式等の金融商品は、
2027年の一般NISA非課税枠へ
ロールオーバーすることができます。

ただ、2027年は、新NISA制度にすでに入っている年です。

この場合どうなるかというと、
新NISA制度の一般NISA枠である2階部分へロールオーバーします。
一般NISAから新NISAへのロールオーバーについては
2022年と2023年に一般NISAを始める方のみに該当するお話です。

新NISA制度で投資ができるのは2028年までとなっています。
新NISA制度の2階部分で投資をした金融商品が
5年の非課税期間が終了した後、どうなるかについては
現在のところ、まだ指針が出ていません。
NISA制度を期間限定ではなくて恒久的なものにするといった話も
出ていますので、今後の動向が気になるところです。

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