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永遠のテンポエムチャイルドクリスマス編その4

二時間ぐらい時間が

たったでしょうか。


ふたりは

もう友達になっていました。


悟:

もうこんな時間になってしまったね

足の血は止まったかな。

痛いでしょう。

ごめんなさい。


十詞子:

止まったみたいよ

もう痛くないし


悟:

歩けるかな

ホテルはどこなの

送ります。

十詞子は

ちょっと困って

妖精のほうを見ると


妖精:

少し遠いところ

大阪なの

と言うのよ


十詞子:

少し遠いところ

大阪なの

そう言った時に

妖精は

例の杖を少しだけ振り回しました。


悟:

あっ

僕のうちに泊まれば

すぐ近くだし

大丈夫だよ

大丈夫

うちには母親がいるから

大丈夫だよ

傷の手当も出来るし


十詞子:

えー

突然行って

お邪魔じゃない

お母さんに悪いわ


悟:

僕が原因で

そうなったんだから

悪いのは僕のほうだから

来てほしいの

十詞子は妖精のほうを見ると

妖精は目くばせをしました。


十詞子;

お言葉に甘えて

お願いしてもいいかしら

今から大阪に行くのも

大変だから


そう言って

ふたりは立って

喫茶店を後にしました。


十詞子は

少し足を引きずりながら

悟に助けられながら

付いて行きました。


当時の

尼崎駅の北側は

駅から北側に道路があって

道路の西側がビール会社

東側が商店街です。


その商店街の裏側に

囲まれるように

大きな庭のある

悟の家があります。


悟の家は

母親と

妹の3人家族です。


悟が家に着くいて

「ただいま」と言うと

母親が「おかえり」と言いながら

出てきました。


悟は

駅で

十詞子に怪我をさせたことを言って

一晩

家に泊めるということでした。


悟の母親は

怪我をさせたと言うことで

恐縮しながら

泊まると言うので

驚きました。


ちょうどクリスマスと言うことで

少し豪華目の夕食でした。


母親は

3人分のおかずを

急ぎ四人分に分けて

食卓に並べました。


十詞子は

「そうだ今日はクリスマス

最近はクリスマスといっても

ひとりで過ごしているけど

今年はすごいわ。


家族そろって過ごせるのよ

それも悟の家族と

これは奇跡だわ

あの時

押しかけ女房の手段を使ってたら

こんな風になったのよね」

と思いました。


そう思うとなんだか涙が

出てきました。


でも泣いたら変だし

我慢して

笑顔を装っていました。


食卓に並んだのは

牡蠣のフライと

野菜の掻き揚げ

それにポテトサラダ

トマトでした。


十詞子は

牡蠣のフライだけが苦手で

36歳になるまで食べなかったのですが

この場で食べないと

雰囲気が悪くなってしまうと

考えて

作り笑いのまま

牡蠣を口に入れ

飲み込みました。


でもどうでしょう。

美味しいです。


思わず

「この牡蠣フライ

美味しいわ」と

言ってしまいました。


悟は

「牡蠣フライは

お母さんの得意料理なんだよ。

冬になったら

三日に一日は

牡蠣フライなんだから」

と笑って答えました。


和やかに食事が終わって

妹が

ケーキと

コーヒーを持ってきました。


丸いケーキで

お決まりのように

ローソクを立て

火をつけ

電気を消しました。


一瞬お部屋の

薄暗くなって

「アー

クリスマスってこんなに楽しいですね」

十詞子は言ってしまいました。


悟も

「今日は

今までのクリスマスの中で

一番楽しいよ。」

と言いました。


お母さんと

妹も口をそろえて

「本当に楽しいよ。」

と言いました。


ケーキを食べた後

みんなで

「7並べ」をしました。


10時なったので

順番にお風呂に入って

床に就きました。


いつもは

座敷に母親

次の間に悟

二階に妹が寝るのですが、

この日は

母親が心配して

十詞子を座敷に

次の間に

母親と妹が

二階に悟が寝ました。


妖精は

座敷の端で

寝ていました。


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