ブログ小説「彼女の突然の死」その20まで
地球に住んでいる
生き物の
命の将来は
全く予想だにもできません。
同じように
この地球上で暮らす
人間も
同じです。
「朝に紅顔ありといえども
夕べには白骨となる」
です。
大切に思った人でも
その例外ではありません。
逝った人も
先立たれてしまった人の心情は
どうだったんだろうと
思って
この駄作を
書かして頂きます。
20話程度の
小話となる予定です。
あらすじ
大場由美子は
高校生の
ちょっとした出来事で
男性不信となります。
何もなく
その日一日が
送れることが
幸せだと
思うようにしていました。
そんな由美子は
時間が余ったので
資格試験を受けることになり
そこで
ある男性に出会います。
試験の結果は合格です。
でも
その結果を喜んでくれる人は
いませんでした。
ひとりでお祝いに
試験場の学食を
食べに行って
また男性に会ってしまいます。
いろいろあって
映画を
見に行くことになったのですが
、、、、、、、
1 彼女は
大場由美子
23才です。
地元の高校を出て
ネット通販の会社に勤めて
5年
仕事にも慣れて
先輩には信頼され
後輩からは
慕われるようになりました。
毎日が楽しくて
日々生活していました。
由美子の会社は
週休二日制です。
休みの時には
家で
スキルを高めるために
勉強していました。
ネット業界は
日進月歩で
今の仕事が
いつまで続くか
わからないからです。
そんな用心深い
由美子だったのですが
用心深いと言うだけで
冒険をしなかったわけではありません。
それには
高校生の時の
経験が
トラウマとなっていました。
高校二年生の時に
憧れの先輩が
水泳部にいました。
由美子も
すっごく
好きになっていて
泳ぎは苦手なのに
由美子も
二年生になってから
水泳部に
入りました。
水着に着替えて
プールへ行きました。
憧れの先輩が
準備体操をしていました。
由美子も
同じように
準備体操して
体を濡らして
練習を始めました。
3年生から
順番に
泳ぎ始めました。
レベルが高くて
コーチが
いろんな事を
アドバイスしていきました。
由美子は
新入りですから
一番最後でした。
飛び込みができませんので
プールに入って
クロールで
泳ぎ始めたときに
そのことは
起こったのです。
2 みんなが見ているまでで
泳ぎ始めました。
水温が冷たくて
体が
あまり動きません。
足が
少し吊ったようになりました。
日頃運動していなかったのが
悪かったのでしょうか。
足が
動きにくくなって
半分溺れたように
手足を
バタバタしたのです。
それを見ていた
コーチは
怒って
怒鳴りつけました。
「遊ぶな
上がってこい」と
怒鳴りつけました。
由美子は
恥ずかしくて
顔を真っ赤にして
上がってきました。
それを
先輩は
笑っていました。
そして
由美子が
先輩の横を
すごすごと
通ろうとしたときに
その先輩が
小声で
「真剣にやってもらわないと
遊びなら
やめてほしい」と
言ったのです。
高校生の由美子は
ショックでした。
相当覚悟して
水泳部に入って
水着に着替えて
出てきたのに
そんないわれかたを
されて
ショックでした。
更衣室で
涙が
出ました。
その日以来
人を好きになることを
やめました。
どんなに
ステキな人が
現れても
見ないことにしました。
職場も
女性と
中年の男性ばかりで
由美子は
良かったと思いました。
3 職場では
女友達とは
仲良く付き合っていました。
何度も
合コンに誘われて
断り切れなくて
行くことになりました。
初めてですので
緊張しました。
友達の
後ろに付いていたというのが
いいかもしれません。
自己紹介も
おおざっぱに
由美子は
言いました。
相手の男性陣は
なかなか
場慣れしていて
なれなれしく
由美子に
話しかけてきました。
由美子が
嫌がっていても
お構いなく
話しかけて
困惑してしまいました。
やっと終わって
よかったと思ったら
二次会に誘われましたが
固持しました。
そんな事があってから
友達の女性陣には
「ノリの悪い子」と思われ
男性陣からは
「近寄りがたい女」と
思われてしまいました。
そして
二度と
合コンには
誘われなくなりました。
由美子は
それは好都合と
思って
殻の中に
閉じこもるようになってしまったのです。
4 そんな由美子を
両親は心配していました。
親は
適齢期になったので
見合いの話を
勧めたのですが
全く乗り気では
ありませんでした。
親は
心配していましたが
まだまだ
若いのでいいかと
思いました。
親公認で
結婚しないように
なってしまって
ますます
異性を
意識しないようになりました。
朝起きて
食事をして
混んだ電車に乗って職場に行き
いつもの仕事をして
終業のチャイムで
退社して
家に帰る決まり切った
生活パターンが
由美子は良いと思いました。
毎日
同じ事ができるのが
幸せだと思うようになりました。
時間が余るので
スキルを高める
勉強をしていました。
休みの日には
部屋の掃除や
お料理を作っていました。
それでも
週休二日制では
時間がありあまるので
図書館に
勉強のために
行っていました。
勉強は
学生の時には
あまり好きではなかったのに
不思議だと
思いました。
5 嫌いだった勉強も
できるようになって
もっと勉強して
お医者さんにでも
なろうかと
思ったのですが
やめておきました。
学費が続かないだろうと
思ったからで
学力が
不足だとは
なぜか思いませんでした。
医師を目標とすべき
理由もなしに
医師になるのは
少し心がとがめました。
やはり今の仕事で
技術を
磨くのが
いいと思いました。
そこで
IT業界に勤める
由美子は
IT関連の資格を
取ることにしました。
取ったからと言って
由美子の勤める会社では
資格手当が
支払われることも
ないのですが
そんな事しか
考えつかなかったのです。
猛勉強と言うより
時間を
もてあましての
勉強だったのですが
どういう訳か
うまくいったのです。
試験場では
時間が余ったので
他の受験者を
観察していました。
やはり
若い人が
断然多く
30歳過ぎの男性の方が多かったです。
そんな男性の中に
少し
神経質で
最後まで
答案用紙を
見直しているようでした。
その見直しが
何か独り言をいうように
ブツブツいっていました。
6 「独り言を
そんな大きな声で
いうなよ」と
由美子は思いつつ
そう言えば
私も言っているかも知れないと
思って
思わず
笑ってしましました。
そして
試験のことを考えずに
独り言をいっているかどうか
考えました。
はやり
独り言を
言っていっていました。
やはり注意しないと
いけないと思いつつ
考えていると
時間が来て
試験が終わりました。
途中退席を
大方の人はしていて
由美子の近くは
例の
ブツブツ言う
男性だけでした。
試験官が
答案用紙を集めてきて
数量を確認するまで
座っていました。
見るともなしに
見ていたら
男性は
筆記具を
鞄の中にしまうときに
リンゴとミカンともうひとつが
入っていたのです。
普通
試験場に
ミカンはいいとしても
リンゴは
普通持ってこないと思ったのです。
そして
もうひとつのものなど
絶対に持ってこないと思いました。
もちろん
受験要領の
持ち込み禁止の中に
そんなものは
入っていないことは
わかっていました。
またまた笑ってしまいました。
笑ったところを
見られてしまったのです。
恥ずかしくなりました。
7 目と目があって
軽く会釈してしまいました。
その男性は
そそくさと
前のドアから出ていったので
由美子は
後ろのドアから出ました。
試験が行われているのは
有名な大学で
高卒の由美子は
見るもの
聞くもの
新鮮でした。
調べると
学食が
有名で
一般人でも
食べられるので
行ってみることにしました。
案内図を参考に行ったので
ぐるっと回って
学食に到着すると
日曜日で
休みでした。
前の
コンビニは
営業していましたが
用がないので
帰ることにしました。
残念と思いました。
もし
試験が合格していたら
お祝いに
休みを取って
学食に食べに来ようと
思いました。
駅まで歩いていると
前を
例の男性が
歩いていました。
駅に着いて
電車を待っているときも
前に例の
男性がいました。
同じ電車に乗って
途中で
乗り換えです。
その男性は
乗換駅で
サッサと下りて
由美子の前を
歩いて
次の
電車も一緒でした。
由美子は
ストーカーかと
思いました。
8 ストーカーは
つきまとう人のことですから
前を歩く
あの男性は
そう言う定義からすると
ストーカーではないと
おもいました。
むしろ
自分がストーカーではないかと
思ったのです。
気になって
見ていると
かの男性は
鞄からミカンと
ティッシュを取りだし
ミカンの皮を
ゆっくりと剥き始めました。
白いところを
ジックリと
取り始めました。
それを
見ていて
由美子は
笑いがこみ上げてみました。
ミカンと
関わっている
男性を
食い入るように
見ている
自分が
面白くなったのです。
そんなの見てどうすると
思ったのですが
気になって仕舞って。
見てしまったのです。
見るべきでないとわかりつつ
見ていると
一袋ずつ
食べて
ゆっくりと
ティッシュを片付けました。
駅到着すると
降りていきました。
由美子の降りる駅の
ひとつ手前でした。
もうこれで
見なくていいと
思いました。
9 由美子は
電車降りて
階段を下りていく
男性の横顔を
電車から見ていました。
壮観な顔つきで
男という
感じでした。
男性に不信を持つ
由美子は
男性を
じっくり観察することなど
高校以来
初めての出来事です。
観察して
その結果は
わかりませんでした。
だって
同じ試験を受けて
試験場に
リンゴとミカンと
もうひとつを持ってきていて
隣の駅に
住んでいるということしか
わからなかったからです。
情報が
全く少ないと
思いました。
そんなことを思いつつ
一日が過ぎ
翌日は
同じような毎日の始まりです。
今回の試験が
合格すれば
次は何よしようかと
楽しく
悩んでいました。
10 日々
平常心の
日常が
過ぎていきました。
由美子の
父や母は
平常・普通・変わりないが
一番いいと
口癖でした。
その流れで
由美子も
毎日同じが
一番いいと
思うようになりました。
そんな日常が過ぎて
発表日がやっていました。
会社で私的な
ホームページを
見る事は禁止されていて
ディスプレイが
録画されていて
監視員までいたのです。
スマホがない時代でしたので
由美子は
楽しみしながら
家に帰りました。
家に帰って
すぐに
パソコンを見ました。
由美子の
受験番号
を見付けました。
初めての
国家試験合格で
嬉しくなりました。
運転免許も
持っていないのに
これに合格するなんてと
わけの分からぬ事を
思いつつ
喜びました。
両親にも
それをすぐに
話しましたが
全然
感動も
おめでとうの言葉も
ありませんでした。
両親は
そんな事より
結婚することを
勧めていたのです。
会社に行って
上司や同僚に話しましたが
別に
反応は
ありませんでした。
あんなに努力したのに
誰も
感動してくれないって
何か
虚しく感じました。
11 小さい時から
そうだと思いました。
兄は
少しのことでも
誉められても
妹の由美子は
誉められなかったように
記憶していたのです。
由美子は
自分で
自分を誉めてあげようと
思いました。
試験の時に
合格したら
学食に
食べに行こうと
決めていたことを
思い出しました。
翌日
課長に
休暇願を出しました。
課長は
有給休暇の
消化が
低い由美子の
休暇願を
喜んで承認しました。
連休にしたらと
言ってきたくらいです。
でも
一日だけにして
朝から
大学に行くことにしました。
母親に
「今日は
休んで
遊びに行きます」と
言うと
驚いていました。
病気とか
冠婚葬祭以外で
休んだことがないので
驚いていたのです。
電車は
学生で
混んでいました。
12 混んだ電車の中は
学生で一杯でした。
みんな携帯を見て
メールをしていました。
「今時だな」と
思いました。
結構
由美子も若いのに
そう思ったのです。
大学に到着すると
昼のランチまでは
まだまだ時間があったので
学内を
見て回りました。
図書館があったので
中に入りました。
学生風なら
何のおとがめもなく
中に入れたので
図書館の
一番にいい席に
座りました。
外が見渡せる
窓際の席で
図書館内部も
見渡せました。
雑誌を
書棚から取りだして
見るとはなしに
大学生を見ていました。
みんなは
学生生活を
楽しんでいる様子でした。
懐かしいような
気分になりました。
秋晴れの天気が
そう思わせたのかも知れません。
ランチが始まる時間になったので
学食に行って
Aランチの食券を買って
トレーに載せてもらって
空いていたので
ここでも一番いい席に
座りました。
13 由美子は
いつも
食事は
ゆっくりです。
両親が
食事は
ゆっくりと
食べるように
指導していたためでもありました。
由美子は
ゆっくり食事をしていると
大学の授業が
終わったのか
ドッと
学生がやってきて
みるみるうちに
席は
一杯になりました。
4人掛けの
テーブルに
最初筋向かいに女性が
次に隣に女性が
そして
向かいに男性が
トレーを持って
座りました。
由美子は
窓の外を
見ていたので
どんな人が
座ったかは
わかりませんでした。
なにげに
目を
正面に移すと
男性が
食事をしていて
目と目があって
思わず
「アッ」と
小声で
言ってしまいました。
例の男性だったのです。
男性の方も
わかったのか
同じように
驚いた様子でした。
由美子は
少し汗が出ました。
窓の外をみて
やり過ごそうとしました。
しかし
男性が
声を掛けてきたのです。
14 「試験受けていましたよね。
どうでしたか」と
尋ねてきたのです。
無視するわけにもいかず
少し愛想笑いをして
「試験合格しました」と
小声で答えました。
これで
会話が終わりと思っていたのですが
なおも
話しかけてきたのです。
男性:
それはよかった。
僕も合格したんですよ。
昨年より少し易かったように
思います。
以下()内は由美子の
独り言です。
すこし
下品に表現していますが
由美子は
お上品な性格です。
(あなたが
合格したかどうかとか
問題が易かったとか
そんな情報要らないわ)
由美子:
よかったですね
男性:
そうなんです
二度目なんです
苦労が報われてよかったです。
あなたは何回目ですか
(バカじゃないの
あの程度なら
1回で合格しろよ
勉強しなかったのかよ
私なんか)
由美子:
一回目です
男性:
頭いいんでね
僕なんか
ダメですよ
(そうそう
ダメダメね
顔も普通だし
頭ももうひとつ
いいところないじゃないの)
由美子:
そんな事ないです
私が
合格したのは
運です。
(本当は
もちろん
実力と
努力)
男性:
そうかもしれませんね
(バカにされた??
何を言うの
この男!!!
実力と言えよ)
由美子:
そうですね
男性:
何学部ですか
(このバカ
そんな事聞くな
本当のことを
言えないだろう)
由美子:
それは
、、、、、
男性:
当てましょうか
IT関係ですよね
情報処理学科でしょう
(なんで
そんな推理なの
仕事はそうだけど
そこまで推理するか
当たっていないし
面倒な人だ
これに乗ってやろう)
由美子:
えっ
えー
男性:
図星でしょう
勘だけは
当たるんですよ
これから
授業ですよね。
(全然当たっていない!
何を勝手に
言っているんだ。
早くどこかに行けばいいのに)
由美子:
いいえ
帰るところです。
男性:
いや
当たらなかったな
僕
工学部の
4年生で
上羽優といいます。
メルアド
交換できませんか
(突然
何を言うのこの男は
メルアドなど
交換できるわけないでしょう
でもこの場は
使っていない
フリーメールアドレスでも
教えておこう
こんな時のために
用意していてよかった。)
由美子は
携帯を取りだして
メルアドの交換をしました。
男性:
私も帰りますので
駅まで
一緒に行きませんか
(何をおっしゃるの
あきれたものだわ)
由美子:
友達と
待ち合わせているので
それはちょっと
男性:
そうですか
残念です。
15 名前
何というのですか
教えて下さい。
(個人情報を
聞いてくるな
ハンドルネームでも
言っておこうか
でも
信じないし
何がいいかな
こっち見ている
面倒だよね)
由美子:
大場です
男性:
大場さんですか
大場と
上羽は
似てますよね
(「ば」だけじゃないの
大と
上は
全然違うじゃないの)
由美子:
そうですね
こんな話が
30分以上続いて
由美子は
約束の時間だからと
言って
やっと
その場を立ち去りました。
高校以来
男性と
仕事以外で
話したことは
親以外ありません。
冷や汗だと
思いつつ
よくもまあ
「突っ込んだよね」と
思いました。
由美子は
電車に乗って
帰りました。
家に帰ったら
3時頃で
おやつをたべながら
昼の出来事を
考えました。
値段は安いですが
学食の
Aランチの
味は
普通でした。
そんな事より
ナンパされたことが
記憶に残りました。
「私って
女としての
魅力があるのかしら
えへ
やはり
私は
美人のだ」と
思いました。
そう思うと
何か嬉しくなりました。
「でも
もう少し
イケメンに
ナンパされたかったな」とも
思いました。
16 大学での
楽しい雰囲気が
忘れられません。
大学へ
行きたいと思いました。
高校生の時は
もう勉強は
いいと思っていたのですが
やはり
一度は
大学生になってみたいと
思ったのです。
大学生になるには
ふたつの障壁が
あると思いました。
ひとつは
お金です。
学費も
生活費もいるし
今の蓄えは
500万ほどなので
学費に
300万以上使えば
4年間の
生活費は
200万円ほど
しか残りません。
食費と
その他の費用が
年50万円では
少し心細いと
思いました。
両親に
反対されて
家を出なければならなくなったら
お家賃もいるし
そうなると
もう絶対に無理だと
考えました。
それに
もうひとつの
学力の問題です。
高校時代は
成績は
よくなかった由美子には
高い障壁です。
やはり大学には
無理かと思いました。
夜間大学は
殆どなくなってしまったし
やっぱり
大学生は
無理よね
17 でも
やっぱり
大学生は
優雅でいいよねと
思い続けていました。
インターネットで
何かいい情報がないかと
調べていると
ユーザー登録すると
いろいろと調べられる
サイトを見付けました。
そこで
例の
フリーメールアドレスを
使って
登録しました。
承認するメールが
届くので
フリーメールを
見る事にしました。
いろんな迷惑メールが
やって来ていました。
パーと見てみました。
その中に
「大場さん今度映画でも」という題の
メールが
何通もやって来ているのです。
いつもなら
やり過ごすのですが
何となく見てみました。
どう見ても
大学で出会った
例の男性
確か
上羽とか
言ったのでしょうか。
毎日
決まって
1通ずつで
5通も
来ていました。
どうしようかと
考えました。
このままやり過ごそうか
それとも
返事をしようかと
思いました。
メールの中に
見たい映画の
題名が書いてあったのです。
その映画
見たかったと
思ったのです。
映画館に
ひとりで行くと
何となく
隣の
カップルが
気になって仕舞うのです。
そこで
映画に行くのを
ためらっていました。
18 「上羽さんを
利用して
久しぶりに
映画でも
見に行こうかと
思いました。
ひとつだけ
心配なのは
由美子が
学生だと
思っていることでした。
学生だとは
言っていないのに
勝手に
そう思い込んでしまったのです。
「やはりここは
告白
告白ではなく
連絡しないと
OLだと
メールで
まず伝えないと」と
考えて
ささっと
メールを送りました。
送ったら
つかさず
返信が来ました。
「早
何と言うこと
そんなに早く
返信できるって
勉強しろよ」
と思いつつ
メールを見ました。
「知っています。
すぐに
情報処理学科に行って
確認しました。
大場さんは
私が
最初予想したから
恥をかかさないように
そうしたんだよね
大場さんて
優しい人なんですね
友達に
なりたいです」と
返信してきたのです。
「何と言うこと
お人好しの
人ね
単に
邪魔くさかっただけなのに
上羽さんは
本当に良い人かしら
それとも
単純なバカ
どちらでもいいわ」と
思いつつ
映画に行く
メールを
送りました。
19 タイタニックでも
見に行こうかと
思いました。
すぐに返信がやってきて
行くに日が決まりました。
次の日曜日に
隣の駅で
待ち合わせることになりました。
どんな服を着ていこうかと
悩んでしまいました。
普通なら
楽しい悩みだと
思うのですが
上羽は
好きな相手でもないし
だから
デートでもないしと思いました。
それなら
どんな服でもいいので
悩やむ必要もないと
思いました。
そこで
試験でも
着た服に
厚着の
セッターを着ました。
秋も深まって
少し肌寒い日でした。
由美子は
厚着をしていたので
寒くはありませんでした。
由美子が
到着するまえに
上羽は
待っていました。
ビシッと
決めた服装で
やって来ました。
かなり薄着でしたが
楽しそうに
待っていて
由美子を見るなり
手を振って
近づいてきました。
20 上羽は嬉しそうでした。
由美子の所まで
やって来ると
少し息が上がっているようですし
顔が
赤くなっている様にも
見えました。
(上羽さんたら
そんなに興奮してどうするの
それに
全力疾走でもないのに
なぜ息が上がるの)
由美子:
お待たせしました。
上羽:
待ってません
(だいぶ無理しているのが
見え見えですよ)
由美子:
そうですか
よかった
上羽:
今日は
タイタニックですよね
楽しみです。
(本当にそうなの)
由美子:
上羽さんも
好きだったんですね
よかったです。
上羽:
大場さんと
同じ好みで
よかったです。
(本当にそうかな
映画趣味なんでしょうか
聞いてみよう)
由美子:
最近見られた映画は
何ですか
上羽:
えーっと
たくさん見たし
えーっと
(やっぱりウソね
でも
私も
最近映画見ていないし)
由美子:
たくさんあったら
すぐに出ないですよね
私もそうなんです。
上羽:
そうなんですよ
大場さんは
どんな映画
(えー
そんなこと
自分も知らないことを
人に聞くなー)
由美子:
たくさんあって
すぐに出ません
上羽:
そうですよね
入りましょうか
チケット買っておきました
(やった-
だだで見れるぞ-
気前が良いぞ)
由美子:
ありがとうございました。
ポップコーン
私が買いますので
上羽:
ありがとうございました。
(ポップコーン
だけですんで
うれしい
ポップコーンも
私が全部食べてやるー
えへ)
ポップコーンを持って
ふたりは
映画館へ入っていきました。