ブログ小説「彼女の突然の死」その10まで
地球に住んでいる
生き物の
命の将来は
全く予想だにもできません。
同じように
この地球上で暮らす
人間も
同じです。
「朝に紅顔ありといえども
夕べには白骨となる」
です。
大切に思った人でも
その例外ではありません。
逝った人も
先立たれてしまった人の心情は
どうだったんだろうと
思って
この駄作を
書かして頂きます。
20話程度の
小話となる予定です。
あらすじ
大場由美子は
高校の時に
ちょっとした出来事で
男性不信となります。
何もなく
その日一日が
送れることが
幸せだと
思うようにしていました。
そんな由美子は
時間が余ったので
資格試験を受けることになり
そこで
ある男性に出会います。
試験の結果は
、、、
ここから本文です
彼女は
大場由美子
23才です。
地元の高校を出て
ネット通販の会社に勤めて
5年
仕事にも慣れて
先輩には信頼され
後輩からは
慕われるようになりました。
毎日が楽しくて
日々生活していました。
由美子の会社は
週休二日制です。
休みの時には
家で
スキルを高めるために
勉強していました。
ネット業界は
日進月歩で
今の仕事が
いつまで続くか
わからないからです。
そんな用心深い
由美子だったのですが
用心深いと言うだけで
冒険をしなかったわけではありません。
それには
高校生の時の
経験が
トラウマとなっていました。
高校二年生の時に
憧れの先輩が
水泳部にいました。
由美子も
すっごく
好きになっていて
泳ぎは苦手なのに
由美子も
二年生になってから
水泳部に
入りました。
水着に着替えて
プールへ行きました。
憧れの先輩が
準備体操をしていました。
由美子も
同じように
準備体操して
体を濡らして
練習を始めました。
3年生から
順番に
泳ぎ始めました。
レベルが高くて
コーチが
いろんな事を
アドバイスしていきました。
由美子は
新入りですから
一番最後でした。
飛び込みができませんので
プールに入って
クロールで
泳ぎ始めたときに
そのことは
起こったのです。
みんなが見ているまでで
泳ぎ始めました。
水温が冷たくて
体が
あまり動きません。
足が
少し吊ったようになりました。
日頃運動していなかったのが
悪かったのでしょうか。
足が
動きにくくなって
半分溺れたように
手足を
バタバタしたのです。
それを見ていた
コーチは
怒って
怒鳴りつけました。
「遊ぶな
上がってこい」と
怒鳴りつけました。
由美子は
恥ずかしくて
顔を真っ赤にして
上がってきました。
それを
先輩は
笑っていました。
そして
由美子が
先輩の横を
すごすごと
通ろうとしたときに
その先輩が
小声で
「真剣にやってもらわないと
遊びなら
やめてほしい」と
言ったのです。
高校生の由美子は
ショックでした。
相当覚悟して
水泳部に入って
水着に着替えて
出てきたのに
そんないわれかたを
されて
ショックでした。
更衣室で
涙が
出ました。
その日以来
人を好きになることを
やめました。
どんなに
ステキな人が
現れても
見ないことにしました。
職場も
女性と
中年の男性ばかりで
由美子は
良かったと思いました。
職場では
女友達とは
仲良く付き合っていました。
何度も
合コンに誘われて
断り切れなくて
行くことになりました。
初めてですので
緊張しました。
友達の
後ろに付いていたというのが
いいかもしれません。
自己紹介も
おおざっぱに
由美子は
言いました。
相手の男性陣は
なかなか
場慣れしていて
なれなれしく
由美子に
話しかけてきました。
由美子が
嫌がっていても
お構いなく
話しかけて
困惑してしまいました。
やっと終わって
よかったと思ったら
二次会に誘われましたが
固持しました。
そんな事があってから
友達の女性陣には
「ノリの悪い子」と思われ
男性陣からは
「近寄りがたい女」と
思われてしまいました。
そして
二度と
合コンには
誘われなくなりました。
由美子は
それは好都合と
思って
殻の中に
閉じこもるようになってしまったのです。
そんな由美子を
両親は心配していました。
親は
適齢期になったので
見合いの話を
勧めたのですが
全く乗り気では
ありませんでした。
親は
心配していましたが
まだまだ
若いのでいいかと
思いました。
親公認で
結婚しないように
なってしまって
ますます
異性を
意識しないようになりました。
朝起きて
食事をして
混んだ電車に乗って職場に行き
いつもの仕事をして
終業のチャイムで
退社して
家に帰る決まり切った
生活パターンが
由美子は良いと思いました。
毎日
同じ事ができるのが
幸せだと思うようになりました。
時間が余るので
スキルを高める
勉強をしていました。
休みの日には
部屋の掃除や
お料理を作っていました。
それでも
週休二日制では
時間がありあまるので
図書館に
勉強のために
行っていました。
勉強は
学生の時には
あまり好きではなかったのに
不思議だと
思いました。
嫌いだった勉強も
できるようになって
もっと勉強して
お医者さんにでも
なろうかと
思ったのですが
やめておきました。
学費が続かないだろうと
思ったからで
学力が
不足だとは
なぜか思いませんでした。
医師を目標とすべき
理由もなしに
医師になるのは
少し心がとがめました。
やはり今の仕事で
技術を
磨くのが
いいと思いました。
そこで
IT業界に勤める
由美子は
IT関連の資格を
取ることにしました。
取ったからと言って
由美子の勤める会社では
資格手当が
支払われることも
ないのですが
そんな事しか
考えつかなかったのです。
猛勉強と言うより
時間を
もてあましての
勉強だったのですが
どういう訳か
うまくいったのです。
試験場では
時間が余ったので
他の受験者を
観察していました。
やはり
若い人が
断然多く
30歳過ぎの男性の方が多かったです。
そんな男性の中に
少し
神経質で
最後まで
答案用紙を
見直しているようでした。
その見直しが
何か独り言をいうように
ブツブツいっていました。
「独り言を
そんな大きな声で
いうなよ」と
由美子は思いつつ
そう言えば
私も言っているかも知れないと
思って
思わず
笑ってしましました。
そして
試験のことを考えずに
独り言をいっているかどうか
考えました。
はやり
独り言を
言っていっていました。
やはり注意しないと
いけないと思いつつ
考えていると
時間が来て
試験が終わりました。
途中退席を
大方の人はしていて
由美子の近くは
例の
ブツブツ言う
男性だけでした。
試験官が
答案用紙を集めてきて
数量を確認するまで
座っていました。
見るともなしに
見ていたら
男性は
筆記具を
鞄の中にしまうときに
リンゴとミカンともうひとつが
入っていたのです。
普通
試験場に
ミカンはいいとしても
リンゴは
普通持ってこないと思ったのです。
そして
もうひとつのものなど
絶対に持ってこないと思いました。
もちろん
受験要領の
持ち込み禁止の中に
そんなものは
入っていないことは
わかっていました。
またまた笑ってしまいました。
笑ったところを
見られてしまったのです。
恥ずかしくなりました。
目と目があって
軽く会釈してしまいました。
その男性は
そそくさと
前のドアから出ていったので
由美子は
後ろのドアから出ました。
試験が行われているのは
有名な大学で
高卒の由美子は
見るもの
聞くもの
新鮮でした。
調べると
学食が
有名で
一般人でも
食べられるので
行ってみることにしました。
案内図を参考に行ったので
ぐるっと回って
学食に到着すると
日曜日で
休みでした。
前の
コンビニは
営業していましたが
用がないので
帰ることにしました。
残念と思いました。
もし
試験が合格していたら
お祝いに
休みを取って
学食に食べに来ようと
思いました。
駅まで歩いていると
前を
例の男性が
歩いていました。
駅に着いて
電車を待っているときも
前に例の
男性がいました。
同じ電車に乗って
途中で
乗り換えです。
その男性は
乗換駅で
サッサと下りて
由美子の前を
歩いて
次の
電車も一緒でした。
由美子は
ストーカーかと
思いました。
ストーカーは
つきまとう人のことですから
前を歩く
あの男性は
そう言う定義からすると
ストーカーではないと
おもいました。
むしろ
自分がストーカーではないかと
思ったのです。
気になって
見ていると
かの男性は
鞄からミカンと
ティッシュを取りだし
ミカンの皮を
ゆっくりと剥き始めました。
白いところを
ジックリと
取り始めました。
それを
見ていて
由美子は
笑いがこみ上げてみました。
ミカンと
関わっている
男性を
食い入るように
見ている
自分が
面白くなったのです。
そんなの見てどうすると
思ったのですが
気になって仕舞って。
見てしまったのです。
見るべきでないとわかりつつ
見ていると
一袋ずつ
食べて
ゆっくりと
ティッシュを片付けました。
駅到着すると
降りていきました。
由美子の降りる駅の
ひとつ手前でした。
もうこれで
見なくていいと
思いました。
由美子は
電車降りて
階段を下りていく
男性の横顔を
電車から見ていました。
壮観な顔つきで
男という
感じでした。
男性に不信を持つ
由美子は
男性を
じっくり観察することなど
高校以来
初めての出来事です。
観察して
その結果は
わかりませんでした。
だって
同じ試験を受けて
試験場に
リンゴとミカンと
もうひとつを持ってきていて
隣の駅に
住んでいるということしか
わからなかったからです。
情報が
全く少ないと
思いました。
そんなことを思いつつ
一日が過ぎ
翌日は
同じような毎日の始まりです。
今回の試験が
合格すれば
次は何よしようかと
楽しく
悩んでいました。
10 日々
平常心の
日常が
過ぎていきました。
由美子の
父や母は
平常・普通・変わりないが
一番いいと
口癖でした。
その流れで
由美子も
毎日同じが
一番いいと
思うようになりました。
そんな日常が過ぎて
発表日がやっていました。
会社で私的な
ホームページを
見る事は禁止されていて
ディスプレイが
録画されていて
監視員までいたのです。
スマホがない時代でしたので
由美子は
楽しみしながら
家に帰りました。
家に帰って
すぐに
パソコンを見ました。
由美子の
受験番号
を見付けました。
初めての
国家試験合格で
嬉しくなりました。
運転免許も
持っていないのに
これに合格するなんてと
わけの分からぬ事を
思いつつ
喜びました。
両親にも
それをすぐに
話しましたが
全然
感動も
おめでとうの言葉も
ありませんでした。
両親は
そんな事より
結婚することを
勧めていたのです。
会社に行って
上司や同僚に話しましたが
別に
反応は
ありませんでした。
あんなに努力したのに
誰も
感動してくれないって
何か
虚しく感じました。