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HONE#1【レポート】顕微鏡ワークショップ|カールツァイス株式会社

2023年12月16日(土)、12月17日(日)、カールツァイス株式会社とのコラボレーションによる顕微鏡ワークショップを行いました。

知を得て、技を磨く サプリメンタルセミナー《HONE》

本ワークショップでは、 顕微鏡業界・カメラ業界で知らない人はいない光学機器メーカーカールツァイス株式会社(ZEISS日本)のご協力のもと、各種顕微鏡の特徴や顕微鏡技術の歴史を学ぶとともに、実際に最先端の機器をハンズオンで扱って「見える」世界を体験。
 
参加者自ら顕微鏡で見てみたいサンプルを持参して、ZEISSの最新機器で観察するという大変貴重な機会をご提供いただきました。この記事では、2日間にわたって開催されたワークショップの様子をGood Life on Earth(GLE)事務局よりレポートします。
 
HONE#1「顕微鏡ワークショップ」
開催日:2023年12月16日(土)13:00-17:00、12月17日(日)13:00-17:00
会場:ZEISS 日本 本社麹町オフィス
参加者:Good Life on Earthプレイヤー、アカンパニスト、メンター、スタッフ
協力:カールツァイス株式会社「A Heart for Science」


観て、触って、感じるハンズオン

さまざまな分野で重要な研究ツールである顕微鏡。プロジェクトのテーマを問わず、様々な特徴をもつ顕微鏡が存在し、何をどのように観察できるのかを知っておくことはこれからの大きな強みになるはずです。一方で、技術的・知識的な面だけでなく、自らの目で「見える」世界を体感することのよろこびに触れてほしいという主催者の想いも込められたワークショップとなっています。
ZEISSの掲げる「Seeing Beyond 見えないものを見る」というコンセプトと共鳴し、同社のA Heart for Scienceの一環としてご協力いただきました。

講義「微小世界を覗く顕微鏡の歴史と最新顕微鏡技術」

顕微鏡への愛があふれるZEISS顕微鏡エキスパートの田中 亨さんに、「顕微鏡の歴史と最新顕微鏡技術」について講義をいただき、参加者がこれから操作を体験する各種顕微鏡について、どのような技術進歩の積み重ねがあったのかとそれぞれの特徴を学びました。

田中亨さん/本イベントのスナップ写真はZEISSのレンズで撮影しました

ZEISS日本 本社麹町オフィス ショールームツアー

ショールームには、カールツァイス株式会社が製造している幅広い機器等が展示されており、歴史的なものから最先端機種まで、顕微鏡やカメラ、視覚検査の機器なども見学しました。
実は田中さんは、熱烈な顕微鏡コレクターでもあるお方。展示されているご自身の年代物の顕微鏡とカメラのコレクションには参加したメンターや同行した撮影カメラマンも大興奮でした。

実体顕微鏡・光学顕微鏡ハンズオン

顕微鏡ハンズオンでは、参加者が持参したものと、ご用意いただいたサンプルを使って実際に観察を行いました。1日目は実体顕微鏡と光学顕微鏡を扱います。

実体顕微鏡では、プレイヤーがGLEのプロジェクトで対象としている「クマムシ(微小動物)」や「ミルワーム(ゴミムシダマシの幼虫)」、外来植物の「オニアザミ」、「羊毛」などを観察。プレイヤー同士の研究対象を共有し合うことで互いのプロジェクトへの共感も生まれ、発見の多い時間となりました。

実体顕微鏡:一生懸命動くクマムシに「可愛い!」と歓声が上がる

対象に光を透過させて観察する光学顕微鏡のハンズオンでは、GLEアカンパニストの研究対象である魚に寄生する寄生虫「海産白点虫(かいさんはくてんちゅう)」の染色サンプルを観察しました。

また、光学顕微鏡で見るために作られたミクロの世界のアート「珪藻アート」のサンプルも覗かせていただき、その美しい世界に感動しきりの参加者一同でした。

珪藻標本『Christmas Tree』ミクロワールドサービス(写真提供:田中亨)

電子顕微鏡・X線顕微鏡・レーザー顕微鏡ハンズオン

2日目には、普段触れる機会のない最先端の3種の顕微鏡に触れ、それぞれの操作を一部体験させていただきました。

電子顕微鏡にプレイヤー自身の「髪の毛」のサンプルをセッティングすると、映し出されたのは見慣れたあの画像。「キューティクルだ・・」と盛り上がるとともに、その後見た「羊毛」も人毛とほとんど同じ見た目で、ではなぜ同じ構造なのに羊毛はふわふわなのだろうかと新たな疑問が湧くなどしました。

電子顕微鏡(左)とモニターに映し出された「羊毛」の像

また、X線をあてて非破壊で対象物の内部構造を観察することができるX線顕微鏡で「スマートフォン」や「みかん」などを観察したほか、細胞内の構造を実際の形で観察できるレーザー顕微鏡で、生物の教科書でもなじみのある細胞内小器官「ミトコンドリア」などを観察しました。

X線顕微鏡のモニターを操作するプレイヤー
レーザー顕微鏡を覗くプレイヤー

フリーディスカッション

ハンズオンを終えた後は、各顕微鏡をご案内いただいたZEISS社員の皆さまとGLE参加者とのフリーディスカッションを実施しました。参加者に投げかけられたのは、現在の顕微鏡で何が見えるかと見えないかがわかった今、「今後、何を見てみたいか?」という問い。
自分の脳や、音を見てみたいといった声や、ミルワームの消化管が見えたからその中でプラスチックが分解される様子を見られないかという自身のプロジェクトに関連した回答もあり、それぞれ視野が広がった様子。

「見たいという気持ちが大事」
顕微鏡を通して、ものの見え方が広がった今回のワークショップ。
顕微鏡を愛する方たちに囲まれて行ったハンズオンでは、自分の見たいものを持ち寄ったり、他のプレイヤーが夢中になっているものを本人に説明を受けながら見ることで、ただ観察の道具として使っていただけでは気づけなかった、「見ることの楽しさ」を感じた2日間でもありました。

プレイヤーの皆さんには、今後も「見たい」という気持ちを大切に、GLEプロジェクトに励んでもらえることと思います。ご協力いただいたZEISSの皆さま、貴重な機会を設けてくださり、ありがとうございました。

今回のワークショップで使用した機器
実体顕微鏡 Stemi305・508
光学顕微鏡 AxioImager.Z2
レーザー顕微鏡 LSM980 Airyscan2
X線顕微鏡 Xradia630 Versa
走査型電子顕微鏡 GeminiSEM500

カールツァイス株式会社

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