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従来のシステムとRPAの違い

RPAは、あくまでパソコンで動くソフトウェアのため、従来のシステム化との違いが今ひとつわかりづらいでしょう。RPAが自動化ツールといっても、これまでのシステムも自動化をしてきたはずです。ここでは従来のシステム化との違いを踏まえ、RPAの特徴を説明します。

これまで多くの手作業がシステムによって自動化されてきました。たとえば発注業務の場合、システムを使う以前は紙の注文伝票を手書きで作成していました。しかし発注システムを利用すると、パソコン画面で注文したい商品を選択し、数量を入力し、発注ボタンを押すと注文が飛ぶようになりました。手書きの注文書を作る必要はなくなり、必要であればシステムからプリントアウトするだけです。これが典型的な従来のシステム化です。

このようなシステム化によって業務はかなり効率的になったわけですが、よく見ると大勢の従業員がパソコンの前に一日中張り付いて作業をしています。つまり作業がゼロになったのではなく、10かかっていた作業量が5くらいに改善したということです。

 一方、RPAは、この残った5の作業をゼロにしようとする試みです。実際には完全にゼロにはならず、RPAの管理業務が残るため1くらいを目指すのですが、少なくとも作業は大幅に削減されます。つまりPRAは従来のシステム化を「もう一段改善する」という一つ上のレイヤに位置づけられるのです。言い方をかえればRPAはシステム化された業務を、さらにロボット化するという「二重」の改善なのです。

従来のシステム化は人間とシステムが一緒に作業をする「半自動化」でしたが、RPAはロボットとシステムが作業する「完全自動化」です。車で言えば自動運転と同じです。車のない時代には人は足で移動していましたが、車の発明によって高速の移動が可能となりました。しかし車は運転手がいなければ移動できません。ここに自動運転技術が加わることによって運転手がいなくても移動できるようになります。半自動化から完全自動化への進化です。

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