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今週のグッドデザインを紹介します(9/2 〜9/6)

今日は、 9月1週(9/2〜9/6)のとれたてグッドデザイン5点をまとめてご紹介します!



9/2 セカンドホーム(別荘)[SANU 2nd Home]

別荘サブスクという新しい提案。都市生活者へ「自然の中にあるもう一つの家」を提供するサービス。

SANU 2nd Home

受賞者によるデザイン紹介
「自然の中にあるもう一つの家」を提供するサブスクリプションサービスです。スマホひとつで月額5.5万円(税込)のサブスクに登録することで、都心から好アクセスな自然立地にある環境配慮型の木造キャビンを複数の拠点から自由に選んで滞在でき、「都市から自然に繰り返し通い、生活を営む」新しいライフスタイルを提供しています。

審査委員からのコメント
都市から自然に通いながら日常生活を営む新しいライフスタイルが、スマホひとつで月額5.5万円で手に入る、夢のようなサービスだ。国産材を100%使った木造建築を実現したり、間伐材の活用だけでなく岩手県釜石での植樹の実施など、持続可能性を求められる時代の理想的なセカンドハウスともいえる。会員から常にフィードバックをもらいながらサービス改善を図っているというから、今後がますます楽しみだ。会費に幅を持たせてサービスラインナップを広げたり、都心から好アクセスだけでなく休日利用も視野に入れるなど、コアコンピタンスを確認しながらのサービス拡充を期待している。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/20525

9/3 自転車向けサービス・アプリケーション[SmaChari(スマチャリ)]

ユニットを取り付けることで既存の自転車を電動化し、連動アプリでアシストの最適化や走行データ管理などを可能にする、自転車を自分好みに進化させるサービス。

SmaChari

受賞者によるデザイン紹介
さまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるサービス、およびそれに連動するスマートフォンアプリケーション。個々の車両タイプに合わせ、法規に準拠するアシスト出力を算出する。乗り手に合わせたアシストの最適化、走行データ管理、急発進抑制、盗難対策など、コネクテッドを活用したさまざまな機能で自転車を賢く進化させます。

審査委員からのコメント
既に市場が形成されている電動自転車と差別化を図るべく、ユニット単体のビジネスとも異なる新しい自転車向けサービスの挑戦である。スマートフォンとのシームレスな連携性によって、ユーザーは気軽に自転車の走行データを分析でき、健康で個性的なライフスタイルがサポートされる。またナビゲーション機能によって新しいルートの探索が手助けされ、楽しみながら移動ができる。このようにスマチャリは、データと身体性の融合による、まったく新しいエンターテイメントを提供するサービスといえる。挑戦する姿勢と新しい価値の創造は高い評価に値する。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15126

9/4 オフィス家具シリーズ[Any Way]

シンプルでありながら気分を高めるカラーリングのデザイン。集まった人や目的に合わせて軽やかに動かせるオフィス家具シリーズ。 

Any Way

受賞者によるデザイン紹介
Any wayはこれからのオフィスをコラボレーションの場と位置づけ、目的に合わせて場を組み替える機動性と、もっと集まりたくなるデザイン性をコンセプトとした家具シリーズです。オフィス家具としての機能を最大限に取り入れながら、すべての素材・パーツをモノトーンに統一することで、オフィスが楽しくなる美しい外観を実現しています。

審査委員からのコメント
個々の製品の高い完成度とともに、その名の通りシリーズ全体でいかようにも構成できる自由度を実現させた優れたデザインに高い評価が集まった。これまでに開発されたチェアやエナジーポールと同様、テーブルやソファの製品についても製造過程や機能性、細部のデザインまで、徹底した配慮がされており、シリーズ全体としての完成度をより高めている。豊富な製品群は軽快な機動性により、迅速で効率的な空間構成が可能となり、より自由で多様なワークシーンが実現でき、新しい働き方に相応しい存在となっている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/14065

9/5 図書館[瑞穂町図書館]

築45年が経過した長く愛されている町営図書館の改修プロジェクト。ワークショップを重ねて作り上げた、町民たちの「日常の居場所」となる図書館。

瑞穂町図書館

受賞者によるデザイン紹介
築45年以上が経過した瑞穂町図書館は長年町民に愛されながらも建物の傷みが進行。新しい公共空間のモデルとすべく改修設計に着手した。現行法規に適合させるため3階建の建物を2階建へと「減築」し、代わりに崖地に橋を渡すように木造棟を増築。周辺公共施設と新しい関係を築き、館内には町民の「日常の居場所」となるデザインを施した。

審査委員からのコメント
図書館が日常の居場所として求められるように言われて久しい。このプロジェクトの特筆する点は、減築による新しい空間創出はもちろん素晴らしいのだが、町民とのワークショップを重ね、本質的に市民たちが使いこなせる場所を実現させたことだ。公共的な設計に関わる者であれば、誰だって地域の声を拾い設計に反映させることを願っているが、その思いとは裏腹にアリバイづくりのようなワークショップとなってしまっていることに、本当の公共性に関わることの難しさがあるのだ。この建築家は、ワークショップの名手であり、彼の人間的な魅力がこのプロジェクトを成功に導いている。しかしこのプロジェクトの中で、彼は町民との一つ一つの対話から行政との信頼関係と対話の効果を示し、ワークショップを行う予算確保、そしてその実行に丁寧に取り組んだことを話してくれた。この事実は、多くの行政と設計者を励まし、本質的な場所づくりの意味を示してくれてた。この極めて困難な合意形成に向かうプロセスをデザインと呼ぶのであれば、デザインのもつ可能性に心から感動し、この概念が広まってくれることを強く願っている。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15758

9/6 急速冷却機[小形ラピッドチラー HRC-2A]

小さな店舗厨房にも設置環境や業態を選ばず導入しやすい、食材の衛生管理をサポートする小型の急速冷却機。

小形ラピッドチラー HRC-2A

受賞者によるデザイン紹介
小型の飲食店や小規模な厨房をターゲットにした小形・卓上サイズの急速冷却機。加熱調理後の食材を最大-15℃の冷風で急冷し、細菌が増殖しやすい温度帯をすばやく通過させ、安全・効率的に食材の衛生管理をサポートする。ステンレスボディーでコンパクト、シンプル・ソリッドなフォルムが、様々な店舗・空間に調和する。

審査委員からのコメント
従来のラピッドチラーは大型厨房が主流で操作性が優先されるため意匠に期待できなかったが、本製品はこれまでターゲットでなかった小規模厨房に設置されることを想定し、コンパクトで無駄のないデザインに最新の技術が内包されている。単相100vの稼働や同ブランドのスチームコンベクションとの連動を想定しサイズを共通にするなど、使い方を想定した開発がされている。吸気口と扉のハンドルを兼用したデザインは特筆すべき秀逸なアイデアである。

https://www.g-mark.org/gallery/winners/15352

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