クマのおいとま(4)
山に行った主に対抗して、私は海へ行くことにした。
見たことのない世界が広がっている。
はしゃぐ心を抑えられない。
ひたすらに海の中を覗いてしまいそうになるが、時間になったので移動する。
主が「水族館に行くならコレを見るべきだクマ〜」と言っていたので。
ホイッスルの音に合わせて軽快に水面から飛び上がるイルカ、派手な水飛沫に圧倒される。
この手では小さいかもしれないが、めいっぱい拍手を送った。
そろそろ足が痛くなってきた。
この水族館の最後の場所に向かう。
入り口の先には水の洞窟があった。
この日は有名なゲームとコラボしていて、館内に流れる音もゲーム内と同じBGMになっていたらしい。
主に言ったら、羨ましがるだろう。
その表情を思い浮かべて少し胸がスッとした。
山の景色は知らないけれど、海の方がずっといい。
山小屋にいる主を想像してみる。ちゃんと食って寝て元気にしてるだろうか? ぐでっとせずにシャキシャキ頑張ってるだろうか?
……お暇の日にそんな事を考えても仕方ないので、主の為にお土産くらいは買っておこうと思った。
【行った場所】
八景島シーパラダイス
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