見出し画像

介護業界の転職事情:なぜ「新しい」に惹かれ、なぜ戻ってくるのか?

何らかの事情により自主都合で退職したにも関わらず、再就職を希望して面接に現れる、いわゆる『出戻り社員』の話です。
待遇や条件面に魅力を感じ、別の介護事業所に転職したものの、実際に仕事をしてみると以前の職場がどれだけ恵まれていたかを実感し、戻ってくることが多いようです。

特に多いのは新規開設事業所からの出戻りです。
誰でも『新しい』という言葉には弱いものです。
しかし、新しい事業所で介護経験者も未経験者も含め、いろいろな人が集まって、一から人間関係を築いていくのは大変なことなのです。
更に、経験豊富な指導者が不在で、リーダーシップがとれず、サービスの方針が定まっていなければ、組織は崩壊に向かって一直線です。
飲食店等に転職する場合は、一般のお客さんとして入店し、店の雰囲気やスタッフの働きぶりを確認できますが、介護事業所は閉鎖された空間のため、職場の雰囲気を自分の目で確認することがなかなか困難です。
そのため、施設の外観や待遇面だけに気を取られて転職を決めることが多くなります。ある意味、仕方のないことかもしれません。隣の芝生は青く見えてしまうのです。

だからこそ、事業所側としては、一時的な気の迷いで去ってしまった元職員が『やっぱり前の職場に戻りたい!』と言うのであれば、温かく迎えてあげてほしいと思うのです。
基本給も、懲罰のように新人扱いにせず、退職前と同じ待遇で迎えるのがポイントです。気分良く働いてもらうためです。懲罰的な意味合いを除けば、能力もあり経験がある職員なのに基本給を下げる合理的な理由はありません。百害あって一利なしの愚策は行ってはいけません。

今後、ますます厳しくなる人財獲得競争の中で、他とはひと味違ったやり方を取り入れなければ、差別化はできません。戦略的に人財を獲得していきましょう!

いいなと思ったら応援しよう!