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若手がイキイキ働く職場とは?~「チャレンジ」と「プライベート重視」の志向が共存するZ世代の転職動向~

こんにちは!GOOD ACTION AWARD note編集部です。
本日は「Z世代の転職動向」に関する興味深い調査結果と、Z世代を含む若手がイキイキと働く職場の事例をご紹介します!


Z 世代(26 歳以下)の転職は、5 年前の約 2 倍と右肩上がりで増加。昨今、「転職」は若年層にとって一般的なものになっています。
今回の調査では、Z 世代のキャリア観や働くニーズから、企業が多様な人材を引きつけるためのヒントを探りました。

リクルートHR 統括編集長 藤井 薫 解説
注目したいのは、Z 世代の「どの会社でも通用する能力を求め」、(スペシャリストではなく)「ゼネラリストとしてのキャリアを求める」といった、一見、相矛盾するキャリア志向です。終身雇用を前提としないエンプロイアビリティー(雇用される能力)が身につく「新しいチャレンジ」の機会を求めるZ 世代の「ゼネラリスト志向」。そこには「スペシャリスト経験を複数持ちたい」「変化のスピードが速い社会に対応したい」という、高次のキャリア志向が見え隠れするようにも感じます。
今注目の「ジョブ型人事制度」が、狭いキャリアパスとして、誤解・忌避されるリスクもあるかもしれません。若手人材の活躍・定着を目指す企業は、新世代の「ゼネラリスト志向」を持つ、彼ら彼女らの声に耳を傾けて職場づくりを行う必要があるのではないでしょうか。

ここからは具体的な調査結果と、若手がイキイキと働く職場の事例を見ていきましょう。

◆Z世代の転職動向

●ポイント1:企業内特殊能力より、どの会社に行っても通用するスキルを身につけたいと考える学生が増えている

大学生を対象とした調査結果では、「その会社に属していてこそ役に立つ、企業独自の特殊な能力」よりも「どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力」を重視する学生が増えています。

出典:リクルート・就職みらい研究所「大学生・大学院生の『働きたい組織の特徴』」を基に作成

●ポイント2:今の職場での自分自身の成長スピードに懸念を感じる人が約4割

次に、現在すでに働いているZ世代は、職場環境にどういった想いを抱えているのでしょうか。
現在の職場の不安要素に関する質問を行ったところ、3 割~5 割の人が以下 3 つの項目に「そう思う」と回答しました。

出典:リクルートワークス研究所「大手企業の新入社員が直面する職場環境を科学する」

このように、自分自身の成長スピードに懸念を感じ、先々への不安や焦燥感を抱く人が 多くいることが分かりました。

●ポイント3:ゼネラリストとしてのキャリア形成を重視している

続いて、転職活動者を対象とした人材マネジメントに対する調査結果をご紹介します。
新たな職場(転職後の会社)に希望する人材マネジメントの考え方・組織風土について聞いたところ、Z 世代は「プロフェッショナルとしてのキャリア形成」よりも「ゼネラリストとしてのキャリア形成」を重視する割合が、他世代よりも高い傾向が見られました。
前項の、就業意識に対する調査では、Z 世代の社会人の多くが「自分は別の会社で通用しなくなるのではないか」という不安を抱えていることが明らかになりました。
通常、こうした不安を解決しようとした時、専門的な知識や資格を身につけるなど、スペシャリストとしてのキャリア形成を希望する個人が増えることが想定されます。しかしながら、今回の調査で Z 世代は、「どの会社でも通用する能力を求め」、(スペシャリストではなく)「ゼネラリストとしてのキャリアを求める」傾向にあることが分かりました。

出典:リクルート「転職活動者調査」を基に作成

●ポイント4:描く理想は「新しいことへのチャレンジ」「プライベートも重視できる環境」

「理想とするキャリア」に関する質問でも、他世代とは異なる Z 世代の特徴が浮き彫りとなりました。
転職活動をしている人を対象に、理想とするキャリアに近いタイプについて、「特に理想に近いもの 3つまで」を聞きました。
「プライベートも重視できる環境」「自分のペースやスタイルを貫く」を理想とする人の割合が、Z 世代は他世代より高いことが分かりました。
一方、「専門性を極めながら働く」ことを理想とする人の割合は、他世代と比較して極端に低いことも分かりました。前項でお伝えした「ゼネラリスト重視のキャリア形成志向」がこちらの調査でも垣間見えており、他世代との差異が最も大きく表れています。

出典:リクルート「転職活動者調査」を基に作成

Z 世代のキャリア観や働くニーズから、企業が多様な人材を引きつけるためのヒントを探りました。
若手人材の活躍・定着を目指す企業は、彼ら彼女らの価値観変化を理解し、ニーズを踏まえた採用や職場づくりに取り組む必要があると言えるでしょう。
 
▼調査の詳細はリリースをご覧ください


◆若手がイキイキ働く職場事例

【有限会社原田左官】

「見て覚えろ」の左官の世界を変えた、動画で学ぶモデリング訓練。
昭和の職人と令和の若手が混ざり合う新しい現場の作り方

 <課題>
・従来の左官業界にあった「見て覚える」「技術は盗むもの」という育成方法により、うまくコミュケーションが取れないことによる離職
・見習い期間の設定が曖昧だったことで、いつになれば見習いを卒業できるのか分からないまま厳しい修業期間が続くことによる若手の離職
 
<アクション>
名人が壁を塗っている動画を手本にして、その動きを完全に真似することで塗り方を覚えていく独自のトレーニング方法を導入。見習い期間を「4年」と明確に設定しました。
 
<変化>
キャリアパスが明確になったことで定着率が向上。20年前は見習い期間の定着率が30%にも届かない状況だったが、現在では80〜90%と大きく改善されました。
新人は真似すべきポイントを事前に理解することで質問が的確になる→ベテラン側も新人がどういった点がわかりづらいのかがはっきり見えるという循環が出来たことで、ベテランから新人への歩み寄りや、新人がベテランに積極的に教えてもらいに行く、といったコミュニケーションが以前よりも活発になったことです。
 
▼取り組みの詳細はこちら

【株式会社佐藤製作所】

平均年齢約60歳、男性職人のみ、10年連続赤字で倒産寸前の町工場が新卒採用を決断。「銀ロウ溶接女子」が社内コミュニケーション活性化を促し会社復活の起爆剤に

<課題>
・平均年齢約60歳以上、会社の業績は10年連続の赤字、昇給もボーナスもなく、不平不満ばかりが飛び交う職場
・社員のモチベーションダウンにより、納期は遅延が続き、不良品も多発
 
<アクション>
社内の雰囲気を変えようと、会社史上初の新卒採用に踏み切ることを決定。
人事制度や労務環境を一から見直し、新卒採用に絞ってアプローチを行いました。
 
<変化>
2015年以降継続的に若手社員の採用を行うとともに、離職者ゼロを実現。
はじめは反発していたベテラン職人たちも、若手がまじめに仕事に取り組む姿を見て徐々に意識が変化。暗かった職場に笑顔と会話が生まれるようになりました。
また社内コミュニケーションが活発化したことで、仕事もスムーズに進むようになり、ミスや不良品発生率、納期遅延が激減し業績もV字回復しています。
 
▼取り組みの詳細はこちら


●価値観が違う世代がともに、イキイキと働ける良い職場とは

若い世代に向けた職場づくりをしても、ベテラン社員が置き去りになるのではないかという懸念もあります。そんな中でも、「若い世代とベテランが相互に成長できる職場」こそが、価値観が違う世代がともにイキイキと働ける良い職場だと考えます。
 
若手社員の声に耳を傾けることで、ベテラン社員を含めた組織全体の意識が変わり、相互が成長出来る職場につながるのではないでしょうか。 


●リクナビNEXTでは「一人ひとりがイキイキと働ける職場の創出」を応援しています!

今年で10年目を迎えるリクナビNEXT主催の働き方/職場づくりのアワード。働くあなたが想いを持って動き出し、イキイキと働ける場を作っていく、そんな可能性を踏めたACTION(取り組み)に光をあて、表彰しています。
 
今回ご紹介した原田左官や佐藤製作所の事例をはじめ、過去には70を超える取り組みが受賞しています!
 
▼受賞事例はこちらをチェック