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他人のふんどし

5月末、地球惑星科学の研究者が一同に会する日本地球惑星科学連合大会(JpGU)が今年も開かれた

全日程参加するとほぼ1週間、幕張に滞在することになり、それなりに体力を消耗するため、去年は一部の日程だけ現地参加した。ただ、色々な方から「ちょっと立ち話どうですか?」とメールをいただくことが多く、「いません…」と断るのが寂しかったので今年は全日程現地参加することにした

実際、学会では発表を聞くことも重要だが、ふとした立ち話から始まる研究の広がりの方が重要だなと思ったりもする

とはいえ、新しい研究の話を聞けるのもやはり学会の面白みであり、今年も面白い発表をたくさん聞けた。その中で、「お!これは院生のHくんの研究に使えそうな手法だな。あとで使わせてもらえないか聞いてみよう」と思う発表があった。

たまたま、Hくんと発表者の方と3人で話すタイミングがあったので、その話をしたところ、思いがけず、Hくんから「他人のふんどしで相撲取っちゃダメですよ」と言われてしまった。素晴らしい矜持である。

私はもうすっかりその矜持は失ってしまった。というか、手法開発は不得意すぎてすっかり他人のふんどし使いだ
それでも、自分の研究スタイルに行き着いた気持ちはある。私はいろんな問題を見つけては、使えそうな手法を使ってあれこれ考えるのが得意なのではないか、ということである。

研究のスタイルは人それぞれなので、他人のふんどしで相撲を取ってもいいし、ふんどしをひたすら作り続けてもいいだろう。ただ、たまにはふんどしを自分で作ってみないと、ふんどしにどんな問題があるか、気づかないこともある。私もたまにはふんどしを作ることにしよう

やはり学会は現地参加して、色々な人と話すことに意味がある。来年も幕張に1週間滞在して、色々な刺激をもらおう。