田中 良@走る火山学者

研究者として、大学教員として、ランナーとして、 エッセイを書きます

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胸を張って生きよう

『何か失敗しても、あなたの価値は変わらない。堂々と胸を張って生きよう』などという大学教員らしい、いいことが言いたいわけではありません 単純に、物理的に、自分の胸を張って生きよう、という書き物です きっかけはこのyoutube動画を見たこと。結局ランニングである… この中で、『胸の位置を少し上にあげる』という姿勢改善が提案されていました そういえば、あまり意識していなかったなと思い、まず、その場でやってみました すると、胸をあげる=張る、となり姿勢がすっと良くなった気がしま

    • 5ヶ月でフルマラソンPBを3:09から2:49にした話

      すっかり『走る火山学者』じゃなく、『走ってばっかりの人』と認識されてそうな大学教員です 水戸黄門漫遊マラソン2024を2:49:12で走り、自己ベストを大幅に更新できました 33kmくらいからかなりペースダウンしてしまったレース展開には悔いが残るものの、5月の洞爺湖マラソンの3:09:00からの大幅更新です!この大幅更新に繋がったかもしれないこの5ヶ月の取り組みを紹介します COROS 20 週マラソントレーニング ランニングウォッチのCOROSが提供する20週間のマラソ

      • 卒酒エントリー

        これまで大変お世話になりました 思えば初めてあなたに出会った時から、あなたにすっかり魅了されていました 楽しい思い出、やらかした思い出、たくさんの思い出をあなたと一緒につくりました 今の私のポジションを作るのに一役も二役もかってくれたことは間違いありません でも、もうあなたから卒業します あなたなしでの健康な生活を謳歌したいのです 本当にこれまでありがとう というわけで、アルコールからの卒業エントリーです。 きっかけは去年夏の健康診断。北海道マラソンでバテバテになった次の日

        • 札幌マラソン-満足感とちょっと後悔-

          2024.10.06 札幌マラソンに出場し、真駒内公園から大通り公園を往復して、ハーフを駆け抜けてきた 秋晴れの快晴、ちょっと暑かったが、気持ちいい天気だった コースの特徴は、前半下り坂、後半上り坂…さらに今日の風は後半向かい風…前半抑えて、後半しっかり坂を登るのがセオリー セオリーはわかってたはずなのに…下り坂で心拍数が上がらないことに調子に乗って、5 kmのレースペースくらいで突っ込んでしまった… 坂が少し緩くなって気づいた時には、心拍数は閾値心拍数を超えていた そこ

        胸を張って生きよう

        マガジン

        • ランナーとして
          6本
        • 大学教員として
          7本

        記事

          十勝岳にて(上)

          2024年6月中旬、十勝岳火口域の観測点を撤収した この観測点は私がまだ大学院生だった2014年に、延べ1週間、およそ10人がかりで設置した思い出の観測点だった 十勝岳は北海道中央に位置する活火山で、1988-89年の噴火を最後に噴火はしていないものの、現在も火口からはもうもうと噴気をあげている。2006年ごろから火口下数100mの深さに圧力が溜まっているような地面の膨らみ(目で見てもわからないがGNSSなどをつかうとわかる)が観測されていた。全磁力と呼ばれる地下の磁石の強

          函館を走る

          2024年6月30日、函館マラソン、ハーフの部に出走した。自己ベストも更新し、最高のレースだった 函館は私の所縁の地である。祖父母の家が五稜郭公園の近くにあり、ほとんど記憶はないが私自身も2歳から4歳まで住んでいた。ハーフマラソン前日は、祖父母の家に泊まらせてもらった。もっとも、既に家主はいないのだけれど。 祖父は数年前に、祖母は去年、他界した。2人とも90過ぎまで元気だったので、大往生と言っていいだろう。 祖父は酒を飲むのが好きで、強かった。以前日本酒をお土産に持って

          走る火山学者の朝

          起きたらまずトイレに行き、その後体重計に乗る。体重と体脂肪率から、前日の運動、食事の答え合わせをする。思っていた通りの変動をしていれば嬉しいし、違っていれば原因を考える。我が家の体重計は、なぜか1回目は体重を軽く、体脂肪率を低く計測し、ぬか喜びさせてくるので、最低でも4回は乗って、1回目のデータを捨て、残り3回で平均を取る。ばらつきを考慮するのは計測の基本である。 そのあとは走る準備をして、朝ランに出る。大抵、30分から1時間走る。朝ごはん前に走ると脂肪燃焼効果が高いこと、

          つい自己啓発になるエッセイ

          エッセイを書き始めて、水曜日・土曜日に更新しようと4本書いてきた。最初の3本を書いて気づいたけれど、つい、人生の教訓めいたことをエピソードから見出そうとしてしまう あまりにも説教くさいので、4本目は火山研究者になったきっかけと言ってもいい、火山との出会いを、できるだけ説教くさくならないように書いた そういえば、以前ある先生と飲んだ時に好きな本の話になって、伊坂幸太郎、池井戸潤、幸田露伴が好き、と言ったら、わかりやすくて説教くさいのが好きなんだね、と言われてしまった でき

          つい自己啓発になるエッセイ

          火山との出会い

          --------- 2010年6月、僕は北大理学部、地球惑星科学科の3年生だ。 今日は計測実習という講義で、有珠山にきた。担当のOさん(先生と呼ばれるのを嫌がる)は変わった先生で、実習前の事前授業では飲食自由だし、本実習の前の下見の日にアメフト部の試合があると言ったら、「勝ってこい」と言われただけで、何も咎められなかった。 下見に来なかったので、初めての有珠山。銀沼火口と呼ばれる、過去の噴火でできたらしい場所にきた。 穴、でけー!ふけー!なんか湯気でてるー! 実習に来たも

          他人のふんどし

          5月末、地球惑星科学の研究者が一同に会する日本地球惑星科学連合大会(JpGU)が今年も開かれた 全日程参加するとほぼ1週間、幕張に滞在することになり、それなりに体力を消耗するため、去年は一部の日程だけ現地参加した。ただ、色々な方から「ちょっと立ち話どうですか?」とメールをいただくことが多く、「いません…」と断るのが寂しかったので今年は全日程現地参加することにした 実際、学会では発表を聞くことも重要だが、ふとした立ち話から始まる研究の広がりの方が重要だなと思ったりもする

          人生のKPI

          2024年5月19日、第50回ANA洞爺湖マラソンを走ってきた 1周36kmの洞爺湖を1周とちょっと走るフルマラソン。タイムは3時間9分ちょうどで自己ベストを更新した。フルマラソンは3時間も走っているので、つい、色々なことを考えてしまう フルマラソンをその日のコンディション(自分の調子、天候、コース状況)の中で最速で走るためにどうすれば良いか…今シーズン4本目のフルマラソンだった僕がたどり着いた答えは『心拍数を管理すること』だった。詳細は割愛するが、心拍数160〜165くら

          やらなきゃいけないこと

          『やらなきゃいけないこと』には2種類あると思う 『やらなきゃいけない、やらなきゃいけないこと』と『やらなくてもいい、やらなきゃいけないこと』 『やらなきゃいけない、やらなきゃいけないこと』は、誰かとの約束だったり、〆切が設定された仕事だったり、やらないと誰かに迷惑がかかるもの。例えば、書類仕事だったり、学生指導だったり。 『やらなくてもいい、やらなきゃいけないこと』は、やらなきゃいけないんだけど、誰かと約束しているわけでもなかったり、〆切が設定されていなかったり、やらない

          やらなきゃいけないこと

          エッセイを書く

          寺田寅彦に憧れがある 中谷宇吉郎にも憧れがある JALの機内誌で連載されている浅田次郎のエッセイが、機内での楽しみの一つ これまでのnoteは、誰かに読んで欲しくて、誰かの役に立つことを書こうとしていた そして、おそらく飽きてしまって、ほとんど開かないまま2,3年が経ってしまった その間に、コロナ禍があけ、任期なしの助教になり、指導した学生の数も10を超えた ランニングを始め、フルマラソンを4本走った 誰の役に立たなくてもいいし、ちょっと気持ち悪くてもいいか 今日から実

          研究室生活の乗り切り方ー卒論の書き方ー

          今年もあっという間に年の瀬が近づいている。年の瀬といえば、卒論・修論の季節だ。 大学3年生・4年生で研究室に配属される大学生が、研究室生活を乗り切るために、現役大学教員が一つの方針を提案するこのシリーズ。第4弾は卒論の書き方である。 今回は、日本語の書き方、というのは置いておいて、卒論の大きな流れの作り方について書きたい。いくら上手な日本語、わかりやすい日本語が書けても、そもそも内容が卒論に見合っていなければ意味がないからだ。 スケジュール感まず、中身をどうこう悩む前に

          研究室生活の乗り切り方ー卒論の書き方ー

          研究室生活を乗り切るためにー発表スライドの作り方ー

          大学3年生・4年生で研究室に配属される大学生が、研究室生活を乗り切るために、現役大学教員が一つの方針を提案するこのシリーズ。第3弾は発表スライドの作り方である。 研究室に配属されると、スライド(パワーポイントやkey note)を使って発表を行う機会が山のようにある。そして、どんなに研究で手を頑張って動かしていても、論文を読み込んで内容を理解していても、発表スライドがある程度きちんと作られていないと、聞き手には全く伝わらず、思いがけない大惨事になったりする。ここでは、『上手

          研究室生活を乗り切るためにー発表スライドの作り方ー

          研究室生活を乗り切るためにー論文の探し方・読み方ー

          大学3年生・4年生で研究室に配属される大学生が,研究室生活を乗り切るために,現役大学教員が一つの方針を提案するこのシリーズ.第2弾は論文の探し方・読み方である. 弊学・弊学科では,研究室における重要な取得単位の一つに,論文購読がある.最新の論文(英文)を読み,ゼミメンバーに紹介するというもので,研究室に配属された学生が最初にすることであり,最初に苦労することでもある.他の大学でどのように実施されるかはわからないが,研究をする上で論文を読むということは非常に重要なことであり,

          研究室生活を乗り切るためにー論文の探し方・読み方ー