3415 TOKYOBASE 2025.1月期第二四半期業績予想
1.予想値(連結決算)
単位:百万円 ()内は前期実績
売上高 9,057(9,566)△509
売上総利益 4,802(4,872)△70
販管費 4,385(4,555)△170
営業利益 417(316)+101
経常利益 545(414)+131
純利益 320(193)+127
売上高について
売上高については、例によって速報の数字から計算しておりますが、全体的には、第二四半期単独で比較すると、前期比88.4%と10%以上の減収です。
国内においては、
国内実店舗・・・106.2%
EC・・・55.0%
国内実店舗+EC・・・90.8%
であることが分かります。
海外は、中国の店舗数が半分以下に減ったことで、全社比は当然減収ですが、既存店売上高については、前年対比増を継続しています。
1Qの決算説明資料から考えて、
中国事業は、前年対比63%、香港は105%程度ではないかと見積もっております。
海外事業は売上高が小さいので、この程度の数値を当てはめていて大きくずれ込むことはないかと思います。
第二四半期単独の数字としては、
日本実店舗売上高・・・3,202,755千円(+186,978千円)
日本EC売上高 ・・・697,908千円(△571,016千円)
香港実店舗売上高・・・161,612千円(+7,695千円)
中国実店舗売上高・・・311,888千円(△183,172千円)
合計 ・・・4,374,163千円(△559,515千円)
という数字に近くなると予想されます。
約5.6億円の減収。
この数字は売上総利益率が6.5%改善されれば営業利益がひっくり返せる数字になります。また、販管費の減少でも営業利益を押し上げることができます。重要な要素は、売上総利益率の向上と販管費の減少だということが見えてきます。
売上総利益について
今回は売上総利益率が決算の鍵を握っていると考えられます。
実店舗は106.2%ではあるものの、7月は前年は7/15〜7/31までサマーセールを開催していたのに対して今期は8月に後ろ倒しにしていることから、単純に売上高で比較できなくなっております。
ECは前年比55%となっておりますが、タイムセール、クーポン売上高はほぼ0の水準になっていると推測できます。
前年2Qの国内の売上総利益率は52%程度であると推測できます。今回は、値入率の向上に挑戦していて、トップラインを棄てて粗利重視の戦略を取っています。
とはいえ、おそらく既存の商品(キャリー)については、価格を据え置いていて、あくまで新商品のみ値入率を向上させているのではないかと予測しております。したがって、既存商品はセール抑制のみで粗利率向上を図っていることになります。
これらを加味して、連結の売上総利益率は前期比5.5ポイント%増加すると予想します。
国内については違う視点で考えれば、ECの売上低下約470百万円の売上総利益を回収できるかどうかです。低下分の売上総利益率は35%前後であると想定してますので、165百万円の売上総利益を回収できるかどうかという見方です。ZOZOの売上高が低下すれば、販売手数料も減るし、自社ECであっても配送料や決済手数料などは減りますので、営業利益的には賃上げ分を吸収できるかどうかです。個人的には、国内は増益だろうと思います(前期2Q単独で営業利益406百万円⇒440百万円あたり)。
販管費について
TOKYOBASEは3月に大幅な賃上げを実施して話題となりました。そして、その影響額は一部メディアで年間3億円という見通しが言われていたりします(社長自身は年間2.5億円としている⇒1Qで連結で通期3億円増の見通しと記載された)。
前回記事に引き続き再度販管費の増加要因と減少要因を整理します。
販管費の増加要因
賃上げによる年間3億円の人件費増(2Q単独では75百万円程度増加が予想される)
実店舗売上高増加による地代家賃増加(売上高の16~16.9%と言われている。2Q単独で見ると35~40百万円前後の地代家賃増加が予想される)
主だった増加要因は上記2つで105百万円~120百万円と予想される。
販管費の減少要因
中国事業縮小による地代家賃減少(1店舗の月額家賃は350万円前後と推測できる。なお、3月(1Q)退店の北京西単店は230坪ある大型店であり、コストも平均より高いと考えられる。2Qには中国で1Qに退店した3店舗分の費用削減分が反映される。これら、中国の減価償却費、地代家賃といった販管費は通期で前期比6.5億円減が見込まれている。
2Q単独では、減価償却費で1.7億程度の減少すると予想。中国事業縮小による人件費減少。ただし、前期末時点では1店舗当たりの従業員数が11名に膨れ上がっており、2~5名前後である香港や国内店舗と比較すると明らかに多いことが分かる。有価証券報告書を参照すると従業員が削減されていることは読み取れるものの、店舗数に対して過剰な人員を抱えている状況だと考えられる。
値引抑制によるZOZOの売上低下に伴う、販売手数料の減少(販売手数料は売上高の27~30%と言われている。しかしながら、1Qまでを観察していて、ZOZO売上高の減少幅に対して販売手数料の変動幅がバランスしない印象がある。)⇒2Q単独では、ZOZOの売上高は370百万円程度の減少だと推測され、販売手数料は20%だと見積もって74百万円減少すると予想。
以上から、販管費は
人件費・・・75百万円増
減価償却費・・・170百万円減
地代家賃販売手数料・・・35百万円減
合計・・・130百万円減
第2四半期の重要点
まず、トップラインを棄てて利益重視にシフトするという判断が短期的にもプラスに働くのかどうか、すなわち国内が増益を達成できるかどうかが重要です。
そして、もうひとつは中国の赤字額です。1Qの△139百万円からどれほど縮小するのか。12店舗退店して縮小した赤字幅45百万円程度だったことを考えると、大きく縮小するとは考えにくい部分があります。しかし、北京西単店は店舗面積が230坪とかなり大きく、コストが大きかったのも確かでしょう。
中国の赤字額で、不採算店舗がまだあるのか、今期通期黒字化の可能性が消えるかどうかも判断できるように思います。
2Q次第では下方修正を意識せざるを得ないかと思いますが、私の予想を大きく下回るものでなければ、下方修正の可能性は低いかなと思います。
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