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第3回 アメリカ生活スタート
2004年9月、私達家族はアメリカのニューヨーク州郊外で暮らし始めた。ここは自然豊かで気候がふるさとの北海道に似ている。夫の職場はダウンタウンにあり、その周辺はあまり治安が良くないので遠く離れた治安のいい地区に住んだ。日本からの研究者が多く住んでいて紹介してもらっていたのだ。タウンハウス(日本でいう長屋のような作り)で地下一階地上二階になっている。全体的に白を基調としていて清潔感のある住まいだ。
冷蔵庫と洗濯機は備え付けられていたが、その他の家電や家具は買わなければいけなかった。東海岸にはBJ’sというコストコの様な会員制卸店があり、日用品の多くはそこで購入した。連日巨大なカートを押して買い物三昧の日々が続き、後半からは買い物恐怖症のような気分になってしまった。ティッシュやオムツなどは、とにかく量が多く棚から取り出しカートに載せるだけで疲れる!どうにか一通りの物が揃い諸々の手続きも終え、2週間ほどで生活が落ち着いた。
アメリカは何でも大きい。家の近くにあるゴミ捨て場には、巨大なコンテナのようなものが置いてある。高さが結構あるので、捨てる時はゴミ袋を持ち上げて投げ入れる形になる。毎回重労働だ。近くにたまたま男性がいる時は、必ずと言っていいほど代わりに投げ入れてくれる。
アメリカ人は親切な人が多い。ベビーカー(英語ではstroller という)を押して歩いていると、近くにいる人は大抵入り口のドアを開けて通してくれる。お店に入ったら、若い男性が素早い動きでカートにカゴをセットして渡してくれたりする。一瞬店員さんかと思ったが、通りすがりの買い物客だった。思わずキュンとしてしまった。笑
ベランダの目の前には芝生が広がっていて、時々芝生越しにお向かいさんの様子が見える。ある夕方、ハンバーガーを作るためなのかお向かいさんが庭に置いてあるバーベキューグリルで小さなハンバーグ一個を焼いていた。一個だけのためにわざわざ!アメリカ人にとってバーベキューグリルは欠かせないようだ。
10月に入り、街はハロウィン一色になっていた。
これから始まる新生活に胸が弾んだ。